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無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第20章 探求と暗躍
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暗躍する者たち14

受付の男の気配が階下に消えると、シェドラは座っている椅子を180度回転させてドアに背を向ける。


そして背もたれに寄りかかって顔を上に向けると、目を閉じながら口に出して思考の整理をはじめる。


「・・・やはり明確な尻尾は出しませんか。

しかし今回は気になる反応を一つだけ引き出せたことは収穫でした。

第三勢力、この単語を聞いたときの反応は、あきらかに違和感を感じました。

おそらくですが、知らない情報を初めて聞いたときのものである可能性が高いでしょう。」


シェドラは椅子を左に90度回転させる。


「ではそう仮定して、何故本人は知っているかのように振る舞ったのか。

本意はわかりませんが、今回は運良くこちらの意見と一致したことで、上手く難を逃れたと思っていることでしょう。

つまり、我々が得ている情報を自分も得ていると私に思わせておきたかったということ。

それは、私たちの情報をあちらも得ていると、こちらに思わせておきたいという思惑があるからでしょう。」


シェドラは椅子を右に180度回転させる。


「ですが本当に第三勢力の情報について我々と同等の内容を得ていたのであれば、あのような答えを口にするはずがありません。

まずは脅威と考えて、慎重に様々な意見を口にするはずです。

それこそ脅威度だけで言えば、例の組織や例の情報屋と同等以上であることは明白なのですから。」


シェドラは椅子を左に180度回転させる。


「しかし実際には当たり障りのない内容だけで早々に話を終わらせたていました。

ということは、ぽっと出の新興勢力くらいにしか考えていないからでしょう。

つまり被害が発生するなど微塵も考えていないということ。

でなければあのように簡単に壊滅させるなどと口にはしないはずです。」


シェドラは椅子を右に180度回転させる。


「ただそうなると更にわからないことが増えます。

当初はこちらの情報を何らかの方法で私たちに気付かれないように不当に得ていると考えていました。

実際これまでは、こちらが得ていた情報と同じ情報をあちらも有していましたから。」


シェドラは椅子を左に180度回転させる。


「例えば、情報収集に特化した優秀な部下を複数、秘密裏に付けている。

他には、我々の話し合いを気付かれない方法で盗聴、もしくは盗撮している。

最悪の想定としては、この私たちの身体が得た情報を自身に共有することができる。

考え出したら切りがありませんが、これまでにそのいずれの痕跡も発見するには至りませんでした。」


シェドラは椅子を右に180度回転させる。


「それが今回の事から、どうやらそのどれもが間違いだった可能性が高くなりました。

そうなると新たな謎が発生します。

その情報源は何処からのものなのか、ということです。」


シェドラは椅子を左に180度回転させる。


「我々以外の情報源、例えば例の情報屋と実は秘密裏につながっていると仮定しましょう。

しかしその場合は自分の手駒として隠すはずです。

ましてやシェヴァと接触などさせないでしょうから、これは除外しても問題ないでしょう。」


シェドラは椅子を右に180度回転させる。


「今度は別の視点から、独自の情報網を持っていると仮定しましょう。

あきらかに我々と同等以上の情報を掴んでいることから、これが最有力ですが、その全容が全くわかりません。

おそらく我々が把握していない情報も有しているはずです。

あのいやらしく憎たらしい余裕の表情は、その優位があってこそでしょうから。

しかし今回のことで、必ずしも我々の知っている情報を全て網羅しているわけではないことが露呈されました。」


シェドラは椅子を左に180度回転させる。


「では何故そのような情報の欠落が起こったのか。

今回のことから、あちらの情報網は必ずしもありとあらゆる情報を得ることができるわけでは無いと考えられます。

それも我々の地道な情報収集にも劣る場合があるという欠点もあります。

しかしあちらは自分の情報網に絶対の自信を持っており、疑うことなど微塵も考えていない様子でした。

まるで自分の情報網こそがこの世の全てを把握しているかのように。」


シェドラは椅子を右に180度回転させる。


「だからこそ私が気付いた違和感に、あちらは気付くことができないのでしょう。

それは今後、こちらにとっては有利となり、あちらにとっては不利となるはずです。

これは我々にとってかなりの収穫です。」


シェドラは椅子を左に180度回転させる。


「それともう一つ。

あちらがあきらかに情報を得られていないものがありました。

それは空中都市の現状について、あちらから何の言及もしてこなかったことです。

こちらの情報を把握していたのであれば、間違いなく何かしらの話が出てきたはず。

それが無かったということは、空中都市関連に関する新たな情報は何も得ていないと考えられます。


シェドラは椅子を右に180度回転させる。


「そうなると、わからないことが新たに発生します。

空中都市の移動航路については、知らなければ遭遇するのは非常に難しいですが、知っていればそう難しくありません。

そしてあちらは後者。」


シェドラは椅子を左に180度回転させる。


「しかし今回の様子も、これまでと同じく、状況が変わらないときのものと同様でした。

つまり管理者たちが覚醒した可能性や、空中都市が行方不明になったことを一切知らないということになります。」


シェドラは椅子を右に180度回転させる。


「それはあちらの情報源が、こちらの情報を共有しているのではなく、全くの別であることの決定的証拠でもあります。

そして人海戦術で調べられる程度の調査網が無いことから、人手はそう多くないことが予想されます。」


シェドラは椅子を左に180度回転させる。


「ではあちらの情報源とはそもそもどういったものなのか。

自分で地道に調べている、は無いですね。

少なくともここ数十年は、私の感知範囲外に反応が消えたことはありませんから。

まぁ互いに相互監視しているようなものですから、それはお互い様ですが。」


シェドラは椅子を右に180度回転させる。


「そうなると、あちらに我々とは別の情報源として協力者がいることは明白です。

これはかつても辿り着いた一つの結論でした。

ですがいつもここで行き詰ります。

現在に至るまで、あちらの協力者の姿どころか、影すら全く見えていないのですから。

そのため協力者がいるかどうかさえわかっていません。

当然、その協力者が裏切り者かも不明です。」


シェドラは椅子を左に180度回転させる。


「気を取り直して、まずは視点を変えて、協力者から追うのではなく、その手法から追ってみましょう。

そもそも、いつどこでどのようにして情報を得ているのか。

私と同様に、あちらもこの場から離れた形跡はありません。

これは気配だけでなく、監視の目で直接確認させていることからも疑いようのない事実です。」


シェドラは椅子を右に180度回転させる。


「かと言って、定期的に誰かと会って情報を得ているわけでもありません。

受付に立っているとはいえ、相手にするのは主にシェインとシェドラだけですから。

それだけあの受付を訪ねてくる者は限られています。」


シェドラは椅子を左に180度回転させる。


「ただ気になる行動と言えば、頻繁に地下空間へ出入りしていることくらいです。

あそこは完全にあちらのプライベート空間であるため、何かを隠れて行うには打ってつけの場所と言えるでしょう。

しかしあそこはただの生活空間で、通信機器の類など、不審な物が無いことは既に確認済みです。

表立って強制捜査した際も、秘密裏に調べた際も、どちらも何もおかしいところはありませんでしたから。」


シェドラは椅子を右に180度回転させる。


「ただし気になる点としては、内側から施錠した場合は、外側から様子をうかがうことは、気配以外は不可能になることです。

完全に外界とは隔離された空間を確保することが可能になります。

そんな状態を作り出せるようにした理由は何なのか。

自分が何をやっているのか誰にもわからないようにするため、としか思えません。」


シェドラは椅子を左に180度回転させる。


「ではいったい何をやっているのか。

協力者との連絡や意思疎通・・・そうか、通信機器が無くても念話という可能性がありますね。

ですが、ただの念話であれば、少なくとも私が気付きます。

しかしこれまでそのようなものを察知したことはありません。」


シェドラは椅子を右に180度回転させる。


「そうなると・・・そうか。

念話は地上ではなく地下を経由させた可能性が高いですね。

おそらく地脈を利用しているのでしょう。

だからこそ部屋を地下深くに作ったわけです。

これまで私が察知できなかったことも頷けます。」


シェドラは椅子を左に180度回転させる。


「ですが気配を確認するために、ある程度は地下空間で行使された力についても私には察知できます。

しかしこれまでそのような念話を含む力の行使が行われた形跡は察知できませんでした。」


シェドラは椅子を左に180度回転させる。


「ならば地下という環境や力の行使を隠蔽する道具などを使用して、私の察知から逃れている可能性があります。

あの地下空間においてそのような道具などは・・・」


シェドラは椅子を右に180度回転させる。


「・・・特に無さそうですね。」


シェドラは椅子を左に180度回転させる。


「本当に無いのでしょうか・・・」


シェドラは椅子を右に180度回転させる。


「あの場で・・・」


シェドラは椅子を左に180度回転させる。


「あきらかに・・・」


シェドラは椅子を右に180度回転させる。


「場違いな物・・・」


シェドラは椅子を左に180度回転させる。


「もしくは不自然ではないが・・・」


シェドラは椅子を右に180度回転させる。


「何か隠蔽に使えそうな・・・」


シェドラは椅子を左に180度回転させる。


「道具・・・」


シェドラは椅子を右に180度回転させる。


「道具・・・」


シェドラは椅子を左に180度回転させる。


「道具・・・?

そういえば・・・」


シェドラは椅子を右に180度回転させる。


「あの部屋には、様々な鉱石が置いてありましたね。」


シェドラは椅子を左に180度回転させる。


「確か鉱石を集めるのが趣味だと聞いたことがあります。」


シェドラは椅子を右に180度回転させる。


「そのためか、家財道具にも鉱石を削り出して作ったものが何点かあったはずです。」


シェドラは椅子を左に180度回転させる。


「確か・・・まずはテーブルが一つと備え付けの椅子が四脚。」


シェドラは椅子を右に180度回転させる。


「寝室のドア。」


シェドラは椅子を左に180度回転させる。


「鏡台。」


シェドラは椅子を右に180度回転させる。


「他にも植木鉢とそこに生える珍しい鉱石化した木。」


シェドラは椅子を左に180度回転させる。


「後は鉱石を単純加工した置物。」


シェドラは椅子を右に180度回転させる。


「そのサイズは、小石程度の小さいものから、私の背丈ほどある大きなものまで多種多様。」


シェドラは椅子を左に180度回転させる。


「中でも最も異質なのが、祭壇らしき場所にまるで祀られているかのような置かれ方をした、漆黒の色をした大きい四角錐の鉱石。」


シェドラは椅子を右に180度回転させる。


「あれは信仰する何かの御神体のようなものか。」


シェドラは椅子を左に180度回転させる。


「または何らかの通信手段に使用される道具、もしくはその一部か。」


シェドラは椅子を右に180度回転させる。


「それともただの置物か。」


シェドラは椅子を左に180度回転させる。


「正直どれもが怪しいように思えるし、怪しくないようにも思えます。」


シェドラは椅子を右に180度回転させる。


「やはり決定的な証拠を押さえないことには、どうにもなりませんか。」


シェドラは椅子を左に90度回転させる。


「ふぅ・・・これ以上は考えがまとまりそうにありません。

今日はここまでにして、一度休憩しましょう。

さすがに疲れました。」


シェドラは椅子を180度回転させて身体を正面に向ける。


そして立ち上がると、少しふらついた足取りで隣にある寝室へと向かったのだった。

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