↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『剣なし部隊の英雄譚―――無敗の剣士ですが、自分では平凡な剣士だと思っています。』  作者: 檜浅利
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
8/17

八話『ゴミはゴミ箱へ』


――――ちょおっっっと待ったあぁぁぁっっ!!!


さっきまで一緒に卓を囲んでいた連中が、

一斉に声を張り上げた。


(……いや、うるさっっ)


「ネーアさんに手を出そうなんて不届き者め!

……いや、こいつ不届き者だったわ」

「そうだそうだ!俺らの『ネーアさんをそっと見守る会』の紳士協定を破るなんて!

……いや、こいつ別に会員じゃねえか」

「……ゴミなんだな。ゴズじゃなくて」


三人が口々にまくし立てる。


……最後のヤツだけヒドくねえ?


「そーだ、そーだ!」

周りの野次馬からも三人の“勇者”へ歓声が上がる。


つられて俺も、

「そーだ!やっちまえー!」

とか言ってみる。


「……ハッ!じゃあてめぇらがやるってぇのかい?」


ゴズがギロリと三人を睨む。


……あ、隠れた。


しかも俺の後ろに。


「……ふ、ふんっ! やっちまいな兄ちゃん!」

「……そうだそうだ! やっちまえ兄ちゃん!」

「……ゴミはゴミ箱へ、なんだな」


三人が俺をずりずりと前へ押し出してくる。


(……え? 俺??)


「ハッ!なんだぁ?てめぇがオレの相手ってか?」


ゴズが見下すように俺を見てくる。


……違います。やりません。


「……ハッ!まあ誰でもいい。金さえ持ってりゃあな」


「……金なら持ってるな、アイツ」

「……さっき俺らからだいぶ巻き上げてたしな」

「……ゴミなんだな」


(いや!売るなよ友達を!

……いや、別にそこまで親しくないか)


いつもカモってるだけだもんなあ……。


「……ハッ! おら、さっさと座れやガキ」


ゴズはそう言って目の前のテーブルを指す。


(……はぁ…)


不運だ。



◇◇◇◇◇◇


「―――ルールはさっきと同じだ。

オレが勝ったら……てめぇは有り金全部置いてけや」


ゴズはそう言って度数の高いラム酒をテーブルにドンっと置いた。


……うーむ。


(あの酒苦手なんだよなぁ……)


やっぱ飲むならキンキンに冷えたエールに限るよね!


そう思いながら、さっきマスターに頼んだジョッキを手に取る


「あいにく俺はコレしか飲まないんでね……」


そう言ってジョッキに口をつける。


「……ハッ! なんだぁ? ビビっちまってんのか?」


カッカッカッ、とゴズが嘲るように笑う。


「酒も飲めねぇでオレとやり合おうなんざ、

なんだぁ?今日はこんなヒヨッこしかいねぇのか!」


「おいおい聞いたか?エールしか飲めねぇんだとよ」

「手ぇ震えてんぞ兄ちゃん」

「ママのお乳でも飲んで帰んな、坊や」


周りの手下たちもゴズの笑いに乗って囃し立てる。


(……いや、別に好きじゃないってだけなんだけどね)


べ、別に前に酒で失敗したとか!

そういうんじゃないし……。


「ふぅ……」


俺は一息つく。


「勝負は……そうだな。一回だけ」


指を一本立てて見せる。


「掛け金は……まあ、これぐらいでいいか」


そう言って、ポケットから金を適当にテーブルへ放る。


……さっき賭けでアイツらから巻き上げた分だけど。

それでもかなりの額だ。


「……ほぅ。まぁ悪くねぇな」


ゴズはチップとして置かれたそれらを見やる。


「それで? てめぇが勝ったらどうする?」


「……俺が勝ったら、そうだな」


俺はさっきの剣を指差す。


「その剣と……それと、さっきの子の飲み代ぐらいは払ってもらおうか」


さっきの子が無銭飲食になっちゃうしね。


「……ハッ!

まぁいい。勝負としちゃあ物足りねぇが……」


ゴズはニヤリと笑う。


「掛け金としちゃあ、十分だ」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。