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【悲報】最弱インプ、勇者を事故死させてスキルを強奪してしまう~成り上がり魔王譚~  作者: 下総山中
魔王国で勤務開始、目指せ魔王!!

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第37話 王都陥落と『業火』

――ドガァァァァァァァンッ!!!

大地そのものが、震えた。

「――な……!?」

俺は、思わず言葉を失った。

地面が、隆起するように大きく波打ち、王都の中心部が、まるで内側から引き裂かれるように崩壊していく。

「こ、これ……! 想定より、遥かに威力が大きすぎる……!」

ノノが、悲鳴のような声を上げた。

鍾乳洞に溜め込んだ水素と魔素の混合気体は、俺たちの予想を遥かに超える規模で連鎖反応を起こし、地下から王都全体を突き上げていた。

「うわああああっ……!」

「王都が……! 王都が、沈んでいくぞ……!」

遠くから、逃げ惑う人々の悲鳴が響き渡る。

主要施設どころか、街全体が、轟音と共に、地盤ごと沈み込んでいった。

「――ちょ、これ、やりすぎじゃない……!?」

ノノが、呆然と、崩壊していく街並みを見つめる。

「……こんなに、なるとは」

メメも、両手で口元を覆いながら、言葉を失っていた。

「――さすがのボクも、これは、ちょっとびっくりー……」

黄色い妖精でさえ、目を丸くして、その光景を見つめていた。

「――俺の想定の、何十倍もの威力だ……」

俺自身、この結果には、言葉を失っていた。

(――鍾乳洞の空洞そのものが、想像以上に大きかったのか。それとも、魔素と水素の相性が、予想以上に良すぎたのか)

理由の分析は、後でいくらでもできる。だが、目の前の光景は、あまりにも圧倒的だった。

主要施設を無力化する、という当初の狙いを遥かに超え、王都そのものが、丸ごと地に沈んでいた。

「――逃げ遅れた人は……!」

メメが、青ざめた顔で呟いた。

「――蘇生の理がある。……死んでも、十日以内なら」

俺は、静かに答えた。だが、その声には、僅かな罪悪感が滲んでいた。

(――建物の破壊が目的だった。人死には、最小限にするつもりだった)

結果として、意図せぬ大量の犠牲を生んでしまったことは、否めない事実だった。

「――行くぞ。ここに長居はできない」

俺は、静かに仲間たちを促した。

「任務は、完遂した。……想定を、遥かに超える形で、な」

崩壊していく王都を背に、俺たちは、静かに撤退の道を辿った。

「――ディア」

しばらく無言で歩いていたルピンが、静かに口を開いた。

「今回のことは、お前のせいじゃない。……戦の道具として、俺たちは、あくまで最善を尽くしただけだ」

「……分かってる」

「分かってるなら、いい」

俺は、静かに頷きながら、遠く、砂塵の向こうに沈みゆく王都を、一度だけ振り返った。

(――この光景は、忘れない)

その胸の内には、任務達成の安堵と、抑えきれない重い感情が、複雑に絡み合っていた。

こうして、人族の心臓部――王都は、想定を大きく超える規模で、陥落した。

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