第86話 女騎手二人
女性騎手を語るスレ 178R
21 名無しさん@競馬板
即落ち回避~
22 名無しさん@競馬板
はい、実質二人だけのスレ開始~
23 名無しさん@競馬板
この数日の内容、ユッキー、あまねる、ユッキー、あまねる
オグリ オグリ オグリ オグリ オ・グ・リ!
24 名無しさん@競馬板
凄かったなーあれ
札幌競馬場であんなん起こるんやね
25 名無しさん@競馬板
2人と2頭だけの世界になってたもんなあ
26 名無しさん@競馬板
オグリキャップって牝馬……だったよね?
27 名無しさん@競馬板
な・ん・で・だ!w
28 名無しさん@競馬板
シングレ定期
最近の競馬民はウマ娘経由の流入が多いからな
逆にウオッカを牡馬と勘違いしているのがいてワロタ
そして馬の可愛さにメロメロになってもう抜け出せない
29 名無しさん@競馬板
競馬は沼だよ
馬券ファンもいれば血統オタもいるしウマ娘からの流入もいる
推しが引退したら今度は産駒を待つ
ライバル同士の息子と娘が配合したら薔薇か百合になる
30 名無しさん@競馬板
なんかもうずっと札幌記念の話ばかりしてるな
そういやユッキー札幌リーディングほぼ確定だっけ?
31 名無しさん@競馬板
なんかもうユッキー固定になったな
今年の皐月賞ぐらいまでは普通にあまみんがいたのに
32 名無しさん@競馬板
あまみんだとあまねると区別化しにくいからなあ
公式は最初からユッキーだったし
33 名無しさん@競馬板
とりあえず次もまたリン君と組むのはあまねるで決まりかね
34 名無しさん@競馬板
ここで乗り替わりしたら調教師がファンに〇されるぞw
ただ次にどのレース使うのかは全然分からんけどな
35 名無しさん@競馬板
3歳だし常識で考えたら菊……とはならんのよな?
36 名無しさん@競馬板
道営から京都は無理じゃね?
そりゃあ数日前から輸送してという手段も使えるんだろうけど
37 名無しさん@競馬板
コスモバルクが道営から中央のレース走ってたしな
どういう仕組みかは知らんが出来ることは間違いない
38 名無しさん@競馬板
どこ走るんだろうね
適正2000前後っぽいし毎日王冠とか?
39 名無しさん@競馬板
とんでもない晩成だからなあ
そもそも毎日王冠走るぐらいならジャパンダートクラシックじゃない?
同じ地方競馬だし
40 名無しさん@競馬板
JDCかあ
賞金はGⅡよりは上になってるけど芝が走れるなら秋天狙わない?
41 名無しさん@競馬板
今年の秋天は面子がやべーことになるぞ
ナイトとボンクラが2強になるとか言われてたけど
ロア君も参戦するとか言ってるし
42 名無しさん@競馬板
菊に行くやついねえのかよ!
3歳も皐月賞とダービーの上位組ほとんど秋天だよな
43 名無しさん@競馬板
ロア君が皐月賞取って三冠の可能性がなくなったからな
秋天取って次は香港カップあたり?
香港ならマイルもあるけど
44 名無しさん@競馬板
モーちゃんは?
ユッキーはメルボルンカップ行きたいとか言ってたけど
45 名無しさん@競馬板
オーストラリアは検疫(※1)がなあ
確かに距離適性は間違いないステイヤーだけど
46 名無しさん@競馬板
2000は短すぎたな
やはり2600以上でないとw
47 名無しさん@競馬板
菊花賞以来3000以上しか勝ち鞍がないwww
48 名無しさん@競馬板
札幌記念は負けたけどレコードは出してたぞ
……なんか違わない? レコード出したけど負けるならリン君が負けるよな?
49 名無しさん@競馬板
それはジャパンカップまで取っておくのだ
あれ? モーちゃんメルボルン行ったらジャパンカップ出られないよね?
50 名無しさん@競馬板
香港じゃね?
なんか戦績見てると最後が坂のコースもあんま相性よくないし
51 名無しさん@競馬板
最後が坂のコースねえ
JC3着 有馬3着 宝塚4着
う~ん微妙に勝ちきれないというか
札幌記念もレコード出し普通なら勝ってるわけだしな
52 名無しさん@競馬板
夏の3歳馬にアタマ差だから本当なら勝ってる
ただあそこから差し返せたかというと疑問は残る
53 名無しさん@競馬板
しかし女は50勝までとか言われてたけど連続で二人も出てきたな
あまねるは記録まで作ったし
54 名無しさん@競馬板
ユッキーも記録は作ってるぞ
あまねるはまだリン君が強いだけという可能性がある
55 名無しさん@競馬板
道営とはいえ1年目から軽く30勝してるのは斤量だけじゃ無理だろ
56 名無しさん@競馬板
まああまねるは100勝して斤量有利なくなってから勝てるか
あとリン君以外で重賞勝ってやっと本当の評価になるかな
57 名無しさん@競馬板
ロア君安田記念に行ったのに秋はマイルとかスプリント使わないんだな
58 名無しさん@競馬板
おもしれー女がマイル路線は出てくるだろうしね
59 名無しさん@競馬板
ファムたんとロア君がラブラブという噂は本当なのだろうか
60 名無しさん@競馬板
ユッキーが言ってたから少なくともロア君の方は本気だと思う
61 名無しさん@競馬板
血統的にはどうなのよ?
ロア君は砂まみれの父親から生まれた不良っていうイメージがどうにも
62 名無しさん@競馬板
ファムたんは由緒正しい外国産馬だからね
将来的な繁殖価値まで含めて五代が買ってきてる
ただND濃いめにナスルーラ多めだからね
ロア君のサンデー多めとはクロスがほぼ発生しないのがいいかもしれない
63 名無しさん@競馬板
よくあることだがまた話がずれてるなw
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八月から九月にかけて、まだまだセリは行われる。
それに連れまわされることは、調教師や騎手にとって、営業活動の一環である。
道営の門別競馬場は、そういったセリの会場や中規模以上の牧場にも近い。
そしてセリで買ったついで、厩舎を訪れる。
「オグリキャップねえ……」
現役時代は一般家庭の中にまで、ニュースとして入ってきたという。
後にはゲームの効果などで、また人気が再燃したが。
社長は夫人と一緒に、セリにもやってきていた。
SSRCは今年、高額馬を買っている。
だがそれでも基本的には、日高の1歳馬か、さらに後の2歳馬を買って走らせる、というのが方針であるのだ。
しかしこれも基本的に、高額馬を金にあかせて買うのではなく、吟味したうえでほどほどの値段を買っている。
アシュレイリンクは来年にでも、海外遠征をさせてみたい。
そのために必要なのは、オーナーによるバックアップに、調教師のノウハウである。
このあたり本当なら、五代のような大オーナーブリーダーに馬主になってほしい。
あそこならば海外遠征のノウハウは、相当に積んでいるからだ。
しかし自分のところの馬ならばともかく、他で生産された安馬を、海外遠征させること。
それは自己のブランドを傷つけることなので、五代には頼めないのだ。
途中から強い馬を買って、GⅠを取る。
これは日本の競馬文化においては、あまり尊敬の対象にならない。
まだ花開く前の才能に投資して、そしてGⅠを勝たせること。
それが日本流の、正しいオーナーの形である。
「うちの会社もそのあたり、けっこう保守的だからなあ」
社長とは言っても、その上にグループの会長がいる。
基本的にSSRCの馬は、社交のために買った馬である。
社会的なステータスを上昇させることが、その目標なのだ。
なので外聞の悪い購買は、許可が下りる可能性は低い。
札幌記念を3歳で勝った馬。
普通ならここから、GⅠ戦線でも活躍していくであろう。
昔と違い今ならば、地方間の移籍を行い、そこから地方馬枠で中央に挑戦も出来る。
しかし海外遠征まで考えれば、やはり中央のノウハウが必要となる。
そのためには鳴神厩舎でさえ、力不足と言ってもいいだろう。
オーナーの経済的な援助が、絶対に必要になるはずだ。
あとは海外とのコネクションである。
SBCファームにはそれを持った、池元がいる。
SSRCの馬はこれまで、海外で勝ったことはない。
そもそも海外挑戦という意識さえ、薄かったのである。
だが全く海外に縁がない、というわけでもないのだ。
モーダショーを出したスプラッシュヒット。
そのさらに父は、日本で走った馬であり、社長が個人馬主をしていた時代に持っていた馬だ。
ステイヤー寄りで、やや晩成でありながら、なぜかアメリカで種牡馬として成功してしまった、不思議な馬であった。
ただこれは馬を、輸出したというのみ。
種牡馬生活を一応は送ったが、当初は日本での失敗もあり、それほどの需要がなかった。
なのにケンタッキーダービー馬を複数出したあたり、本当に血統というのはどう発現するのか、分からないものである。
「ドバイに連れていくかあ」
そしてさらにその先には、ヨーロッパにも。
モーダショーをメルボルンカップに出走させるという件。
それについては許可が下りている。
オーストラリアは検疫が厳しいが、それでも春天の勝利馬は、スムーズにその処理もしてくれるはずだ。
そしてそこから香港へ。
こちらも許可されたのは、少し意外ではあった。
だが会長は計算高い俗物で、論理的に名誉を認めている。
メルボルンカップはその日が国民の休日になる、オーストラリアでも最大のお祭り。
そこで勝てたとしたらオーストラリアでは、最大の名誉になる。
そして香港に関しては、優姫が説明している。
おそらくモーダショーでは、ジャパンカップと有馬記念に勝てない。
特に有馬記念は、枠による勝敗というのが、かなり決まっているレースなのだ。
日本のGⅠでももちろん、名誉を与えてくれるものはある。
だが海外を勝てば別格、というレースはあるのだ。
「そうやシンガポールがどうとか、なんか言ってたんだけど、あれはなんだったのかなあ」
「シンガポール国際カップ(※2)かな」
優姫は知っているが、2015年には廃止されたレースである。
ここも裏には色々と、黒い噂が流れている。
あくまでも噂ではあるのだが。
セリを終えて優姫が訪れるのは、門別競馬場である。
ここでもまた、アシュレイリンクが話題となる。
「中央移籍というのは、色々と難しい」
秋藤が説明するのは、当たり前のことである。
「馬を売却して、移籍させるだけじゃなくて?」
社長の問いに対して、秋藤は難しい顔をする。
同席している富田林も、とても難しい顔をしている。
アシュレイリンクの中央移籍そのものに関しては、実はこの二人は賛成なのだ。
特に海外遠征させるとなると、地方では完全に管理側のノウハウがない。
中央に挑戦というまでならば、南関のどこかに所属し、中央のレースで走ればいい。
ただ海外挑戦を視野に入れると、どうなってくるのか。
かつては道営のまま海外を走らせた総帥がいた。
しかし個人的なコネクションやノウハウなきあと、走らせることは不可能である。
地方のままというなら、富田林がそのまま馬主でもいい。
だがJRA自体の有形無形の援助を受けることが出来ない。
海外でも特に、招待競走ではないヨーロッパを走らせるには、絶対に現地の協力者も必要だ。
このあたりはJRAでも不充分で、やはり代々ヨーロッパとコネクションをつないできた、五代の力を借りたいところなのだ。
中央移籍となると、富田林は馬主資格を満たさない。
つまり中央の馬主に売却、という形になる。
海外遠征までさせるならば、巨大な組織のバックアップが必要になる。
SSRCは親会社の南関SSホールディングスを含めると、確かに大きな企業だ。
しかし遠征のバックアップをするという点では、それでも不足している。
「売却になると、それ以前の問題にもなると思いますが」
そう富田林が言うのは、オグリキャップの神話の、裏の事情を知っているからだ。
「そのあたり、世間の納得が必要になる」
全く世間の評判を気にしない、優姫の口からそんな言葉が出る。
同席している千草としては、それが一番の驚きであった。
オグリキャップの神話。
それはいくつもの要素から成り立っている。
馬は何も悪くなく、むしろ人間側の都合を跳ね返して、走ったからこそ美しい。
だが馬主の名義変更においては、色々とごたごたがあったのだ。
オグリキャップの馬主は三人いる。
その中で馬主の鑑と呼ばれているのは一人目。
二人目と三人目は、評価がとても難しい。
別にこれだけに限ったことではない。
馬主の名義変更、つまり競走馬の途中売却は、それなりにある話なのだ。
だが今回の場合は、事情が事情なのである。
なにせあのオグリキャップの再来、とまで言われてしまっている。
五代前に一行、名前があるだけなのに。
産駒が走らなかったことが、ここにきて逆に伝説を補強するものになってしまっている。
優姫は「人の心とかないんか」と言われることは時々ある。
体操を辞めた時にも、言われたことではある。
競馬学校で騎手になりたかった同期の生徒に、引導を渡した時もそうだ。
馬の心を理解することに努めたため、人間から遠ざかってしまった。
本人がそれで構わないと思うあたり、本当に救いがない。
ここで安易に売却することは、当時を知るファンからしたら、絶対に許せないことになる。
ラストランで全て美しく終わったが、そこに至るまでの多くは、醜いことがたくさんあった。
泥中の花ほど美しい、と思うようなものであろうか。
ただ富田林をはじめ、この場にいる競馬関係者は、優姫がちゃんとそこまで理解していることが驚きである。
それを承知の上で、彼女は馬のことしか考えていない。
地方からでは無理なのだ。
そして中央の馬主には、富田林はとてもなれない。
この場合はマイナスイメージをなくすのに、共有馬主(※3)という選択もある。
だが富田林の経済状況では、JRAの審査を通らない。
「なれる」
「どうやって」
優姫の断言には、千草がまず驚いた。
これが千草の実家ならば、どうにか通る条件なのだが。
JRAの馬主になるには、二年間の所得と、資産状況が問題となる。
そしてこの所得のうち、競走馬が走った賞金は、所得とは見なされない。
「けれど賞金を使って借金を返したら、まず資産の面ではクリアする」
「それは確かに」
「ジャパンカップや有馬記念で好走すれば、それだけで充分な資産形成に回すことが出来る。そして4歳からは」
優姫の説明には、その場にいた全員が、あんぐりとした顔になるものだった。
可能なのか。
「まあうちの会長も、そういう形になら納得するな」
「けんどもそんなのいいんかい?」
「一応3000万円ぐらいならどうにでもなる」
社長にも、権限というものはあるのだ。
ただここで、秋藤が手を上げる。
「だがこれは全て、そちらを全面的に信用出来てこそ、成り立つ計画だ」
「確かにこれは契約書にすることは出来ないし、口約束になる」
書類になどしてしまえば、むしろ名義貸し(※4)の疑いを持たれるだけだ。
「だけどあの会長さんは信用できる」
「なんでそんな保証が出来るんだ?」
「あの人は別に、競馬のことが好きなわけじゃないから」
これにもその場の全員が絶句した。
だが、笑い声が起きた。
「面白そう。お兄ちゃんの説得は私がする」
社長夫人は、会長である兄の説得を、どうアプローチすべきか分かっている。
情実だけでもある程度は動くし、逆に利害関係だけでも動かない。
説得するためには、それだけの材料が必要となるのだ。
「本当に、面白い嬢ちゃんだなあ。息子の嫁にほしいわ」
「私と一緒に牧場をしてくれる人なら歓迎する」
この優姫の言葉に、顔を見合わせた社長夫妻であった。
※1 オーストラリアの検疫
海外遠征に検疫はつきものであるが、オーストラリアは別格に厳しい。
滞在期間の長さに検疫期間の長さ、また検疫の間の隔離にメディカルチェックまで加わっている。
※2 シンガポール国際カップ
シンガポール航空がスポンサーとなっていた、アジアでも格式の高いレースであった。
土地利用の名目や、その後の全面的な競馬禁止から、裏事情があるとも言われている。
その裏事情の一つに香港でのレースを盛り上げるために華僑のつながりで廃止させたのでは、という噂がある。あくまで噂である。
※3 共有馬主
1頭の馬を複数の馬主(最大20名)で分割して所有する制度。
ただこれは一口馬主と違って、全員が馬主資格を所持している必要がある。




