↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第20章 探求と暗躍
371/408

暗躍する者たち15

一方、シェドラの執務室から退出した受付の男はというと、階段を軽快に降りて受付まで戻ってきていた。


そのまま受付業務に戻るかと思われたが、何故か受付を素通りし、更に普段は隠されている地下への階段を降りて行く。


しばらくすると行き止まりになっており、そこには厳重にいくつもの鍵で施錠された重厚な扉が存在していた。


しかし受付の男が扉に手をかざすと、次々と鍵が開錠されていく。


全て開錠されると、扉が勝手に開いた。


それに合わせるように受付の男は扉の中へと吸い込まれるように入って行く。


受付の男が通り抜けたと同時に扉は勝手に閉じ、再び鍵が施錠される。


その様子を確認することなく、受付の男は廊下の奥へと進む。


少し歩いた先には再び下への階段が現れ、受付の男は軽快に降りて行く。


そして行き止まりには、先程とは違う種類の鍵で施錠された扉が存在していた。


ここも受付の男が手をかざすだけで鍵は開錠され、扉が勝手に開く。


中に進むと、また下への階段が現れる。


階段を降り、行き止まりの扉を開き、中へ入って廊下を進むと、次の下への階段を降りる。


これを何度も繰り返していく。


永遠に続くかと思われたが、唐突に終わりがやってきた。


扉を開けた先には、これまでとは違って廊下が無かった。


代わりに2、3人ほどが入れるくらいの、ガラスのような透明な壁に囲まれた円柱の部屋があった。


その天井と床が円形に光り輝やいている。


受付の男が部屋に近づくと、透明な壁に穴が開き、そのまま中へと入ると穴が閉じる。


次の瞬間、部屋の中に感情のこもっていない声で、棒読みの言葉が聞こえてきた。


『認証室への入室者が確認されました。

認証を開始します。

認証中・・・オールクリア。

管理者特級権限第二種限定を確認しました。

ご用件をお申し付けください。』


ここでようやく受付の男が口を開く。


「転移可能な空中都市の確認をしなさい。」


『命令の実行指示を受理しました。

命令の実行指示に対する命令者の権限を確認します。

確認中・・・命令者が権限を保持していることが確認されました。

命令の実行が可能です。

転移可能な空中都市の確認を行います。

確認中・・・完了しました。

現在、管理者特級権限第二種限定で転移可能な空中都市は存在しません。

原因としまして、空中都市側の許可権限設定が高いか、転移機能が停止していると思われます。

解決方法としまして、強制転移が可能です。

ただし強制転移を実行した場合、成功する可能性は1%未満になります。

失敗した場合は、次元の狭間と呼ばれる異空間へ転送され、半永久的に閉じ込められることになります。

強制転移を開始しますか?』


すかさず受付の男が命令を変更する。


「すぐに今の命令を中止しなさい。」


『命令の中止指示を受理しました。

命令の中止指示に対する命令者の権限を確認します。

確認中・・・命令者が権限を保持していることが確認されました。

命令の中止が可能です。

命令を中止しました。

ご用件をお申し付けください。』


「相変わらずですか。

まぁしかたありません。

部屋の外に私のダミーを作り、私の本体は存在を隠しなさい。」


『命令の実行指示を受理しました。

命令の実行指示に対する命令者の権限を確認します。

確認中・・・命令者が権限を保持していることが確認されました。

命令の実行が可能です。

命令者のダミーを作成し、本体の存在を隠蔽します。

実行中・・・完了しました。

ご用件をお申し付けください。」


部屋の外には受付の男と全く同じ姿の人形らしきものが現れた。


同時に受付の男の存在が希薄になる。


それを確認してから受付の男は次の命令を伝えた。


「認証室を地下観測室へ移動しなさい。」


『命令の実行指示を受理しました。

命令の実行指示に対する命令者の権限を確認します。

確認中・・・命令者が権限を保持していないことが確認されました。

エラー発生のため受理した命令を実行できません。

命令を取り消すか、上位の権限を提示してください。

ただし連続で3回エラーが発生した場合は、強制排除対象となります。

現在、エラーの連続発生数は1回です。

再度同じ命令を実行しますか?』


警告音と共に命令が拒否されたものの、受付の男は面倒くさそうにしているだけで、特に慌ててはいない。


そして手慣れた様子で新たな指示を追加する。


「はぁ・・・やれやれですね。

特例措置を申請、登録者全体で最も上位の権限を有する者の制限を解除して、同じ命令を実行しなさい。」


『特例措置の申請を受理しました。

現在の登録者全体の権限を確認します。

確認中・・・完了しました。

現在の登録者で最も高い権限は管理者特級権限第二種限定になります。

条件を満たしているため特例措置が適用されます。

命令の実行が可能です。

認証室を地下観測室へ移動します。

それでは、下へ参ります。』


すると今度は命令が通り、次の瞬間、部屋全体がゆっくりと下がりはじめる。


部屋の降下速度は徐々に加速し、地下深くへと高速で移動していく。


しばらくして減速がはじまり、部屋の下降が止まる。


『認証室が地下観測室へ到着しました。

ご用件をお申し付けください。』


「観測室の機能を制限無しで使用可能にしなさい。

それと先程の特例措置の適用を継続しなさい。」


『命令の実行指示を受理しました。

命令の実行指示に対する命令者の権限を確認します。

確認中・・・命令者が権限を保持していないことが確認されました。

エラー発生のため受理した命令を実行できません。

命令を取り消すか、上位の権限を提示してください。

ただし連続で3回エラーが発生した場合は、強制排除対象となります。

現在、エラーの連続発生数は1回です。

特例措置の適用継続を受理しました。

現在の登録者全体の権限を確認します。

確認中・・・完了しました。

現在の登録者で最も高い権限は管理者特級権限第二種限定になります。

条件を満たしているため特例措置の適用が継続されます。

命令の実行が可能です。

観測室の機能を制限無しで使用可能にします。

制限解除中・・・完了しました。

観測室の機能が制限無しで使用可能になりました。

ご用件をお申し付けください。』


「サスペンドモードで待機してなさい。」


『命令の実行指示を受理しました。

命令の実行指示に対する命令者の権限を確認します。

確認中・・・命令者が権限を保持していることが確認されました。

命令の実行が可能です。

サスペンドモードで待機します。』


ここでようやく受付の男が一息ついた。


「毎度毎度のことながら本当に面倒ですね。

何とかして簡略化したいところですが、現状では仕方ありません。

さて、気を取り直して、早く定期確認を終わらせてしまいましょうか。」


受付の男は認証室を出て観測室に備え付けられた椅子に座ると、いろいろと操作をはじめた。


時折画面に映し出された情報を確認していたが、慌てた様子などは無く、淡々とこなしている。


どうやら真新しい情報などは無いのだろう。


相当な時間を費やして全ての確認を終えると、受付の男は椅子の背もたれに寄っかかって顔を上に向ける。


「ふぅ・・・やはり何度確認しても、ここ数日は特に何の変化も進展も無し、ですか。

アカシックレコードから得た情報ですから、間違いないでしょう。

しかしもう少し効率よく調べられないものですかね。

検索できるとはいえ、僅かな情報を得るのに毎回これだけの時間がかかってしまうのは、非常に面倒です。」


「かと言って、この観測室に備え付けられた簡易検索機能を改修したり効率化したりすることは私にはできません。

下手に手を出して壊してしまっては元も子もありません。

現状、ここ以外にアカシックレコードへアクセスする手段は無いのですから。」


「代わりにかつて試みたアカシックレコードとリンクさせる偽神の創造計画。

上手くいってくれればよかったのですが、あれは完全に失敗でした。

逆に干渉されてしまう欠陥があったとは、完成を目前に気付いてよかったです。

他の研究者たちは被検体の意識が戻って逃げたと思ったのも好都合でした。

実際には、やむを得ず外宇宙へランダム転移させて破棄したのですがね。

あのままではこちらの計画が破綻してしまう危険があったため、惜しいことをしましたが仕方ありません。

その後、無限書庫としての噂を流すことで完全に破棄できたか確認してみましたが、これまで何の情報も入ってきません。

まぁアカシックレコードに何も記載されていないことから、存在していないことを確認できていますから問題無いでしょう。」


そんな独り言を受付の男が口にしていると、突然観測室内に大きな音が鳴り響く。


しかし受付の男は慌てた様子が無い。


「おや、もうそんな時間ですか。

やはりここに籠ると、時間が経つのが早いですね。

はいはい、今出ますよ。」


受付の男が観測室内を操作すると、正面に帽子を深くかぶった男が映ったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。