包丁の使い方は間違ってます
料理人を怒らせたら
すぐさま逃げますように
ソゲルは今日という一日を神に祈る事にした。一味は事実上壊滅。やはり自分の下手なプライドよりも命を優先すべきであった。自分のちゃちなプライドのために襲撃するんではなかった。そして世界最強の人種と認定されて何故か料理人をしている男に俺は生命の危機を味あわせている。飯を盗み喰ったわけでない………。勿論命からがらに戻ってきたのだから腹は減っている。
だが賎しい真似はしない。これでも海賊の頭だ………。何故こうも命を狙われているかと言うと………。
黒の料理人の嫁さんの裸を見てしまったからだよ!!!
命からがら逃げた先が闇の大貴族の家で丁度湯浴みをしようとした所を運悪く俺が見てしまい、その嫁さんに瞬時に即死系呪文を詠唱されすぐさま逃げた先に作務衣を着たあの旦那がいて………
「………遺言はすませたか?」
あからさまに世界最高硬度を誇ると言われる愛包丁を取り出し思い切り突きを放たれる。寧ろなぜこんな身体能力で料理人に甘んじてるのか意味がわからない。寧ろこの魔王をも殺せそうな威圧感でラスボス級の力を感じるんだが………しかも複数形で殲滅系の呪文詠唱を終えて俺に向けてるというしかも指向性持たせてるとこを見ると完璧俺狙いだ。
「骨も遺さん」
やばいやばいやばい………あの呪文全属性を交えたエレメンタル系の最大出力の物をコンパクトに纏めたものだ。つうかなんでそんな詠唱技術持つ人間が場末の食事処なr
ソゲルはその時点で意識を一瞬遠方に向かわせる。いつの間にか廃墟の方へと向かわされてるのに気づきその避けた呪文が文字通り壁を消失させた。
「………」
これではさすがに骨も残らない、しかもこれは遥か古代に名前すらも忘れられた禁忌系呪文じゃないか?しかもこれ扱えるのは大賢者クラスの能力を有するのに限られるはず………。寧ろ何者なの?なにこれ?何これ?何者?
「レイ、君が手を下すまでもないよ」
凛とした声が響くレイと呼ばれた料理人の後ろに現れるのは我が国の国王。
「………彼には同盟国を襲うという重罪があってね」
国王率いる兵士数名に囲まれた時点でソゲルは自分が如何に愚かな事をしたのかという事を悟った。




