3話 始業式
「ほらー、急げー。何でみんな寝てたんだー」
そうみんなに言いながら、廊下を走るゲン先生とそれに続くクラスメイトたち。
「せんせー廊下走って良いんだ?てか、おじいちゃんは腰は平気なの?」
「労わるならちゃんと労わってくれー。でも、ありがとうなー!そう言えば、クラス委員長の風解はどうしたー?」
「十六夜さん連れて先に行きましたよ。お前らと一緒に落ちぶれるわけにはいかないとかなんとか」
かずまは常に夏帆優先なのでクラスなどどうでもいい。
「はぁー、報告ありがとう二条離ー!君が起こしてくれても良かったんだぞー?」
「先生ともあろうものが、何を言っているのですか?しっかりしてください」
「風解といい、二条離といい、冷たい生徒を持ってるのに冷や汗をかいちゃうよー」
たわいのない会話もしながら、何とか体育館に着いた頃には、全校生徒が集結し、2組全員を生暖かい目で見守ってくれていた。
ただ、2人を除いて。
「はい、では始業式を始めます。校長先生お願いします」
「皆さん、おはようございます。色々ありながらも、皆さんが揃っていてとても嬉しく思います」
「なぁなぁ、やっぱ校長はちょー強いのかな?」
「俺よりは弱いだろ。…なぁ、二条離。何か見られてる気がしないか?」
「そうですね…」
あたりを見回すとカメラのようなものが至る所にあった。
「異様なまでにカメラが多いですね。テレビの収録でもしているのでしょうか?」
「ん〜まぁそうだといいが」
「おいおい、じゃあ俺が校長倒しちまおっかな!」
「バカは黙ってて下さい」
「はぁー?無能力にいわれたくないねーだ!」
「そうですか、では風解くん言ってあげて下さい」
「黙れ、カス」
すると天涯は何かがぶつかった様に、背をそらして顔を押さえている。
「くそぉ、いつか倒してやるからな」
天涯は風解をライバル視していて、時々勝負を挑むが悉くボコボコにされるのだ。
「話は以上です。今年も元気に過ごしましょう!」
「校長先生ありがとうございました。これにて始業式を終わります。各自帰宅して構いません。では、解散!」
「よーし!俺が1番に帰ってやる!じゃあなお前ら」
さすがバカと思いながら、天涯を見送った。すごい速さとまでは言わないが、犬の全力ダッシュを見ているようだった。
「では、僕も帰りますね。さようなら、風解くん、十六夜さん」
「あぁまた明日」「バイバイ」
会釈し、礼儀よく帰っていく。
学校で関わるのは主にこの2人なので、
「俺たちも帰るか?」
「あっごめん。今日、水雨ちゃんと買い物行くから、校門までは一緒に行こ?」
「そっか、今日って言ってたもんな」
夏帆と帰れないことを惜しみつつ校門に向かって歩き出す。
「こっちだよー!!」
全力で手を振る美女がいる。
「水雨ちゃん待った?」
「ちょっと待ったけどいいよ!お兄ちゃんは早く帰っていいよ?」
「わかったよ、夏帆をよろしくな。夏帆も気をつけるんだぞ」
「うん」「はーい!任せてねお兄ちゃん!」
そう言って別々の方へ歩き出す。
水雨はかずまの妹であり、あんな適当にあしらっているように見えるが、実はお兄ちゃん大好きということをわかっているかずまであった。
人物紹介
・風解かずま
能力を狙われた夏帆を護衛することとなる。夏帆はのちの彼女。クラス委員だが仕事はしたことない。緑髪の高校2年生。能力〈風〉
・十六夜夏帆
〈w〉に能力を狙われ、かずまに守ってもらう護衛対象。かずまはのちの彼氏。月光色で長髪の高校2年。能力〈夜〉
・天涯迅斗
金髪のバカキャラ。交戦的だがとても弱い。能力は電気。
・二条離
真面目で冷静な性格で意外と冷たい。ただし、風解に対しては好印象。風解からも信頼されている。能力〈×〉
・風解水雨
かずまの妹で、青い髪の美女。元気いっぱいでいつもみんなのムードメーカー。能力〈水〉




