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無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第20章 探求と暗躍
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フィロの受難1

翌朝、いつもの早朝訓練よりも少し早い時間であったが、全員が既に訓練場に集まっていた。


その中にはフィロもいるのだが、不機嫌そうな表情でブツブツと文句を口にしている。


「訓練に参加するのは、まぁいいだろう・・・

だが何でいつの間に私が殴られることになってるんだ・・・

それも私のいないところで勝手に決めて・・・

拒否権は無いのか拒否権は・・・

ここの人権はいったいどうなってるんだ・・・

そもそも起きてすぐに聞かされる身にもなれというのだ・・・」


どうやら昨日フィロがいなくなった後に決まった話を今朝聞いたようだ。


それでもこうして訓練に顔を出すのだから、根は律儀なのだろう。


そんなフィロに、マコトは最初に謝罪する。


「急な話で済まなかったな、フィロ。」


「まったくだよ。

せめてもっと早く教えてほしいものだね。」


「それでもよかったんだが、そうなると昨日はゆっくり休めなくなるんじゃないかと思ってな。

余計なお世話だったか?」


マコトの言葉に、フィロはもし昨日の内に知っていた場合を想像してみた。


「それは・・・確かに。

気になっておちおち休んでなどいられなかっただろうな。

はぁ、仕方がない。

今回はマコトの英断だったと認めよう。」


「そう言ってもらえると助かる。」


「まぁそれはいい。

だが殴られることに納得はできないぞ。

一人一発とはいえ、それが六人もいれば尚更だ。

言っておくが、私は第四世代の神とはいえ、戦闘能力は皆無だぞ。

防御だって紙装甲だぞ。

最初の一発であの世行きは間違いないからな。

そうなったらどう責任を取ってくれるつもりだい?」


顔を青ざめながら抗議してくるフィロに、マコトはいたって平静に答える。


「それについては、俺は全く問題無いと考えている。

とりあえず俺の言う通りにしてくれれば、全て丸く収まる。」


あまりにもマコトが自信有り気に断言したので、フィロも話を聞く気になったようだ。


「・・・いったい私に何をしろって言うんだい?」


この問いにマコトは、フィロの耳元に小さな声で内容を伝える。


「フィロは、・・・ながら、相手と向かい合ってくれればいい。

できるか?」


マコトが伝えてきた内容を聞いたフィロだったが、いまいちピンときていないようだ。


「正直、今の説明が何を意味しているのか私にはさっぱりだ。

だがそれくらいなら今の私でもできると確信しているからこそのリクエストなのだろう?」


「その通りだ。

でどうだ?できるか?」


問われたフィロは、結果としてマコトを信じることに決めたようだ。


それによってか、眠っていた頭も完全に起きたようで、マコトが何を自分に要求しているか急速に理解が進んだ。


「なら問題無いよ。

それに、今のでマコトが私に何をやらせたいのかだいたいわかったからね。」


「そうか。

まぁ力まずにできることをやれば大丈夫だ。」


「それしかできないから、そうするつもりだよ。

一応最後に確認するけど、本当にそれをやれば私は生き残れるんだよね?」


「ああ、大丈夫だ。

それは保証する。」


「わかった。

その言葉を信じるよ。」


「ちなみに六人全員が手加減なしと意気込んでいるから、多少の怪我は覚悟してくれ。」


「私の本音としては怪我をしたくないんだがね。

まぁ禊だと思って、今回は我慢するよ。

治療くらいはしてくれるんだろう?」


「今回は一人殴り終わった後に、都度回復させるつもりだ。

生きてさえいれば、短時間で全快まで回復できるから安心して殴られてくれ。」


「殴られることに安心できる要素など一つも無いんだがね。

ただ事前に治療してくれるとわかっただけでも、少しは気が楽になったよ。」


「それはよかった。」


「私としては状況的に全然よくないんだけどね。

まぁ今回は諦めるよ。

というわけだから、嫌なことはとっとと終わらせようか。

それで、いつはじめるんだい?

私の方はいつでも構わないよ。」


フィロの了承を得たので、マコトは今回相対する六人にも確認を行った。


「フィロはこう言ってるが、そっちの準備はどうだ?」


これに対して六人が意気揚々と答える。


「終わっているのじゃ。」


「既にできています。」


「いつでもいいぞ。」


「さっさとやろうぜ!」


「私も問題無い。」


「こちらは全員準備万端だ。

早くはじめようではないか。」


フェニス、アクア、ナーシャ、ルーヴ、ヴァイフー、リュジュの順に答え、全員がやる気に満ちている。


「そうか。

だがその前に、今回の内容確認と条件だけは先に説明するぞ。」


六人のやる気に水を差された形になったが、代表してリュジュが了承する。


「まぁ仕方あるまい。

それで条件は何なのだ?」


気が逸って話の一部を飛ばそうとするリュジュだったが、マコトはそれを許さない。


「まずは今回の内容の確認だ。

六人が一人ずつフィロを一発だけ殴る。

その際に、互いに正面で向かい合って準備ができてからタイミングを合わせて殴る。

一人終わる毎にフィロの回復が必要であれば全快させる。

これで間違いないな?」


「うむ、相違ない。」


「では次に条件だが、これは3つある。

1つ、攻撃側の攻撃は拳で一発だけとし、場所は相手の腹部を固定で殴ること。

2つ、攻撃側は身体能力を向上させる強化だけは認めるが、属性などを使用した他の強化は禁止とする。

3つ、防御側は能力の使用制限を無しとする。

以上だが、問題無いか?」


マコトから提示された条件を聞いたリュジュは、少し考えてから質問を返してきた。


「ふむ・・・マコトよ、条件について確認したいが、構わぬか?」


「遠慮なく聞いてくれ。」


「まず1つ目の条件だが、これは問題あるまい。

本音を言えば、殴る場所は各々好きにしたかったが、それくらいは我らが我慢し譲歩しよう。

皆も構わないな?」


リュジュに問われ、他の五人が無言で頷き了承する。


「次に2つ目だが、例えば我の場合は絶真竜形態に変化したり力の発動による強化だけなら身体強化の範疇。

だが攻舞を使うのは他の強化、という認識で間違いないか?」


「ああ、その認識で問題無い。」


「そうか・・・それだけ聞ければこちらは問題無い。

では早速はじめるぞ。」


「それは構わないが、3つ目については何も確認しなくていいのか?」


「我らが直接関係している攻撃側についての条件だけ確認できれば問題無い。

防御側であるフィロは、できることを全力でやって構わぬ。

そうでなければ意味が無いからな。」


「そうか。

内容と条件については今説明した通りだ。

そして最後に、以降は互いに遺恨を残さず、仲間として受け入れること。

これだけは受け入れてもらうぞ。

それでいいな?」


まずはリュジュが代表して答える。


「我らは了承する。」


続いてフィロが答える。


「私もそれで構わないよ。」


「では双方の同意を得たので、これよりはじめる。

攻撃側は誰が最初だ?」


マコトに問われ、六人は順番を決めるためか、話し合いをはじめた。


話し合いはすぐに終わり、まずはアクアが一歩前に出て名乗りを上げた。


「それでは私から行かせていただきます。」


そう言ってアクアは、静かに力を発動してから左半身を少し前に出し、逆に右半身を僅かに引いて構えた。


どうやら右手で殴るようだ。


アクアが視線で準備完了の合図を送ると、マコトはフィロに確認のための視線を向ける。


フィロも既に準備できているようで、マコトに向かって頷く。


そのフィロはというと、アクアと正面に相対しながら自然体でただ立っているだけだ。


周囲の眼には、棒立ちにしか見えない。


だが構わずマコトは開始を宣言する。


「では双方準備ができたので、アクアの好きな頃合いではじめてくれ。」


しかし開始が宣言されたものの、どう見ても防御姿勢には見えないフィロの姿に、アクアが質問してきた。


「・・・本当にそのままでいいのですか、フィロ?」


このアクアの問いにフィロは迷わず即答する。


「構わないよ。

マコト曰く、これが私にはいいらしいんでね。」


フィロが何を狙っているかわからないものの、ここからはアクアも雑念を払って攻撃に集中することにした。


「そうですか、マコトさんが・・・なら遠慮はしません。

参ります・・・はっ!」


アクアは気合と共に力強く地面を蹴って、一直線にフィロの腹部めがけて右拳を放ったのだった。

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