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【悲報】最弱インプ、勇者を事故死させてスキルを強奪してしまう~成り上がり魔王譚~  作者: 下総山中
好きな女を取り戻せ!

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第62話 精鋭の『選定』

その夜、俺はモーチと七星の面々を城の一室へと集めていた。

「――向こう側へ、渡るメンバーを、決めたい」

俺は、静かに、切り出した。

「――相手は、神だ。……並の実力では、足手まといになるどころか、無駄死にすら、招きかねない」

その言葉に、部屋の空気が、静かに、張り詰めた。

「――俺は、この戦いに――」

俺は、静かに、続けた。

「――黄色い妖精、そして、モーチを、連れて行こうと思う」

「――ボク?」

黄色い妖精が、珍しく、真剣な顔で、俺を見つめた。

「――ああ。……お前には、大きな借りがある」

俺は、静かに、その瞳を、見つめ返した。

「――アリマンは、お前にとって、幼い頃からの、親友だったはずだ」

その一言に、妖精の表情が、僅かに、翳った。

「――……そうだね」

妖精は、静かに、頷いた。

「――ボクも、あいつを、殺した奴らに、一言、言ってやりたいと思ってたところ」

「――モーチ、お前もだ」

俺は、静かに、その視線を、モーチへと向けた。

「――アルカナの、遺志。……その、最後の仕上げに、立ち会ってもらいたい」

モーチは、静かに、深く、頷いた。

「――ようやく、我が待ち続けた、この日が、来たのだな」

その声には、二千年を超える、長い、長い、待望の想いが、滲んでいた。

「――残る皆には、それぞれ、大切な役目を、頼みたい」

俺は、静かに、続けた。

「――ルピン、ノノ、メメ。……お前たちには、装置の"守護"を、頼む」

「――守護、か」

ルピンが、静かに、頷いた。

「――ああ。……救出が成功した後、確実に、逃げ帰れるように。……この転移装置だけは、絶対に、壊させるわけにはいかない」

「――任せて。……絶対に、守り抜くから」

ノノが、静かに、拳を握った。

「――私も、回復や、緊急時の支援に、備えます」

メメも、静かに、頷いた。

「――デルポポには、天界側の"門"の調査を、頼みたい」

「――門、ですか」

「ああ。……あの、北の遺跡にあった、封印の扉。……あれと、繋がりのある構造が、向こう側にも、あるかもしれない。……もし、そうならば、そこから、何か、突破口が、見えてくるはずだ」

「――かしこまりました。……私の知識、存分に、使わせていただきます」

デルポポが、静かに、深く、頷いた。

「――そして」

俺は、静かに、黄色い妖精へと、向き直った。

「――お前に、一つ、頼みがある」

「――なぁに?」

「――お前の力、もう一段階、引き上げたい」

俺は、静かに、続けた。

「――俺は、既に、デーモンロード、そして、皆には黙っていたが…スキル全能ノ神の力を得ている。……今ならばアリマンが成し得なかった名付けができるはずだ。この力、お前にも、分けたいと思う」

「――まさか……」

妖精が、静かに、目を見開いた。

「――ああ、そうだ、名を贈らせてくれ」

俺は、静かに、しかし、確かな覚悟を込めて、そう告げた。

「――今日から、お前は……。『マニョン』だ」

その瞬間、妖精の全身から、これまでにない、圧倒的な魔力が、静かに、しかし、確かに、溢れ出した。

『――名付けが、発動しました』

『――スキル『精霊王』が、『精霊神』へと、昇華しました』

「――こ、これは……!」

マニョンは、驚いたように、自らの掌を、見つめた。

「――力が……。全然、違う……!」

「――これでこそ、共に、神に、立ち向かえる」

俺は、静かに、頷いた。

「――なあ、ディア」

ルピンが、静かに、口を開いた。

「――正直、俺も、一緒に、行きたい気持ちはある」

その声には、隠しきれない、悔しさが、滲んでいた。

「――だが」

俺は、静かに、しかし、はっきりと、告げた。

「――今回の相手は、神だ。……お前たちが、束になっても、恐らく、巻き込まれて、無駄死にするだけだろう」

その、あまりにも、率直な言葉に、その場が、静かに、沈黙した。

「――だからこそ、お前たちには、"帰る場所"を、守ってほしい」

俺は、静かに、続けた。

「――俺たちが、無事に、リアーナを連れて、帰ってこられるように。……その、最後の砦を、頼みたい」

ルピンは、静かに、暫し、俺を見つめた後、深く、頷いた。

「――分かった。……絶対に、守り抜く」

「――ありがとう」

翌日から、俺たちは、突入に向けた、最終準備に、取り掛かった。

「――まずは、偵察から、始めよう」

俺は、静かに、極小の使い魔を、幾体も、あの穴の奥へと、送り込んだ。

「――リアーナが、囚われているであろう場所を、まず、特定する」

数日にわたる、使い魔たちの、地道な偵察活動により、少しずつ、天界の内部構造が、明らかになっていった。

「――ここに、何か、監視の厳重な、施設があります」

デルポポが、静かに、その報告を、俺に示した。

「――恐らく、ここに、リアーナ様が」

「――ああ、恐らくな」

俺は、静かに、頷いた。

「――基本方針は、奇襲による、速攻だ」

俺は、静かに、皆を見渡した。

「――俺たちの目的は、神を倒すことじゃない。……あくまで、リアーナを、取り戻すこと。それだけだ」

その言葉に、マニョンと、モーチが、静かに、しかし、確かな決意を込めて、頷いた。

「――装置の最終確認は」

「――万全です」

デルポポが、静かに、頷いた。

「――いつでも、発てます」

俺は、静かに、拳を握りしめた。

――五十年、待ち続けた、この時が。

ようやく、訪れようとしていた。

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