表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【悲報】最弱インプ、勇者を事故死させてスキルを強奪してしまう~成り上がり魔王譚~  作者: 下総山中
魔王国で勤務開始、目指せ魔王!!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/67

第40話 新たなる進化と『地位』

戦争が完全な終結を迎えた頃、魔王城では、新たな体制についての話し合いが行われていた。

「――デルポポ殿の容体は、順調に快復されているものの、当面は療養に専念していただくことになる」

「そもそも働きすぎなのだ……」

アリマンが、静かに告げた。

「守護・事務部門の後任について、決めねばならん」

「――僭越ながら、提案がございます」

リアーナが、静かに進み出た。

「私が、守護・事務部門を引き継ぎましょう」

「――リアーナが?」

俺は、思わず声を上げた。

「ああ。……眷属としたダキオスたちをはじめ、私はこれまでも、多くの"人"を扱ってきた。組織の運営、内政の采配……。工作・サポートよりも、こちらの方が、より私の性分に合っているかもしれん」

「――して、リアーナの後任は」

アリマンの視線が、静かに俺へと向けられた。

「――ディア。お主に、工作・サポート部門を任せたい」

「……俺に、ですか」

「これまで、お主がやってきたことを、思い返してみよ。単独での偵察、ドライアド族の救出作戦、水攻めの立案、そして此度の王都攻略――そのいずれもが、諜報と後方支援、まさにこの部門の本分そのものだ」

アリマンは、静かに続けた。

「――だが」

その声色が、僅かに重みを増した。

「我ら魔族は、根本的に、武力を重んじる。……お主の功績は、疑いようもない。だが、いまだ"デーモン"のままの器では、四大守護者という地位に対し、懸念の声が上がらぬとも限らん」

その言葉に、俺は、静かに口を開いた。

「――その懸念には、及びません」

「――なに?」

「実は、先の戦の後、進化の兆候を感じておりました。……種族【グレーターデーモン】への条件を、既に満たしております」

俺は、静かに『鑑定』の結果を告げた。

「戦後処理が優先だったため、今日まで、我慢しておりました」

アリマンは、暫し、驚いたように目を見開いた後、静かに笑った。

「――なんと。……律儀な奴だ」

「では、今すぐにでも」

「ああ。……存分に、その力を解き放て」

俺は、静かに目を閉じ、これまで抑え込んでいた熱を、そっと解き放ち、意識が無くなった…。

数日後。

魔王城の広間に、俺は、四大守護者襲名の儀のために、姿を現した。

「――これが」

俺の姿を見て、リアーナが、静かに息を呑んだ。

体は以前よりも一回り大きく、纏う漆黒の魔力は、以前とは比べ物にならないほど、濃密なものへと変わっていた。背に生えた翼は、以前の不格好なものから、鋭く、しなやかな形へと進化を遂げている。

「――試しに」

俺は、静かに翼を広げ、そのまま宙へと舞い上がった。

「――飛べる、のか……!」

ルピンが、驚愕の声を上げた。

「種族特性のようだ。……『飛行』」

俺は、静かに地に降り立ちながら、鑑定結果を口にした。

「もう一つ、興味深い特性も得たようだ」

俺が、静かに意識を集中させると、足元の影から、小さな下級悪魔が、するりと姿を現した。

「――な……!」

「『悪魔支配』。……下級の悪魔を、使役、召喚できる特性らしい」

「サキュバスの擬態や誘惑と、同じ、種族特性ってことね」

ノノが、興味深げに呟いた。

「グレーターデーモンへの進化、見事だ」

アリマンが、満足げに頷いた。

「――四大守護者、ディア。今日より、その名を、正式に襲名せよ」

その宣言に、その場の全員が、静かに頭を垂れた。

「――あのインプが、まさか、ここまで成り上がるとはな」

リアーナが、感慨深げに呟いた。

「まだ、始まったばかりだ」

俺は、静かに、そう答えた。


事故で勇者のスキルを奪うことになった、あの日から。

長い旅路を経て、俺は今、魔王国の中枢に、確かな地位を築いていた。

だが、その心の奥底には、まだ、答えの出ていない謎が、静かに眠り続けている。


そして、まだ見ぬ、この世界の、さらなる真実。

グレーターデーモンへと進化を遂げたディアの物語は、こうして、新たな章の幕開けを迎えるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ