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無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第20章 探求と暗躍
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暗躍する者たち19

しかし考え込んだのは僅かな時間で、すぐに白衣の男が自分の予想を口にする。


「ふむ・・・考えられる理由は二つ。

一つは、お前が仕事をしているか確認するため。

もう一つは、報告の内容によって自分の都合がいい状況に都度計画を調整するため。

といったところだろう。

これは状況によっては、他の空中都市掌握の依頼も、お前に来るかもしれないな。」


白衣の男の予想を聞いて、帽子をかぶった男があることに気付く。


「・・・つまり、オノゴロで俺が管理者特級権限の最上位を得なければ後の依頼も来る可能性が高い、ということか?」


「おそらくな。

もしお前が管理者特級権限の最上位を得た場合は、その後、他の空中都市掌握の依頼は来ない可能性が高い。

何故なら脅威となる可能性があるからだ。

しかし得なかった場合は、逆に依頼が来る可能性が高い。

これは管理者特級権限の最上位が一つだけなら影響はないのか、それとも強制的に奪ったり停止することができるのかもしれないな。」


「・・・それは可能なのか?

少なくとも俺の記憶にはないぞ。

当事者であれば位置づけを調整することくらいはできるだろう。

だが権限だけを奪ったり停止させることができるなど聞いたことが無い。」


「わからない。

当然私の記憶にも該当する者は無いからな。

権限の位置づけは、統制管理者たちに与えられた特権のようなものだ。

だが不可能だとも思えない。

空中都市の管理者関連については、あちらに一日の長があるからな。」


「・・・そうだな。」


「しかし報告の意図はそれだけではないはずだ。

おそらく本当の目的は、お前という器を図るつもりだろう。」


「・・・そういうことか。

自分よりも俺の権限が上か下か確認するつもりか。

それで俺に対する待遇や対応を判断する。

相変わらず小さい男だ。」


「まったくだ。

だがそうなった場合、話がこじれる可能性が高い。

管理者を確保する際に、お前には権限の確認を何らかの方法で下に落としてもらう必要がある。

できるか?」


「・・・簡単なことだ。

俺という存在の情報を一部隠蔽すればいい。

それで管理者特級権限の最上位は回避できる。」


「いいだろう。

だが権限が低すぎても困るな。

そこは中位から下位くらいになるよう上手く調整しろ。」


「・・・問題無い。

知っての通り、俺にとっては容易なことだ。」


「そうだったな。

上手く立ち回れば、他の空中都市の掌握依頼もお前に来るはずだ。

できればお前には、他の空中都市にも一度直接行っておいてほしいからな。」


「・・・そのつもりだ。

一度直接行けば、以降は転移できるようになる。

それが後々利になるからな。」


「そうだ。

だがくれぐれも今は、絶対にそのことを気取られるな。

むしろやりたくないくらいの態度でいろ。

そうすれば逆に依頼してくる可能性が上がる。」


「・・・そういう性格だということはわかっている。」


「ならいい。

ところで、確保したオノゴロの管理者は、どう扱うことになっている?」


「・・・確保するところまでしか俺は指示を受けていない。

おそらく終了時の報告で状況を確認した上で、それについて別途指示があるはずだ。」


「まだ決めあぐねているのかもな。

可能性として高いのは、表面上の所持権だけを渡すつもりだろう。

そうすることで更なる貸しを作り、自分の立場をより盤石にして発言力を増す、といったところか。

あの男の考えそうなことだ。」


「・・・仮の首輪を握らせるなら、可能性が高いのはシェドラだ。

表向きの計画の主導者だからな。」


「真の計画や裏の計画については、何かわかったか?」


「・・・いや、まだ不明だ。

だが計画についてか。

一つの計画を実現させるために協力関係にある連中だ。

それは、それぞれの思惑が邪魔をしていないからこそ協力している状態とも言える。

しかしこれは表向きだけで、俺から言わせれば、実際はいくつかの嘘が絡み合うことで成り立っているとしか思えない。

それこそ薄氷の上に立つようなもろさを抱えてるはずだ。」


「だろうな。

これは全ての陣営に言えることだが、その計画の根幹にあるのは、一つの強固な封印だ。

この封印を解いて中身を解き放つことこそ、全ての陣営、そこに属する全員に共通する願いでもある。

しかし隠された真の目的は、それぞれの陣営だけでなく個々人でも、思惑や過程、そして望む結果が全く違っているはずだ。

だからこそ本心や真実を隠すために嘘が横行しているのだろう。

それこそ、いつ決裂してもおかしくない程にな。」


「・・・だからこそ各陣営の中で、その意志は完全には統一されていない。

そこが付け込む隙になるだろう。

現在、封印に関係した計画を企てている陣営は、大きく分けて三つある。

まずは組織こと、悪魔が主導する盟主崇拝集団。

次に、返り咲きを望む堕ちぶれた元神の寄せ集めたち。

そして最後に、俺たち。

この認識で合ってるな?」


「その通りだ。

まず組織だが、自分たちが盟主と崇める者を封印から解放することが目的だ。

つまりあの中には、悪魔の親玉が封印されている、という認識だ。」


「・・・完全に間違っているわけではない。」


「まあな。

また封印を解くために必要な準備を、遥か昔から北の地で密かに起こした国を挙げて進めている。

最近になって長年切望した、そのために必要で重要なピースの元始核と適合者を手に入れた。」


「・・・準備は順調ということだな。

後は残りのピースさえ手に入れれば、組織はいつでも封印の解除を行えるわけだ。」


「いや、そうでもない。

計画を実行に移すには、未熟な適合者の影響で、今しばらく時間がかかるようだ。

そもそも適合者であっても、別の理由ですぐには使えないだろうがな。

更に国側と適合者側で、その思惑が大きく違っていることは間違いないだろう。

確実に一波乱がある。」


白衣の男が組織について考察した内容を説明すると、帽子をかぶった男が補足を追加する。


「・・・それだけでは無いだろう。

盟主とやらの思惑も、国と適合者とは違っているはずだ。」


すると白衣の男は、何故か楽しそうに肯定してから次へと話を移す。


「くっくっくっ、そうだな。

まぁそれはいい。

組織については、こんなところか。

次に、返り咲きを望む堕ちぶれた元神の寄せ集めたち、だが、長いので以後は、同盟、と呼称する。

構わないな?」


「・・・勝手にしろ。」


帽子をかぶった男が興味無さそうにしていたが、気にせず白衣の男は話を続ける。


「その同盟だが、封印を解くことで自分たちの元の身体を取り戻すことが目的だ。

つまりあの中には、自分たちの身体があるだけで一切害は無い、という認識だ。

ただしこれは表向きだ。

正確には、そう教えられている、というのが正しい。」


「・・・全員が全員、その教えを信じているかは怪しいがな。」


「当然だろう。

おそらく真の目的は、個々人で同じものを望みながら違う結果を目指している、と思われるからな。

更に裏の目的もあるはずだが、そっちは見当もついていないのが現状だ。

それを探るためにも、お前が潜り込めるのは都合がいい。」


「・・・確かにな。

だがあまりにもタイミングと都合がよすぎる。

どうせ何かしたんだろう?」


「その通り。

裏の世界限定で、お前に関する元々あった悪い噂を少しだけ誇張して、更にいくつか出没する場所をリークさせたくらいだ。

安心しろ、全てのアジトの場所だけは除外してある。」


「・・・俺が無類の女好きであり、各所で問題を起こして様々なところから追われている、というやつか。

迷惑な話だ。

だが、それを少し誇張して居場所を明かしたくらいでは、せいぜい追手がしつこくなるくらいだ。

その程度のこと、俺にとっては誤差の範囲内で、多少鬱陶しいと思うくらいだろう。

それに対処が面倒になれば姿を隠して隠密行動すればいいだけ。

しかし、そんなことは最初からわかっているはず。

であれば、それ以外にも何かあると考えるのが普通だ。

違うか?」


帽子をかぶった男としては、いつもの他愛もないやり取りのつもりだったのだが、白衣の男からは予想外の答えが返ってくる。


「何、たいしたことじゃない。

お前には、私から正式に名を与えておいた。

そしてその名も共に流させた。

それだけだ。」


白衣の男のこの言葉に、これまで平静だった帽子をかぶった男が、初めて困惑した表情を見せたのだった。

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