第八話 餓鬼の洞窟
洞窟内に水滴が落ちる音が響いて聞こえる。
しかし、静かな場所だなー。どこなんだ。そもそも、何処か分からない場所から、また分からない所へ連れて来られたから、余計に分からない。ずっと、どこなんだよ、、
毎回、毎回、何処なのか考えなきゃ、いけねえの流石にしんどいぞ?そろそろ、何処かにベンチマークが欲しい所だ。
段々とイライラが募ってくる。
「だあー!急に異世界来たと思ったら、でっけえ猪に襲われるわ、ゴリラアームのスライムに殴られるわ、飛び込んだ川の水飲んだら毒で気絶するわ、気が付いたら洞窟にいましたって?どんなクソゲーだよ、ハードモードすぎるだろ!!!」
バシッと、手で何もない空間にツッコミを入れる。乾いた音がぱしんと響く。
叫んだ声がこだまのように、反響した。
「しっかし、本当に人がこんな所に住んでるのか?」
段々と、疑心暗鬼になってくる。家具と呼べるものもなければ、訳のわからない残骸ばかり。おまけに強烈な臭さを放っている。
挙げ句の果てに俺は気絶したまま、この地面に寝転がされていた訳だ。
人間にしちゃあ、雑すぎねえか?
憶測は当たっていた。
そう、ここは餓鬼の棲家であり、食糧を保管する役割と食事をするスペースを兼ねている部屋だ。洞窟内はやたらと広く、各部屋に役割を持たせていた。
「誰かああ!誰かいねぇのか?」
大声で叫んで、人を呼んでみるもその気配はない。流石の俺も、痺れを切らしたため、この洞窟内を探検することにした。
そんじゃあ、冒険の続きといきますか、、
やたら暗い洞窟内を透視で確認しながら、人がいないから確認していく。
ただ暗い空間だけしか、俺の目には映らない。
ピチャン、ピチャンと水滴が落ちている音が聞こえる。少し進んだ先に、松明が壁にかけられて、照明の代わりとして機能していた。
均等に配置されていることから、明確にこの洞窟内の通路を照らすためにやっていると推測できた。
やっぱ、誰かがここに住んでいるんだろうな。
にしても、広い。数ジュウメートルは歩いたが、魔物とも出会っていない。
こんだけ、歩いたら何かしら出会うだろ、フツーはよ。
すると、洞窟内が少し開けて、土で囲われたその中央にドアのようなものが取り付けられているのが目に見えた。
ビンゴ!!やっぱ、人が作ったんじゃねえの?これはよお。いやー、やっと人と出会えると、思った矢先。
ドアの向こうで何やら音が聞こえた。
ーーピチュ、ジュバ、グジュっジュぷ
な、何だ?洞窟内の水滴の音でもないし、透視でドアの先を見ようとするが、何やら魔物らしきものが蠢いているのが分かったが、そこまではっきりとは見えなかった。そーっとドアを開けて、中の様子でもみるか。
ドアノブに手をかけ、扉を数ミリ開けて隙間から、中の様子を見た。
ーー!?
それは凄惨な現場であった。餓鬼共が人間の女を弄んでいる。女は上半身と下半身が半分に切断され、地面は血液に塗れている。そして餓鬼共が陵辱しながら、肉を噛み砕き、食している様子だった。
最悪だ、途端に異世界の現実を付けつけられた、俺は吐き気を催す。
「おっ、おええええええっ!」
し、しまった。こっちの存在がバレてしまう。
案の定、餓鬼共は動きを止めてこちらを見た。
そして、扉の隙間から覗かせた俺の顔と、一匹の餓鬼の目が合ってしまう
「ギャギャッ!!!」
やってしまった、くそ、また魔物と出くわすなんて、というか、こいつら俺もあの女の人みたいに食べようとしていたのか
くそ、やってやる!
ドアを蹴って、餓鬼共の目の前に立つ。小柄な魔物だが油断は禁物だ。複数体を相手にするのは柔じゃない。
だが、俺だってこれまでの経験から、今の俺に出来ることを分かって、戦えることを見込んで乗り込んだのだ。
それに、切断された女の人をそのままにするのも見過ごせねえ。人間様を侮辱したことを後悔させてやる。
「ギャッ!!」
下半身側にいた、一体が俺に飛び掛かってきた。俺は、半身になり避ける。スライムほどの速さではない。むしろ、あのスライムが異常すぎたのだろう。餓鬼の動きが遅く感じた。
ここまで、お読み下さりありがとうございます。評価して下さるととても嬉しいです!
【面白い!】★四つか五つ
【まあまあじゃね】★三つ
【いまいち】★一つか二つ




