81 もう気付いた
翠夢の森の小屋で、ドレスのコーディネートに夢中なおばあちゃんや女王様たちはさて置き、私は迷宮都市のカフェへと繋がる扉をくぐった。そして、屋外席のテーブルやカウンターの掃除を始める。
シルヴィアさんのドレス制作をお手伝いするために一ヶ月ほど休業していたから、店内にはすっかり埃が溜まっていた。カフェの周囲に植えたお花も枯れ始めていたけれど、精霊さんの話によれば、水をあげれば明日にはすぐ元通りになるらしい。
「枯れ始めているのに、本当に明日で綺麗に戻るの?これも精霊さんのメニューの力……確か『げーむしよう』の畑の力だっけ」
掃除を終える頃には、ちょうどお昼時になっていた。サクラリアたちは相変わらずおばあちゃんの着せ替え人形状態になっているから、カフェの再開のために、簡単に作れるパンケーキの生地を練り始めることにする。
生地さえ作っておけば焼き上がるのは早い。果物は翠夢の森の畑で採れた新鮮なものをすぐに用意できるし、今日からでもカフェの営業を再開できそうだった。
その後、みんなで一緒にお昼ご飯を済ませたけれど、案の定おばあちゃんたちは着せ替えごっこを再開してしまった。……おばあちゃんたちが心底楽しそうにしているから、邪魔をせずそっとしておくことにする。
開店までにまだ少し時間があったので、私は一人で商業ギルドへと向かい、お得意様たちに今日からカフェを再開すると挨拶して回った。
サクラリアがいつも隣にいるから、こうして一人で行動するのはずいぶん久しぶりだ。ふと一人になると、これまでの出来事が頭をよぎる。
(数ヶ月前の私なら、今みたいにお金の心配もせず、冬の寒さに怯えずに眠れるなんて想像もつかなかったわ。毎日温かいお風呂に入れて、趣味のためだけに自分のお店を持てるなんて……本当に、精霊さんたちにはいくら感謝しても足りないくらい)
それに、お父さんであるエドガーのことも、完全に心が吹っ切れていた。
(あんな黒い魔力を纏った人なんて、こちらから関わりたくもないわ。それに、あの人は私の知っているお父様ではない……『ゼノヴィウス』という見知らぬ人なのだから)
各ギルドのお得意様への挨拶を済ませ、カフェに戻ってカウンターに腰掛けると、正式に営業を再開した。
一ヶ月ぶりに戻ってきた大切な日常。少し懐かしく、そして私はこの温かな生活が大好きだった。……まあ、お金の心配が要らない生活なら、誰だって好きになるに決まっているのだけれど。
(あ、そういえば……私のカフェが欲しくて、わざわざ男の人を雇って私を口説き落とそうとしていた商会の件、まだ解決していなかったわね。まあいいわ、本当に来たら普通のお客様として接して、営業の邪魔をするなら外に放り投げるだけだし)
開店早々、商業ギルドのハンナさんが同僚の方々を連れてさっそくやってきた。
「セリーナ~! やっと戻ってきましたのね、良かったわ~!」
「いらっしゃいませ、皆様。少し本業の都合でお店を離れていただけでございます。私自身、今の生活をとても気に入っていますから、このカフェはずっと続けますよ」
「今日はケーキではないのね……まあ、パンケーキも美味しいから良いのだけれど」
「申し訳ありません、私も今朝戻ってきたばかりで……明日は土曜日でお休みですので、月曜日にはケーキを焼き上げますね」
「はぁ〜……月曜日はケーキの争奪戦になりそうですわね」
「大袈裟ですよ。ではお詫びに、パンケーキのクリームの上に試作品の金平糖を乗せてお出ししますね」
「新しいお菓子!? ありがとう~! じゃあ、みんなで注文するわね!」
私は注文を受け、人数分のパンケーキを手際よく焼き上げると、たっぷりの生クリームの上に色鮮やかな金平糖を散らした。
それらをハンナさんたちに配り終えた頃、今度は冒険者ギルドのギルド長夫人――あの妖艶で美しい女性がお店を訪れた。
「いらっしゃいませ、ギルド長のお奥様」
彼女が私へ向けて微笑んでくれたので、私も丁寧にあいさつを返す。
「私のことはスカーレットで良いわよ、セリーナ。無事に戻ってきたのね、私や受付嬢たちもずっと首を長くして待っていたのよ」
「はい、お仕事で少し遠出をしておりました」
「そうだったの……今日はパンケーキね。ふふ、ハンナさんたちと同じものを頂戴かしら」
「ありがとうございます。少々お待ちくださいね」
出来上がったパンケーキを差し出すと、スカーレットさんはクリームの上の可愛らしい粒に興味を示した。
「あら、クリームの上に乗っている、このトゲトゲした可愛らしい粒は何かしら?」
「試作品の『金平糖』というお菓子です」
「面白い形……あ、そうだわセリーナ。あなたの彼氏、先週もまた別の女冒険者たちから告白されていたわよ。しっかり手綱を握っておかないと危ないわよ?」
(こく? たづな……? え、告白……?)
私がぽかんと首を傾げていると、スカーレットさんは上品にパンケーキを一口呑み込み、分かりやすく噛み砕いて説明してくれた。
「あら、セリーナの彼氏ってあのレオンでしょう? 先週、彼が任務を終えて迷宮都市に戻ってきた途端、すぐに他の女冒険者から告白されていたのよ」
チクッ……。
(あれ……? なんだか、嫌な気持ち……胸が苦しい……)
隣のテーブルに座っていたハンナさんが、すぐに会話に割り込んできた。
「あ〜! 『新星のダリオン』と『漆黒のレオン』ですね! 武闘祭で観客を逃がすために、二人だけで魔剣使いを相手取ったっていうあの二人! この間も枯れかけていたクリスタルツリーを蘇らせたらしくて、人気がうなぎ登りですものね。二人とも格好いいですよ!」
(え? どうして私とレオンさんが付き合っているなんて噂になっているの!? それに、レオンさんってそんなに人気が高かったの……? すごい……)
私は慌てて「彼氏」という単語を否定した。
「い、いいえ! 違いますわ! 私とレオンさんはただのお友達で……っ」
すると、今度はスカーレットさんが心底驚いたような顔を見せた。
「あら、貴女たち付き合っていなかったの……? レオンはこのお店の出資者でしょう?」
「え!? それも初耳ですけれど……一体どういうことです!?」
商業ギルドのハンナさんがすぐに状況を補足してくれる。
「えっ!? セリーナ、何も聞いていなかったの!? この間、カフェ目当てでセリーナを口説き落とそうとする質の悪い商会が出ただろう? 先週レオンが迷宮都市に戻ってきた時、わざわざ商業ギルドに怒鳴り込んできてクレームを入れたのよ。周りの商人たちに聞こえるように『俺が出資したカフェに手を出した商会がいるらしいな。今後あの店に用があるなら俺を通せ! 店長に迷惑をかけるな!』って威嚇していたわ。……セリーナ、さっきうちのギルドに行った時、怪しい男たちは寄ってこなかったでしょう?」
「え……? そう言われてみれば、誰も近付いてきませんでしたけれど……」
(私、そんな話一度も聞いたことがないわ……。レオンさんが出資したなんて、本当なの……?)
スカーレットさんが横からくすくすと笑いながら口を挟む。
「まぁ~あのレオンが出資なんてするわけないでしょう。どうせ、商会の男たちがカフェ目当てでセリーナを口説き落とすのが嫉妬で我慢できなくて、ハッタリをかましたのよ」
「ですよね~~! 書類にもレオンの名前なんて書いてありませんでしたもの!」
私が混乱していると、常連客の皆様は顔を覗き込み、なぜかニヤニヤとした意味深な笑みを浮かべ始めた。ハンナさんの同僚の方が、少しわざとらしいトーンで会話を弾ませる。
「へぇ〜! レオンがセリーナちゃんと付き合っていないなら、ステラにもチャンスがあるってことね!」
「いやいや、ないでしょう! レオンは毎晩ここでセリーナちゃんと一緒に夕飯を食べているのよ? あの子が入り込む隙なんてないわ」
「でもダリオンもレオンも超優良物件だもの〜! 私も試しにお食事にでも誘ってみようかしら〜?」
そう言った同僚の女性は目を細め、明らかに私の反応を楽しんでいる様子だった。
ズキン……っ。
(何故かしら……また胸が締め付けられる……)
レオンさんは以前、毎晩のようにここで一緒に夕飯を食べていた。食事をしながら彼の冒険の話を聞くのが、楽しかったか。
昨夜のパーティーで一緒にダンスを踊ったのも楽しかった。彼の胸に顔をうずめた時、伝わってきた体温はとても温かくて……なんだか、すごく安心できた。
ダリオンさんの口からレオンさんの私に対する気持ちを聞いた時も、恥ずかしかったけれど……本当はすごく嬉しかったのだ。
(もし……レオンさんが、他の女の子と一緒になってしまったら……!)
「だめっ!!」
私は思わず、自分でも驚くほどの大きな声で叫んでしまっていた。ハッとなって両手で口を塞ぐ。
(いけない! お客様相手にこんな声を……っ!)
けれど常連客の皆様は怒るどころか、ニヤニヤとした笑みを深めて温かく私を見つめていた。
「あらあら〜、セリーナちゃん! 顔が真っ赤よ? 『ダメ』って何がダメなのかしら〜?」
「初々しいわねぇ」
「ステラには気の毒だけど、また別の運命の人を探してもらうしかないわね」
「あの子なら明日には『新しい運命の人を見つけたわ!』って言ってそうだけど!」
見かねたスカーレットさんが「からかうのはそれくらいにしてあげなさい」と宥めてくださり、ハンナさんたちも「は〜い」と軽返事をしてパンケーキに意識を戻した。
自分の顔が熱く火照っていくのを感じて、私は身を縮こまらせた。
(恥ずかしい……っ! これも全部、レオンさんのせいです……っ!)
あまりの恥ずかしさに私はそのままカウンターの裏へ隠れ、必死に乱れた息と気持ちを整えようとした。
その時、なぜか昨夜のパーティーでタピオカさんが話していた言葉が頭の中に蘇ってきた。
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サクラリア:タピオカ様、その男女の間の“愛”とは何なのですか?
サクラリア:わたくしくはお母様やセリーナ、精霊様たちのことが大好きですが、それとは違うのですか?
『そうですね。それは“恋”とは違って、サクラリアのそれは家族や友人への愛……相手の幸せを願う気持ち、かな』
サクラリア:う~ん、男女の間の“恋”……よく分かりませんわ。
サクラリア:家族や友人への愛とは、どうやって区別するのですか?
『妖精が恋をするかどうかは私もよく分からないから、後で女王様に聞いてみた方がいいわよ。でも、人間の異性への“恋”と、友人や家族への“愛”の区別なら割と簡単です。もし相手が他の誰かと結婚したらすごく嫌な気持ちになること……相手を独占したい、ずっと自分だけを見てほしいと思う気持ちがあれば、それはもう相手に“恋”をしているのよ』
サクラリア:なるほど……よく分かりませんが、わかりましたわ!
サクラリア:わたくしはセリーナを幸せにしたいですし、これは家族への愛ですね!
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昨夜、レオンさんの私への想いを知った時も、彼の気持ちにどう返事をすべきか分からず混乱していただけだった。だから、あの時のタピオカさんの言葉を深く考えてはいなかった。
でも、先ほど彼が先週他の女冒険者から告白されたと聞かされた途端、耐えがたいほどの嫌悪感を抱いた。商業ギルドにまで彼のことを好きな女の子がいると知って、すごく嫌だった。
もし、彼がもう夜ここに来なくなって、他の女の子と一緒に夕飯を食べるようになったとしたら――。
キュッ……と、胸が苦しくなる。
常連客の皆様のからかいによって、私はついに自分自身の心の中にある「レオンさんへの恋心」を自覚してしまったのだ。
(そうだったのですね……。お父様とお母様もこんな気持ちで、ずっと一緒にいたいからこそ貴族の身分も仕事も捨てて、伯爵領から遠く離れたガンド村まで逃げてきたのですね……)
自分の気持ちに気づいた瞬間、なぜか今すぐ無性にレオンさんに会いたくなった。
(大丈夫……彼も今日、王都から迷宮都市に戻ってくるはず。昨夜ダンスが終わった後、『では……またカフェで』って言ってくれたもの……)
私は深く息を吐き出し、パニックになりそうな気持ちを必死に静めようとした。
だけど、一度自覚してしまった恋心はどうにもならなかった。顔に熱がこもったまま心臓の鼓動がうるさく鳴り響き、それから夕方までの記憶はほとんど残っていない。
頭の中にはずっとレオンさんの顔が浮かんでしまう……そんなふわふわとした夢心地のまま、気付けば閉店時間を迎えていた。
ふと我に返ると、おばあちゃんの「女王様のお着替えごっこ」もようやく一段落したようだった。サクラリアはいつもと違う愛らしいドレス姿で私の元へ戻り、クラリス夫人も満足そうな顔でカウンターで呆然とする私に声をかけてくれた。
「……セリーナ? セリーナ、どうしたの? もう夕方よ、そろそろお店を閉めましょう」
おばあちゃんに声をかけられ、私は慌てて熱を持つ頬を両手で押さえた。
恋に気づいてしまった衝撃のせいで、あっという間に一日が終わってしまった。火照った顔を隠すようにして、私はそそくさとお店の片付けを進めた。
そんな様子を見たおばあちゃんが「夕飯を作りましょうか」と申し出てくれたけれど、昨日は聖女様からの依頼を無事に達成したから。お祝いとして、私は精霊さんがメニューで作成してくれた、初めて不死鳥を周回した時に食べた最高に美味しい料理を冷蔵庫から取り出し、おばあちゃんにご馳走することにした。
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【珍味豊かな高級定食】
継続時間:60分
再使用時間:30分
・攻撃力15%アップ
・クリティカル10%アップ
・最大HP20%アップ
・バックアタックダメージ15%アップ
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おばあちゃんがコーディネートした衣装に着替えた妖精の女王様は、以前より若々しく洗練され、サクラリアのお母様というよりは「美しきお姉様」のように見えた。女王様もおばあちゃんとすっかり意気投合しているから、おばあちゃんがここに滞在する二週間も心配はいらなさそうだった。
【珍味豊かな高級定食】を取り出し、テーブルの上に豪華に並べると、おばあちゃんが目を見開いて驚いていた。
「わたくしも昔は王宮で働いていたけれど……こんな豪華なお料理、他国の王をおもてなしする時でもなければ見たことがないわ。本当にいただいても良いの……?」
「大丈夫です! これはすべて精霊様が作ってくださったものですから、遠慮なく召し上がってください、おばあちゃん!」
一方、女王エルナ様のお側では、控えていた妖精メイドさんたちが手際よく動き始めていた。人間用の大きな料理を小さく切り分け、手乗りサイズの可愛いお皿に盛り付けて女王様へと捧げている。
『これはこれは……精霊殿の作られた最上級の定食ではないか! 美味いぞ! セリーナの祖母――メストリスがここに暮らす祝いか?』
「はい! おばあちゃんがしばらく一緒に住むため、そして大きな依頼を達成したお祝いですわ。たくさんの量がありますから、妖精メイドの皆様もどうぞ召し上がってくださいね」
『しかしセリーナよ、この量では妾のメイドたちを加えても食べ切れぬぞ。騎士たちも呼んで良いかい?』
「ふふ、実はもともと妖精騎士の皆様や、翠夢の森の畑を手伝ってくれている皆様も呼ぶつもりだったのです。以前この定食を食べた時も、かなり余ってしまいましたから」
『畑のことなど気にせずとも良いものを……精霊殿の畑で育つ作物の半分は妾たちが食べているのだからな』
「皆様もサクラリアと私の大切なご友人です」
女王エルナ様は優しく微笑み、深く頷いてくださった。
『……分かった。あの子たちも呼ぶとしよう。感謝するぞ、セリーナ』
女王様がすぐ隣の妖精メイドに言いつけると、瞬く間に妖精騎士や畑担当の妖精たちが呼び集められた。
間もなくして部屋中にたくさんの妖精たちが集まり、賑やかなおばあちゃんの歓迎宴会が始まった。
無数の妖精に囲まれながらも、おばあちゃんは物怖じすることなく即座にその場に馴染んでいた。流石は一流のお店を仕切ってきた「できる女性」である。
昨夜の退屈な王宮のパーティーとは違い、この温かな宴では誰もが終始笑顔を浮かべ、楽しい時間を共有した。約1時間後、もちろん、全員のお腹はパンパンに満たされていた。
この高級定食は約五人前だけれど、私とおばあちゃん二人だけでは三分の一も食べ切れない。たくさんの妖精たちを招いたけれど、それでもまだ三分の一ほどが余っていた。
お腹いっぱいになった妖精騎士や畑担当の妖精たちの半数は、満足そうに翠夢の森の妖精の国へと帰っていった。残りの半数は、気ままに室内を飛び回りながら楽しそうに踊っている。
その時だった。
コン コン
カフェ側の扉から、静かなノックの音が響いた。
私の心臓が、跳ね上がるようにドクンと鳴る。
おばあちゃんはそんな私の様子を見逃さず、すぐさま反応した。
「あら、こんな時間にどなたかしら……? セリーナ、どうしたの? そんなにソワソワして」
「あ、え!? い、いいえ! 大丈夫です! 私が出てきますので、おばあちゃんはハーブティーでも飲んでいてください!」
ノックの主に心当たりのあるサクラリアは、女王様の隣で楽しそうに提案してきた。
『セリーナ、きっとレオンさんですわ! ちょうど良かったですわね。定食もまだ残っていますし、彼をお夕飯に誘ってみてはいかがですか?』
おばあちゃんと女王エルナ様が、示し合わせたように意味深な微笑みを浮かべる。そして動揺する私をよそに、おばあちゃんがすぐに声を張った。
「ほう……セリーナ、早くノックに応えてあげなさい」
「あ、はいっ!」
私の方へ飛んでいこうとしたサクラリアだったけれど、すかさず女王様に首根っこを掴まれ、そのまま女王様の元へと連れ戻されていた。
翠夢の森の小屋から迷宮都市のカフェへと繋がる開け放たれた扉をくぐり、玄関の前に立つ。私は前髪をそっと整え、大きく深呼吸をした。
(すぅー……はぁー……っ。平常心、平常心……!)
しっかりと心の準備を整え、私は静かに扉を開けたのだった。




