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無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第20章 探求と暗躍
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暗躍する者たち1

マコトたちは空中都市を管理下に置き、新たにフィロを仲間に加え、順調にその勢力を拡大していた。


同じ頃、組織の方はどうなってるか。


自分の意思で元始核を受け入れ、組織の本拠地へと移ったパンドラはというと、前日まで何もせずにだらけていた。


別にサボっていたわけではない。


元始核を受け入れた翌日以降から、身体にその影響が出ていた所為だ。


パンドラは高熱が出て全身に激痛が走り、軽く生死の境を彷徨っていたのである。


今は劇的な回復を遂げ、以前と変わらない状態にまで体調が戻っていた。


そして今日ようやく、動けるようになったというわけだ。


そこで早速現在の状況を確認するために、パンドラとアイリスは訓練場にやってきていた。


まずは入念に身体をほぐし終えると、パンドラはアイリスを相手に軽く組み手を行う。


しかしはじめて5分ほどが経ち、一通り力の発動も含めて身体の動きを確認し終えた頃、突然パンドラが組手を中断する。


「・・・もういいわ。」


「どうしました、お嬢?」


「単刀直入に聞くわ。

アイリスから見て、今の妾は以前と比べて何か変わったと思うかしら?」


パンドラに問われたアイリスは、一切の遠慮なく答える。


「良い意味でも悪い意味でも、以前と同じ、ですね。

私からは、お嬢の変化がわかりませんでした。」


「やっぱりそう思うわよね。」


「お嬢自身は、何か変化を感じているのですか?」


「正直全く感じてないわ。

当初の予定だと、身体に馴染んだ元始核が妾に何かしらの恩恵を与える役割を果たすと考えていたわ。

けど、その兆候どころか、今は存在自体を感じないわね。

これはいったいどういうことなのかしら?」


「まだお嬢の身体に元始核が完全には馴染んでいないということでしょうか?」


「それも可能性の一つね。

でも妾の感覚としては、元始核が休眠状態に入っているように思うわ。」


「休眠状態、つまり元始核は完全に活動を停止していて、今はお嬢の身体の中にただ存在しているだけ、ということでしょうか?」


「まぁそういうことね。」


「それは良いのですか?」


「良いのか悪いのか、今はまだ判断できないわ。

妾の身体的には良いのかもしれないけど、何も変わらないのは悪い状況よ。

ということなんだけど、どういうことかわかるかしら?」


パンドラが誰もいない場所に向かって声をかけると、そこに突然シロが姿を現した。


「いつから気付いていましたか?」


「最初からよ。

そもそも妾たちが来る前からいたじゃない。

ホント、ご苦労なことよね。」


皮肉を口にしたパンドラだったが、言われたシロはというと、何故か嬉しそうだ。


「お見事です。

以前は気付けなかった私の気配に気付けるようになった。

どうやら元始核は、まず感覚的な強化から行うようですね。」


何やら意味ありげな言い回しをしたので、気になったパンドラがシロを問いただす。


「ようですね、って、元始核はアンタたちが作ったものでしょ。

何で効果を把握してないのよ。」


「その認識は違います。

私たちは元始核の見守りと管理をしているだけで、作ってはいません。

だから知っているのは、そのために必要な知識だけです。」


「じゃあいったい誰が作ったのよ?」


「それは・・・貴女が元始核を真に理解したときにわかります。

ですから、今は秘密です。」


今は答える気が無いと言うシロに、パンドラは更に踏み込んで質問する。


「つまり今妾に製作者を教えると、何か不都合があるということね。」


しかしこのパンドラの質問を、シロは平然と拒否する。


「解釈はお好きなようにどうぞ。」


これ以上この話題の問答は無駄な時間が過ぎるだけだと考えたパンドラは、シロに別の質問をする。


「まぁいいわ。

じゃぁシロが知ってる知識で、これから妾はどうすればいいのか教えてちょうだい。」


すると今度もシロは曖昧で意味深な答えを返す。


「特別何かをする必要はありません。

パンドラ、貴女はこれまで通り、貴女のしたいようになさい。。

そのときが来るまで。」


再びパンドラは更に踏み込んだ質問をする。


「そのときって、それはいつなのよ?」


これもシロは答えず、この話は終わりと言わんばかりに内容を変える。


「いずれわかります。

そうそう、訓練の相手にアイリス以外が必要なら言ってください。

天魔数体くらいなら、すぐに用意できますから。

もちろん、好きに使って構いません。」


あきらかに話を打ち切ったシロだったが、パンドラはそのことに触れず、代わりに提案された話を受け入れる。


「じゃぁお言葉に甘えるわ。

まずは天魔2体をお願い。」


「わかりました。

少し待っていてください。」


そう言ってシロは、一度訓練場を後にした。


シロの姿が見えなくなると、アイリスがパンドラに近寄ってきて話しかけてくる。


「・・・お嬢、いいのですか?」


「何が、って、聞くまでも無いわね。

元始核の製作者が誰なのかと、訓練に天魔を要求した件の事よね?」


「そうです。

正直なところ、元始核については、我々としては完全に未知のものです。

そのためには少しでも情報が必要です。

そもそもどこの誰が作ったかわからないものがお嬢の身体の中に入っていると思うと、私は・・・」


今にもシロを問い詰めに行きそうなアイリスに、パンドラは本当の現状を説明することにした。


「落ち着きなさい、アイリス。

妾は大丈夫よ。

実はシロがいたから本当のことを言わなかったけど、元始核は休眠していないわ。

元始核は今、妾の力を割くことで無理やり制御して管理下に置いているのよ。

ただ妾の力の7割ほどが必要だったのは予想外だけど、その恩恵は大きかったわね。」


「つまり実際には、残りの3割ほどの力で以前と同等の強さを発揮できているということですか。

さすがはお嬢です。

ちなみに元始核に割り当てる力を減らすことで、その力を解放し、更なる力を発揮することは可能なのですか?」


「できると思うけど、それは今のところ最終手段ね。

下手に解放すると、逆に元始核が侵食してくる可能性もあるし。

だからこれから少しずつ解明して、いずれは完全に制御できるようにならないといけないわ。」


「まだまだ安心はできないということですか。

ですがお嬢でしたらきっとできます。

私はそう信じています。」


「当然よ。

それと製作者についてだけど、たぶんシロやクロの上にいる奴よ。

そしてそいつが組織のトップじゃないかって妾は考えてるわ。

まだ会ったことないけど、会えるのはたぶんシロが言ってた例の、そのとき、だと思うわ。」


「その考えには私も同意します。

ただここにはその気配が全く感じられません。

シロやクロの上司は、いったいどこで何をしているのでしょう?」


このアイリスの疑問に、パンドラは一瞬考えるそぶりを見せてから興味無さそうに答える。


「・・・さあ、どうなのかしらね。

妾は今のところどうでもいいわ。」


そんなパンドラが少し気になったアイリスだったが、気を取り直して話題を変えた。


「お嬢がそう言うなら・・・では、天魔を要求したのはどうしてなのですか?

あまり組織側のものを近づけるのは、今後のことを考えると得策ではないかと。」


「シロとクロを除けば、天魔がここの主力と思われるわ。

だから現状の妾たちが相手にした場合、どの程度なのか戦力を確認するため。

ついでに組織の戦力を事前に削いでおく目的もあるわね。

ただ今の妾たちなら、一体ずつであれば、シロとクロを倒すことも可能だと考えているわ。」


「確かに、お嬢と私であればシロとクロの対処も可能でしょう。

・・・お嬢は、シロとクロの正体は何だと思いますか?」


アイリスの質問に、パンドラは迷いなく答える。


「おそらく上級悪魔ね。」


「やはりお嬢もそう思いますか。」


「天魔よりも遥かに格上だけど、それでも今の妾たちの敵ではないわ。

だから何も問題無いわよ。」


「私も頭ではわかっているのですが・・・私は以前、上級悪魔と戦ったことがあります。

そのとき全ての悪魔を倒したはずですが、もしシロとクロの正体が上級悪魔だったとしたら、何故生き残っているのか謎が残ります。」


「たぶんそれも、シロとクロの上にいる奴が関係してると思うわ。

ただ生き残った個体なのか、それとも新たに生まれた個体なのかは、まだわからないけどね。」


「そう、ですね。」


「とにかく、今後の妾たちの最重要目的は、そいつ等を確実に排除することよ。

そのためにも、妾たちはもっと強くならなければいけないわ。

数日前のような醜態をさらすわけにはいかないわよ。

いいわね、アイリス。」


「わかっていますよ、お嬢。

私たちは絶対に失敗できないのですから。

もう絶対に負けません。」


「その意気よ、アイリス。

今後は更なる強さを得ることに加え、組織に関する情報収集も同時に行っていくわ。

当然、妾たちの目的を組織に気取られないよう注意しながらよ。」


「承知しました、お嬢。」


今後のことを確認し合ったパンドラとアイリスは、改めて目的に向かって邁進することを決意したのであった。

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