4話 裏門での怪事件
「…では解散!」
集会が終わり、退屈な時間から解き放たれた女子たちがここにいる。
「やっと終わったね!日奈!」
うー!と言いながら伸びをしている茶髪の女子が話しかけている。
「やっとって程長くなかったけど…」
ショートヘアで灰色の髪の日奈と呼ばれる女子は退屈していなかったらしい。
「いいの!ねぇ喉乾いたから、裏門のとこにある自販機行きたーい」
「いいよ、いこう」
体育館から離れたところにあるので、日奈は足早に歩き出す。
「はやーい!まってぇー」
「最近仕事はどうよぉ?」
「なんで変な話し方するの?」
「いやーなんとなく、で?で?」
「順調だよ」
「ふーん。あれっ?あの人、なんでもうここにいるんだろう?」
自販機の隣のベンチに腰をかける根暗な印象だが、がたいのよい男子だ。
コーヒーを飲んでいる。
それは好きなのか、それとも格好をつけているだけなのか日奈は少し気になった。
「…」
「おーい?何飲みたいの!」
「…」
「むっ」
ーコツン
爪のあたる音が響く。
「いたっ。デコピンしなくてもいいでしょ」
「あれぇ?能力持ちは体が頑丈なんじゃなかったけ?」
「あんたも持ってるから意味ないのよ!」
ーカツン
先程よりも甲高く響く。
「あてっ、もうそんな事する人は、コーヒーの刑です!」
実際コーヒーを飲もうとしていたので、結果オーライだ。
そして、まさかこれから恐ろしい事が起こるなんて、日奈たちは思いもしない。
「ねぇ、あの人やばくない?てか人?」
門越しに、身体中に斧を纏った人型の何かが、学校を見つめていた。
「和波は私の後ろに下がって」
斧人間から目を離さず、警戒する日奈。
その刹那、ものすごい勢いで駆け出してくる。
すかさず、日奈も剣を出し応戦体制に入る。
そうしたら、突如横から黒い影が見え、
「ぐはッ」
なんと、ベンチに座っていた男子が体を少し膨張させ、とても重い拳を斧人間にぶつけていた。
「早く逃げたほうがいい」
そう声をかけながら、男子生徒は10メール程まで飛ばした斧人間に向かって構えている。斧人間が立ちあがろうとしていると、拳に力を2、3秒込めて解放する。
「ぎはッ」
「…全く効いている様には見えない、だから行け!」
「いや…でも、あなたは…」
「あはは、いやー君たち大丈夫かい?」
「?」
すると、誰も面識のないおかしな教員が頭を掻きながら走ってきた。
「はーい、こっからは僕に任せてね!」
そう言って、斧人間を何かで縛りあげ、学校の外へ走っていく。3人はただ立ち尽くすしか出来なかった。
「まずいっ!」
男子生徒が門周辺を見渡したが誰の人影もなかった。
「ねぇ、あんた強いのね。私と一緒に働かない?」
「……断る」
そうして、男子生徒は校舎へ歩き始めた。
「…ちょっと待ちなさいよ!じゃあ名前だけでも教えて。」
「……岡田廉」
立ち止まりそう答えると、もう行ってしまった。
「もしやもしや、あれだけで好きになっちゃったのかな?」
「そ、そんなんじゃないから!」
「そういう事にしと、いったぃ!」
「置いてくよ!」
「待ってぇ〜」
ただ、気になるだけからと心に思いながら顔を赤らめる日奈であった。
人物紹介
・日奈
灰色ショートヘアの気の強い高校2年生。和波とは幼なじみ。働いているためお金に困ったことはない。能力〈?〉
・和波
友達にはとても馴れ馴れしい茶髪の女の子。日奈とは幼なじみ。能力〈?〉
・岡田廉
暗めな印象な黒髪の男子。高校2年生になって友達と呼べる人は皆無。能力〈?〉
・斧人間
何故そこにいたのか、何をしたいのか正体不明の人物。自我もなく会話もままならない。能力〈斧〉




