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異世界食事処 [和楽]  作者: 作者不明
19/34

会食

挨拶まわりは


実に重要


ミリル=シルベリアは思う。私の義理の兄となる人はとても不思議な人だと、勿論大好きな姉の選んだ人なので私は文句もないし、ファーストネームがないという事もさして問題はない。料理人であるという事も別に不思議ではない。



ただ料理人にしては似つかわしくない豊富な知識と姉を越えるほどの力量を持った能力。聞けば全ての属性と特殊属性、派生属性、未だ発見されていない未知の属性をも使えるらしく、蘇生魔法すら使ってみせたらしい。クロノス王の無二の友人でありギルドにおいて希少な食材と素材ハンターとしても有名で二つ名は[黒の料理人]


そんな人が我が闇の大貴族シルベリア家に婿に来たのだから驚きだ。姉譲りのオレンジ色の美しい髪をお団子頭にしてゼファーよりも利発的な少女は目の前の穏やかな黒髪の兄となる人を見ながらそう思っていた。



「まさか娘の伴侶となる男が有名な料理人にしてギルドでも有名なハンターである青年になるとは思っていなかったよ」


にこやかに微笑む白が混じったオレンジ色の壮年の男性が話す。彼の名はゼロス=シルベリア………先代闇帝にして解剖医シルベリア家の当主、死体を扱う医者である事から忌みきらわれる事も多いが彼の医者としての功績と人柄もあって彼を称える人間も多い。



「ゼロス先生………貴方の蔵書は良く読ませて頂きました、死生学もまた素晴らしい」


「先生など………私は一介のしがない医者にしか過ぎないよ、だが知識に共感を得てくれる人間がいるのはありがたい事だね、死生学についても話したい所だが………今日は娘と君との祝いの席だ、学術的な話は後にしよう、亡くなったこの子達の母も喜んでいるだろうから、君の料理の腕は聞いているが我が家の料理も捨てたものではなくてね」


「ええ、楽しみにしてます」


「ふふ、眼の色が変わるのだな」


ゼファーはにこりとレイに声をかけた。



いつも忙しいので家族一緒に食事をするという事が少ない我が家で家族が一人増えるだけでも違う、大好きな姉はいつもより可愛く見えたし、兄となる人はとても穏やかな人だった。私は未成年であるからお酒は飲めないのだけれど、兄となる人がノンアルコールカクテルというものを作ってくれて飲ませてくれた。



それから少しずつ私もお兄さんとお話をした。お兄さんと呼んでもいいと言ってくれたので私はお兄さんと呼ぶことにした。お兄さんはブラックスーツを着てどこかの王族の人みたいだった。姉はお兄さんを一目見た時に惹かれたらしい。理由はお兄さんにしか教えないらしいけど。



お兄さんには血の繋がった妹がいて、その人はよく王都に来る先生で私も知っているミサト先生だった。少し男勝りで優しい先生、その人が私の家族になるのはとても嬉しい。私は13歳だけれど2歳年上のお兄さんの妹と会えるのが楽しみだ。色々話したかったけれど今日は眠くてまた明日にしよう。お兄さんは今日泊ってくれるようだし。





「………料理人達も君の料理のレシピを渡されて喜んでいたようだ」



バルコニーにレイとゼロスは椅子と机を持ちより赤ワインを飲みあう。


「君の作ったチーズは美味しいね」


「ありがとうございます」


カマンベールチーズをつまみながらレイとゼロスは穏やかに会話を交わす。



「………早くに妻を亡くし彼女達には寂しい想いをさせた、生家が死を扱う医者だからね、心ない言葉も色々あってね、まあそれでも良き友人や恩師にも恵まれたと思う、妻は死を救う過程で病を発症してしまったけれど」



「………死体から発生する疫病ですか」



「ああ、彼女の死で私は多くの人を救えた………ゼファーにはしばらく恨まれたものだよ、ミリルはまだ物心もついてない時期だったがね、医者というのは死によって栄光がもたらされる時もある、時に非常にもならねばならない………だからレイ君」



ゼロスは穏やかに話す。



「あの子は強い子だ、道は解剖医としての道だけではないといっても彼女はこの道を継いでくれた………だからこそ私は私の生涯をかけて娘達の幸せを祈らなければならない………だからレイ君………ゼファーと夫婦になるというのなら覚悟を決めてほしい」



「………言われなくてもゼロス先生………僕は彼女を好いたその日から護ると決めましたから」



「………ありがとう」


ゼロスはにこやかに笑う。






「父と遅くまで飲んでいたようだね」



ゼファーの私室


「ああ………君達をとても愛してるお父さんだね」



ベットの上で本を読んでいるゼファーの隣に座るとレイは抱きよせる。



「………誓うよ、君達を家族として護り、君を生涯愛すると」


「………嬉しい事だね、では奥さんからのお願いを聞いてくれるかな?」


「何だい?」


「………子供ほしいな」



「全くだ」



レイはそういうとゼファーを抱きよせた。



「………その前にお風呂だね、溜めておいたから一緒に入ろう」


「ああ」


夜は更けていく。



翌日、どこか嬉しそうな姉を見ながらお兄さんと話をしました。家の使用人達もお兄さんを気にいってくれたようで新たな当主の息子………レイ=シルベリアが誕生しました。




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