十二話『試験結果』
――――コンコン。
「しつれいしまぁ~す!」
『団長室』と書かれた扉が、
そんなのんきな声と共に開かれる。
……そんな気軽に入っていい部屋じゃないんだろうなあ、多分。
「グラン団長~。
ハクさんをお連れしましたぁ!」
オキシーさんはいつもこんな感じなのだろう、多分。
団長に報告へ行くとは聞いていたけど、
実際にその場になると話は別だ。
(……き、緊張するぅ……)
「入れ。
…といっても、既に入ってきてるな」
机の向こうで、
グラン団長が深くため息をつく。
「まったく、お前たちは……」
そう言って、呆れたように額へ手を当てた。
「し、失礼しますっ!」
僕は背筋を伸ばし、
緊張しながら団長の机の前へ進んだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「――――さて。
ハク・ヒュロン」
団長が、僕を見る。
「は、はいっ!」
……凄い威圧感だ。
(これが、原初十三騎士団の団長……)
思わず、少し視線が泳ぐ。
部屋の中には、オキシーさんと――
もう一人。
(……あれは、さっきの……)
「―――まずは試験、ご苦労だった。
……“そこ”のが、気絶までさせて悪かったな」
団長はそう言って、
黒髪の剣士へ視線を向ける。
黒髪の剣士は、
口笛を吹きながら窓の方へ顔を背けた。
「……さて、試験の結果だが……」
―――きた。
……いや、でも僕、あっさり負けちゃったし?
『瞬泡』も、普通に避けられちゃったし?
しかも最後、
気絶までしちゃってるし……。
(……はあ。
何のために、わざわざ王都まで来たんだろ……)
「―――お前には、コイツの第13部隊に入ってもらおうと思う」
「…………へ?」
団長は親指で黒髪の剣士の方を指す。
「―――ん」
外を見ていた黒髪の剣士が、
「よっこいしょ」と、
そんな気の抜けた声と共に立ち上がる。
「――――ようこそ、我が第13部隊へ!」
ニカッ――と、
黒髪の剣士は歯を見せてそう言った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
――――窓の外をぼーっと眺めながら、クロノは思う。
(……新人、か。)
めんどくさいな……。
……お腹も空いたな。
―――そういえば。
朝の模擬戦からバタバタしてて、
昼飯、食べ損ねてた…。
(……あとで、オキシーに何か作ってもらおう。)
「……よっこいしょ」
俺はひとまず、
目の前の面倒ごと――もとい、新人に向き合うことにした。
「ようこそ、我が第13部隊へ!」
こういうのは第一印象が肝心って、昔セリに言われたっけ。
ここは俺の爽やかスマイルを浮かべておこう。
―――ニカッ!




