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無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第20章 探求と暗躍
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暗躍する者たち16

だが映った男の顔は口元が見えるだけで、目元は深くかぶった帽子のつばに隠れて見えない。


おそらくあえて隠しているのだろう。


しかしいつもの事なのか、受付の男は気にせず声をかける。


「これはこれは、定期報告、ご苦労様です。

で、何かそちらからの報告はありますか?」


受付の男の問いに対して、帽子をかぶった男は素っ気なく答える。


「・・・いや、いつも通り何も報告することは無い。

以上だ。」


そんな帽子をかぶった男の不愛想な態度には何も言わず、逆に受付の男から報告を伝える。


「そうですか。

では私の方から一つ。

シェヴァが貴方に接触しようとしています。」


「・・・何故だ?」


帽子をかぶった男が疑問を口にすると、受付の男が理由を説明する。


「目的は、貴方を専属情報屋として引き入れるためです。

何度か情報を売ったことで気に入られたようですよ。

というわけで、近々シェヴァに雇われてください。」


「・・・はぁ・・・面倒だな。

もう消していいか?」


物騒なことを言う帽子をかぶった男を、受付の男が軽い口調で注意する。


「まだ駄目ですよ。

シェヴァは計画に必要なんですから。

それに困るのは貴方ですよ。」


「・・・チッ・・・わかった。」


「本当に頼みますよ。」


念を押されて少し不機嫌になった帽子をかぶった男だったが、すぐに切り替えて仕事の話に戻す。


「・・・わかっている。

で、どうするんだ?

先に言っておくが、俺はタダ働きはしないぞ。」


「わかっていますよ。

最低でもそれなりに高額な報酬をシェヴァから提示してくるはずです。

その辺りは、貴方の好きなように交渉してください。

間違いなく高待遇で迎えてくれますよ。

ただし無茶な要求をして、逆に拒否されないようにだけ注意してください。

今回は雇われなければ意味がありませんからね。」


「・・・いいだろう。

だが俺はシェヴァをよく知らないぞ。

金銭以外では、どの程度まで要求して問題無いんだ?」


「そうですねぇ・・・そういえば貴方、今いろいろな所から追われているのですよね?」


「・・・ああ。

だがそれがどうした?」


「例えばですが、その対応を条件に加えるとかなら、間違いなく通りますよ。

結構面倒ですよね、有象無象から時間や場所に関係なく追われるのは。

シェヴァも貴方の状況は把握しているようですから、その話から交渉してくるはずです。

そこで今後は対応を丸投げすれば、貴方も余計なことに気を取られなくなりますよ。」


「・・・なるほどな。

ではそれを条件に入れることは決定として、他は様子を見ながら交渉しておく、ということで構わないな?」


「ええ、そうしてください。

シェヴァの対応については、そんなところですね。」


話が一段落すると、帽子をかぶった男が話題を変えてきた。


「・・・で、報酬は?」


どうやら帽子をかぶった男の本題はこれのようで、すぐに受付の男はその意図を理解する。


「もちろんシェヴァからとは別に、今回も私から用意しますよ。

受け取り方法は、いつも通りです。

ただし支払いは、無事シェヴァと接触できて怪しまれずに雇われた後です。

当然、私とのつながりは隠してください。

よろしいですね?」


「・・・いいだろう。」


「商談成立ですね。

では少しだけ逃げた後、貴方の方から接触してあげてください。

あまり簡単に接触できてしまうと、貴方の価値を落としかねませんから。」


「・・・わかった。

確かにその方が交渉も上手くいきそうだ。」


「ではそのようにお願いします。

そうそう、話は変わりますが、一応確認させてください。」


「・・・何だ?」


「貴方、最近空中都市を目視しましたか?」


「・・・知らん。」


帽子をかぶった男が面倒くさそうに答えると、これに対して受付の男が追及してくる。


「知らん、て、一応貴方には直接確認を頼んでましたよね?」


「・・・あくまでもできる範囲でと頼まれただけで、強制はされていないはずだ。」


帽子をかぶった男の反論に何も言えず、結局は受付の男が妥協した。


「そうですけど・・・仕方ありません。

こちらで調べた限りでは変わり無いようですから、まぁ問題無いでしょう。」


「・・・そっちで確認してるなら、わざわざ俺の手を煩わせるな。」


「一応の保険ですよ。

それにアカシックレコードの精度確認にもなりますからね。」


この受付の男の言葉に、帽子をかぶった男が少し過剰に反応してきた。


「・・・情報の精度に何か問題があったのか?」


相手に不安を与えないようにするためか、受付の男は軽い口調を変えずに答える。


「いえいえ、それは一切ありません。

言葉通り、一応の保険ですよ。

そもそもアカシックレコードに問題など起こりえないのですから。」


しかし不安を完全に消し去ることができなかったようで、更に帽子をかぶった男が質問してくる。


「・・・アカシックレコードに問題が無いならいい。

だったら何を気にしている?」


受付の男は隠すことなく自分の考えを答えた。


「もちろんそれ以外ですよ。

アカシックレコードは、その仕組みから永久機関を搭載しているようなものです。

余程のことが無い限りは、精度を保ち続けたまま動き続けます。

しかし情報を得るにはアカシックレコードだけでは不可能です。

この観測室が必要となります。

そのために本来はどうしても欠かせないものがあります。」


ここまで聞いて帽子をかぶった男は、受付の男が何を言いたいのか理解した。


「・・・観測室の整備か。」


「そうです。

今のところ問題無く正常に動作していますが、いつ動かなくなったり誤動作を起こすかわかりません。

これらを回避するためには、本来定期的なメンテナンスが必要です。

しかし我々には、メンテナンスに必要な知識どころか設備すら無いのが現状です。」


「・・・その当てが空中都市か。」


「その通りです。

あそこにはこの観測室をメンテナンスできる環境と人材がそろってますからね。

そのためにも空中都市は早い内に手に入れておきたいところです。」


「・・・今アカシックレコードの情報だと、空中都市はどうなっている?」


「相変わらずです。

あらかじめ予定されている定期航路に従って、今も延々と移動しています。

そのため管理者たちも眠ったままのようです。

しかし今のところ私たちには、その空中都市へ至る手段がありません。」


「・・・都合がいい状況ではあるが、同時に手が出せない状態でもあるわけだ。

で、このまま何もせずに時が来るのを待つつもりか?」


「そうも言ってられません。

現在オノゴロは、例の組織が表面上占拠しています。

ただ幸いにも、例の組織はオノゴロをただの浮遊大陸としか認識しておらず、その中枢の真の価値には気付いていません。

しかし今後も気付かれないという保証はありません。

できるだけ早急に確保して掌握する必要があります。」


「・・・だったらどうする?

何か空中都市へ侵入するための当てはあるのか?」


「一つだけありますよ。

例の組織は地上とオノゴロを行き来しています。

その方法を奪います。」


「・・・どんな方法だ?」


「簡単ですよ。

予定航路上でオノゴロが減速する場所はわかっています。

そこへ先回りして待ち伏せ、来たところを飛んで上陸するだけです。

そのために必要な天使数体を無傷で確保して従え、オノゴロを占拠できる者を送り込みます。」


「・・・それを俺にやれと?」


「ええ、お願いできますか?

もちろん、いつも通りの報酬を別途お支払いしますよ。」


いつもならここで帽子をかぶった男が首を縦に振るのだろうが、今回は少し様子が違っているようだった。

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