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異世界食事処 [和楽]  作者: 作者不明
13/34

兄と弟

いつだって



切れないから


絆なんだ



久々に切れた兄貴を見た。いや中々に怖いもんだな………生涯で一番怒らせちゃいけないのは兄貴だと





久々に兄貴のキレた様を見た。今でこそ温和な口調ではあるが………王子時代………いわゆる俺と同じ年齢の時代の兄貴はそれはもうやばかった。どれくらいやばかったのかというと単身敵国に入り拳一つで国を滅ぼすほどだ。クロノス王家の血筋にはある特殊な力がある。それは王威おうい王の血筋が纏う気のようなものだ。それは様々な恩恵として王家の人間の身体に表出される。兄貴の場合は身体能力として………俺の場合は強大な魔力………。まあこういう話であるから今回は我が王家に関する兄貴のとんでもない物語という事を念頭に置いておいてくれ。




以上ジークでした。





事の発端はある事件からはじまる。クロノス家は三兄妹から構成される。ジーニアスの兄貴、俺、そしてジュリアという妹。父譲りのブロンドに可愛らしい金色の目。可愛らしい白のフリルドレスが実に似あう。まだ王威は目覚めてないものの。母親の祖母が天使というだけあって祖母譲りの天使の持つ癒しの力も持っている。天使の血を持つ者にはある恩恵がある。それは交わった種族の特性を受け継ぐという事。俺達の妹………ジュリア=クロノスは天使の癒しという特性と人間の成長という特性を顕著に受け継いだ子だった。



勿論その力を狙う輩もいるわけで事の発端は先代である親父と御袋二人が居ない所で起きた事だった。たまたま遊びに行っていた避暑地で武闘派の犯罪組織の手のものにさらわれたのがはじまりだった。それを聞いた兄貴は一言だけそう呟いた。




「………王に弓引く愚かさを身にしめてわからせてやる」



その場に居た家臣達を震えさせる声で場を氷つかせた。その後レイさんを伴い俺を連れて王城から転移。




「………うちの可愛いジュリアに何をしてくれてるんだ」


丁度妹の服を脱がそうとしている敵のチンピラ達を見てそのまま肉塊へと変えていた。

隣でレイさんがにこやかに悪魔の一言を告げていた。

「ジーニアス、多少息があればすぐ修復しますから大丈夫ですよ」


「………さすがだな………いくぞ、ジーク」


俺は兄貴の巨大な闘気にあてられながら先に進む事にした。ジュリアの方はレイさんが保護してくれているので実に安心だ。それからの話はあっけないほどの終りだった。


兄貴が身体強化を極限までこなし縦横無尽に組織の人間達をちぎっては投げボスと思しき人物を掌底で撃ち抜き沈める。



金色の闘気を纏い巨大な気弾を放ち粛清。気弾というのは東方における気功術という生命力を格闘技に変えるという古来の戦闘方法で兄貴はその戦闘術を幼い時より習い数ある戦場で武勲をあげてきた。数ある王家の中でも無手の技を究めた王はほぼ皆無といっていいだろう。




対する俺の王威は強大な魔力の増大と吸収。言葉にすれば実に単調なものではあるがシンプルであるからこそ強い。


この王威の特性は常に魔力を発動しても空気中や死体や生物ありとあらゆる物質から魔力を吸収できる事にある、すなわち魔力の枯渇がない、そして魔法を行使するたびに魔力量と魔法の強さが上がっていくという事だ、現時点で古代級の魔法を行使する事が可能だ。



俺もまたレイさんと同じように全属性持ちであり特殊属性も扱える。




となればだ俺のこういう奴らの鉄槌は殲滅系魔法一択になる。巨大な焔が巻きあがり巨大な津波がおしよせ巨大な竜巻や雷鳴が轟く。レイさんならば相手が死んでも蘇生ぐらいはできるだろうという確信があってだが………本来ならば蘇生魔法というのは様々な手順と常人では扱う事の出来ないほどの魔力と魔法の行使で発動させる代物であるし………代償も計りしれないのだが………レイならば可能だろうという予測を元に殺す勢いで削いでいった。勿論レイに頼んだら困ったような顔をしたがもれなく蘇生魔法をあっさりとしてくれた。




そのおかげでレイさんの謎が一つ増えたわけではあるが………あえて深く聞かない事にした。俺の大事な友人の兄貴には変わらないしうちの兄貴の友人には変わらない………、その人には過ぎた力を間違いにはけして使わない人だとわかるので俺は何も聞かないでおいた。まあそんなこんなでその組織は兄貴の化け物じみた力と俺の殲滅系魔法で壊滅された。



後から聞いた話だとなかなか高ランクの巨大な組織だったらしいが………レイさんが背後関係を調べて芋づる式に潰したらしくその組織の名前は出ない。というかレイさん俺達が二人で殲滅している時に自分も単身で潰しにいくとかどれだけだという話になるんだが(ちなみに分身体を妹の護衛につけていたらしい)本当にレイさんは何者なのだろう。兄貴が殲滅しおえた時に俺を見ていったのが。



「ジーク、仮にお前だとしても俺はこんな風に怒るぞ」


「………俺もだ」



なんだかんだ兄弟なのだなと実感できた。


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