50話 いざ!施設内へ
日共水の能力により、快調に進む日奈、廉、日共水の三人は入り口のゲートに阻まれていた。重厚なゲートには門番はおらず、インターフォン越しで交渉をしている。
「だから、何度も言ってるだろ。俺たちは申請をして来てるんだ。不法侵入じゃない」
「すみませんが、こちらも確認が取れていないので通すことができません」
応答するスタッフは頑なに三人を通してはくれない。
「上の奴を呼べよぉ!あぁん?つっかえねぇなぁ」
「なんなんだこの人たちは入れませんったら入れま…」
「何か問題か?」
「そ、総司令!?」
インターフォン越しにスタッフが焦っているのが分かる。上司に見つかってしまったらしい。
「ーーー!ー!ーー。」
ものすごい説教が聞こえる。
「君たち、そこで待っていなさい」
なんと、総司令と呼ばれる人物が直々にゲートへと来ることになり、声からして熟年の男性ということだけ分かった。
「良かった、話の通じる人が出てきて。でも、ちょっと怖い」
「そうだな、だけど、あのままじゃ埒が明かなかったしな」
「やっと中に入れるぜ!」
ーウィィーン
すると、重厚なゲートが軽快に開いて、軍服を着こなした背の高い中高年男性が出てきた。ちょび髭を生やしていて、いかにも偉そうなおじさんだ。
「お待たせ致したな。私は保護監視施設役員、又の名を辺境守護者の総司令を務める集致収群というものだ。童が何度も聞いたようだが、あなた方は?」
威厳のある自己紹介を終えた集致は、三人の目をじっくりと見ながら問いかける。
「あたっ、私達は国認総合社から調査の依頼で来まっ、参りました、日比谷日奈です」
いつも気の強い日奈であっても先程の説教を聞いてしまえば、口調すら正してしまう、そんな雰囲気を醸し出す集致。
「そうか。であれば、私の部下の無礼を詫びよう。本当にあの童はミスを繰り返すのだから…はぁ」
「…いえいえ。お、お気になさらず」
集致はため息をついて頭に手を当てている。その呆れ顔から日頃の大変さが垣間見えた。
「日比谷さん、そんなに畏まらないでくれたまえ。私も自然体でいてくれた方が落ち着くのでな」
和解し合ってからは、集致もまるで孫に対するおじいちゃんみたいになり、優しさに溢れる印象へと変わった。
「分かりました」
「若造どもからは何もないのかね?」
また、雰囲気が戻り、男二人に詰め寄る。
「俺は廉。日奈の付き添いだ」
「二人の仲間だ!以上」
廉はいつも通りの挨拶をし、日共水は正直なことを言って疑われるのもアレなので、大雑把に答えている。
「生意気な若造どもだ。まぁいい、今から施設を案内しよう。ついてきなさい」
やはりそうだ。この集致という男は女子に贔屓をする性格だった。日奈と男達の対応を見れば歴然だ。
「…」
そんなこんなでやっと保護監視施設へ正式に入ることができたのだった。
人物紹介
・岡田廉
黒髪でガタイのよい男子。基本的に敬語は使わない。能力〈拳〉
・日比谷日奈
気の強い灰色髪のショートヘア女子。会って間もないが集致に好かれている。能力〈太陽〉
・日共水
派手な髪型の男。保護監視施設に行く明確な目的は不明。能力〈爆〉
・集致収群
保護監視施設の総司令を務めるおじさん。日奈に優しいのは女の子の孫がいるかららしい。能力〈?〉




