↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第20章 探求と暗躍
363/408

暗躍する者たち7

しかしそれでも二人に文句を言いたい気持ちは残っている。


それを何とか引っ込めながら、シェドラは話をはじめた。


「はぁ・・・それにしても本当に貴方たちは・・・いえ何でもありません。

では気を取り直して、早速本題に入ります。

二人を緊急招集したのは、事態が動いたと報告が上がってきたからです。」


「へぇ、ようやくかい。

待ちくたびれたよ。」


シェヴァの言葉に文句を言いたいのを再び何とか引っ込め、シェドラは話を続ける。


「だったら・・・いえ何でもありません。

それが半年ほど前のことです。

そして二週間ほど前、更に事態は動き、とうとう最終段階に入ったようです。

ここまではいいですか?」


シェドラが確認すると、シェインが自身の体験を報告する。


「確かそれくらいに強い力の波動を一瞬感じた。

もしかしてあれのことか?」


「私にも同様の報告が上がってきていますので、おそらくそうでしょう。」


そこへ思い出したかのようにシェヴァも同調してくる。


「ああ、あれね。

何か関係あるのかい?」


「そこまではまだわかっていません。

ですが無関係とも思えません。」


「確かにな。

どうするつもりだ?」


「そこでシェヴァ、例の情報屋と直接つないでもらいたいのです。

これから先、その力が必要になります。

可能ですか?」


「ああ、彼ね。

それは構わないけど、たぶん難しいし面倒くさいし、できたとしても相当時間がかかるし面倒くさいよ。

それでもいいかい?」


あきらかにやりたくなさそうなシェヴァであったが、シェドラは文句を言いたいのを三度引っ込めながら話を続ける。


「・・・わかっています。

本来ならそうでしょうが、おそらく今回はそれほど手間も時間もかからないはずです。」


意味深な言葉を口にしたシェドラに、シェインが確信をもって問う。


「何か仕掛けたな?」


すると少し得意げに、シェドラは自分が何を仕掛けたか語り出す。


「たいしたことではありません。

こちらの仕業とはわからないようにいくつも間を経由させて、例の情報屋と思われる人物の情報を噂として少し流しただけです。

結果、その噂に複数の組織が喰いつきました。」


「もしかして、彼を追ってる連中かい?

噂程度の情報なんかに釣られるなんて、よっぽど彼の情報が掴めないんだね。

確か借金だか女性関係だかで、いろいろな所から追われているとは聞いていたけど。」


「おそらく大半はそうかと思います。

大小様々な組織が、少なくとも数十はくだらないようです。」


「悪い奴だ。」


「元を辿れば自業自得なだけです。

ただ我々の組織と例の情報屋の間には仕事の付き合いがあるだけで、双方には一切遺恨がありません。

となれば、必要に迫られれば、必然的に我々の組織も逃げ場の候補の一つに上がり、選ばれる可能性が高いはずです。」


「そんなところにこっちから連絡を取りたいとアプローチしてあげれば、向こうが頼ってくる可能性がグンと上がるというわけかい。」


「ご名答です。」


「だがそう上手くいくか?」


「そこまで都合よくいくとは考えていません。

しかし我々が選ばれなくても、他の付き合いがある組織を選ばざるをえない状況が、いつかは訪れるはずです。

そうなれば例の情報屋の居場所を突き止めることが、次第に容易になっていきます。

この業界、そういった話は漏れやすいですから。」


「そして彼の居場所がわかれば、また次の手を考えて徐々に居場所を無くしていくというわけかい。

表向きは友好的に、裏では追い詰める、か・・・一歩間違えれば敵対されてもおかしくないよ。

大丈夫かい?」


「わかっています。

危険は承知の上です。

しかし私としては彼の能力を高く評価しています。

彼を我々の側に、できることなら専属として取り込みたいのです。

ですがあまり悠長に時間をかけることができないのが現状です。

そのため多少強引に進めました。」


「何故だ?」


「一つは事態が動き出してから、次の動きまでの間が短くなっていることです。

おそらく次は更に短くなる可能性が高いと予想されます。

そのためこちらも早めに準備をしておく必要があります。

もう一つは、貴方たちが緊急招集に遅れた所為です。

だからこそ先んじて私が独自に動く必要があったのです。

理解しましたか?」


「それを言われると反論できないよ。

仕方ない、敵対されないように頑張って彼につなげてみるか。

まぁやれるだけやってみるよ。」


「お願いします。」


「ではその間、俺はどうする?」


シェヴァの次の仕事が決まったので、シェインも次の自分の予定を確認してきた。


しかしそれを決めるよりも先に、シェドラにはシェインに聞くことがあるようだ。


「その前に、シェインは頼んでいた仕事の報告がたまっているので、まずはそれからお願いします。

前回の報告から五年は過ぎていますから。」


シェドラから指摘され、シェインはようやく思い出したようだ。


「報告・・・そういえばまだだったか。

何から話す?」


少しも悪びれた様子が無いシェインに、シェドラが文句を言いそうになる。


だがとりあえず一度飲み込んで、シェドラは報告を聞くことを優先した。


これ以上、自分の時間を無駄に消費されたくないからだ。


「・・・では、最初は空中都市関係から、お願いします。。

まずは行方について何かわかりましたか?」


「この五年の間に、いくつかの予定航路で何度か近くに存在を感じることはあった。

だが今の俺では、外部からあの状態の中に入ることは不可能だ。」


このシェインの不穏な発言に、シェドラが慌てて確認する。


「まさか、試したのですか!」


しかしその心配は杞憂に終わった。


「そのような自殺行為はしない。

お前にも止められていたからな。」


「驚かせないでください。

我々の存在が目覚めさせる切っ掛けになるかもしれないのです。

今後も余計な行動は控えてください。」


「わかっている。」


「しかしそうなりますと、いまだに全ての空中都市は管理者が目覚めていない状態のようですね。

他に何か気になることはありますか?」


シェドラが安心したのも束の間、シェインの次の報告で状況が変わる。


「ある。

最近どこの予定航路でも存在を感じなくなった。」


「それは本当ですか!

いつからです!」


「・・・確か十日ほど前から徐々に減った。

そしてここ五日ほどは、完全に途切れた。

以前は少なくとも一日に一回は存在を感じたが、こんなことは初めてだ。」


「少し前に別の話で出た日と近いですね。

まさか空中都市の管理者たちが何かの拍子に目覚めましたか?

例えば最終段階に入ったことが切っ掛けになったかもしれません。

そして徐々に他の管理者たちにも広がった。

ただ目覚めただけなら問題無いかもしれません。

あれらなら外界に関わらないように逃げる可能性が高いはずです。

であれば、わざわざ余計な手間をかけて接触し、こちらの存在を明かす危険を犯す必要はありません。

今は無視するのが最善でしょう。

シェヴァ、シェイン、貴方たちはどう思いますか?」


何度か自問自答を繰り返していたシェドラだったが、ここで珍しく二人に意見を求めた。


そして二人も事態を重く感じているのか、そんなシェドラに何も言わずに、素直に自分の意見を答える。


「僕はシェドラと同じ考えだよ。」


「俺も同じだ。」


「では現状空中都市については我々の計画に支障が出る可能性が高く、また緊急性が無いと思われるため、今は放置する、ということでいいですね?」


「いいよ。」


「わかった。」


三人の意見が一致したところで、シェドラはこの話を一旦終わりにして、シェインに次の報告を求める。


「ではそのようにお願いします。

シェイン、報告の続きをお願いします。

次は、外界の戦力状況についてお願いします。

最近いくつか大きな戦闘が起こっていましたが、貴方のことですからどこかに参加していたのではありませんか?」


「よくわかったな。

だがほとんどは遊び半分で、たいしたことが無い連中の規模が大きいだけの小競り合いだ。

俺が本気で介入したら、付いた方が勝つだけのつまらないものになる。

だから余程の強者以外は相手にしないことにしている。

まぁ降りかかる火の粉くらいは払ったがな。」


「どうやら私からの指示を守ってくれているようですね。

ということは、今回も強者はいなかったのですね?」


「ああ、直接相対した者の中にはいなかった。」


シェインが変な言い回しをしたので、シェドラはその裏を読んで質問する。


「では、直接相対しなかった者の中にはいた、ということですか?」


「ああ、そうだ。

だが直接この目で見たわけではない。

普段外界では感じない存在を感知しただけだ。」


「その存在とは何です?」


「おそらくだが、天使か堕天使、だと思う。

それも戦場とは場所も日も違う。」


「今回の大きな戦闘とは別件ですか・・・しかし貴方にしては、直接遭遇していないとはいえ曖昧な答えですね。

何か理由でも?」


「俺が知る中でも、あまりにも弱い部類に入るからだ。」


「なるほど。

ということは戦闘用ではなく、繁殖用か餌用として数を増やしている可能性が高いですね。

いつ頃の話ですか?」


「たぶん七十から八十日くらい前の事だ。」


「何体くらいですか?」


「百体くらいだ。」


「であれば、繁殖用か餌用で確定ですね。

場所は何処ですか?」


「北方の大森林と砂漠の境目辺りだ。

北から南下してきて、そこで全ての反応が一斉に消えた。」


「おそらく隠密行動に切り替えて大森林に侵入したのでしょう。

となると、その南方の各国家に潜んでいる可能性が高いですね。

意外と近くにいるかもしれません。

となれば・・・まぁ今は置いておきましょう。

他にはいなかったのですか?」


「確証は無いが、たぶん天魔と思われる存在を感知した。」


「天魔ですか・・・それなりに脅威ではありますね。

それで規模はどれくらいです?」


このシェドラの質問が切っ掛けとなり、後に続く報告の意味が大きく変わっていくことになるとは、このときはまだ誰も思っていなかったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。