36話 決戦は校庭
あらぁ?まだ、上がってこないのね?せっかく屋上まで来てぇあげたのに。
「次は女が相手か」
職員室を出た時に暗薬に会い、そこから屋上に来た女王様は男に話しかけられる。
「誰よ。ここには大人は居ないはずよぉ」
「知らないのか?俺様はケイシンだぞ?」
女王様は意味が分からず、キョトンとしている。
「ふふ、なぁにが凄いのかしら」
「こっちの国では知られていないか…」
「こっちの国?」
「別に知らなくたっていいさ、次はお前で遊んでやる」
ケイシンのこの発言で女王様は不適な笑みで挑発に便乗する。
「面白いじゃなぁい!ケイシンだぁっけ?聞いて驚きなさい」
ケイシンは興味を示したように口角を上げ、次の言葉を待つ。
「あたしは終集家見習いのココエ様よ!」
勝ちを確信した誇張のある自己紹介をした。だが
「…しらねぇ」
「…」
怯えた様子を見せないケイシンに思わず静止してしまう。
「まぁどっちでもいいさ」
スッと掌をココエに向け、戦闘が開始される。
ードカァ
手から白い繊維が無数に飛び出し、ココエを包み込んだ!だが、白糸が囲んだ瞬間硬くなり破壊される。
「あたしにそんな陳腐なの効くと思ってるぅわけ?舐めないでよぉ!!」
ちょっとしたヒステリックと共に、周囲を凍てつく寒波で襲った。簡単な攻撃を侮辱捉え、ココエの怒りに任せた。そして、気温はぐっと下がり、ケイシンの表面は氷で覆われていた。
「口だけなんて哀れなぁ人ね」
ーパリン
「こういうのを陳腐って言わないか?」
「な、何でよっ!!凍ったはずよ!」
平凡な能力者でも凍結してしまえば、もう立ち向かうとはしないはずだ。しかし、ケイシンはピンピンしている。
「ははっ、死ぬやつは口を揃えて同じようなことしかほざけないのか」
ーヒュー
「さっきはぁ失敗したのよ」
もう一度固める。二度とあたしを侮辱させないために…
「だから、無駄だって、いっ、て、いるんだぁぁはぁぁぁ!」
凍り付いたところは剥ぎ捨て、白い繊維が新たな部位を作っていく。
「おかしぃいわ!あたしの能力だけを向上させてくれるってシノギ様がいってぇたのにぃぃぃ!!」
どうして!〈凍〉おらないの!?通用しなかったらあたしに勝ち目はないじゃぁない!
ここで、校庭からの騒音が耳に入り、柵から下を見下ろす。すると
「あっ!ヒョウクウゥだわ!」
校庭には双林暗薬と激闘を繰り広げる同じ見習いのヒョウクウを発見し、目の前の相手・ケイシンをなすりつけようと考えた。
「ふふふ」
「なんだ?俺様を殺す作戦でも思いついたか?」
「あたしは狭い屋上じゃなくぅて広い校庭でやり合いたいわ!」
「あぁ、いいとも…あ?」
返事をしている途中でココエは颯爽と柵を飛び越えていく。不意を突かれたが、ケイシンも負けじと後を追う。
「ふふふふっ!あたしぃってやっぱりついてるわ!」
3階あたりを過ぎる時、ついつい言葉が漏れ出る。シノギが用意してくれたこの会場は、全てがココエに有利になるような設定が施されている。空を飛ぶなんて、通常では出来るわけもない。
ーピカァ
大胆に能力を展開して地面に着地する。
「ヒョウクウ!喜びなさい!あたしが手伝ってぇあげるわ!」
「っ!!丁度いい、貴方も加勢してもらっても!」
校庭には綿のようなものが散らばっている。
「〈雲〉じゃ相性が良くありません!」
ーグチャッ
続いて上から落下してきたものは、着地せずに来た。その落下音に3人の動きが止まる。
「俺様も混ぜてくれよ」
ここから校内大一番の闘いが始まろうとしていた。
人物紹介
・ココエ
終集家見習い。女王様気質で常に上から目線である。
能力〈凍〉物を凍らせたり、寒波を扱える。
・ケイシン
どこからきたのか不明の中年。
能力〈?〉白い繊維を無数に扱う。自己再生も可能。
・ヒョウクウ
終集家見習い。敬語を使うが、敬意は全く無い。
能力〈雲〉雲を生み出して混乱を生む。体の一部を雲に変え、強力な攻撃が可能。
・双林暗薬
能力を二つ扱うとても珍しい存在。ヒョウクウを瀕死まで追い込み、生まれたことを後悔させてやろうと思っている。
能力〈毒〉刃に毒を付与させて攻撃する。
〈闇〉ドス黒い闇を自在に操る。成功すれば仮死状態にさせることも可能。




