33話 刺客サバイバル
早く生徒会に戻らないと!よし、あと少しで校内入り口だ。誰だ?学校指定の制服ではなく、桃色の和服を着た男子が仁王立ちしている。髪は結び、腰には小袋と刀を携えている。
「お前は遠征過激団の仲間か?」
「違う、知らない。我は古伝一味のピーチ」
会った途端名乗りどういうつもりなのか、わからずこちらも名乗っておこう。
「俺は風紀委員の双林暗薬」
「おぬしを殺す」
ピーチは冷たい表情のまま暗薬に斬りかかる。
ージャキーン
暗薬も斬られまいと長ナイフを出し、対抗する。
「目的はなんだ?なぜこんなことをする」
「これは勝負。誰が多く殺せるか。我らは雇われただけ」
「殺すだと…させるかぁぁ」
怒りに燃え暗薬の勢いが増し、ピーチを押している。
「おっと!危ない」
やはり、刀とナイフではリーチの差が大きい。だが、懐には入りやすいんだな!
「ちっ」
ナイフがピーチの腹を突き差し、傷を与えることに成功した。
「大したことない傷。平気。ん?毒か」
傷口が紫色に変色し、体の自由もだんだんときかなっくなっていることに気づく。そして、それに恐れることもなく、まっすぐと暗薬を見つめる。
「殺し屋なんかに容赦はしない。苦しんでくたばりやがれ」
毒は身体中に広がり、意識を保つのが精一杯だろう。それなのに、ピーチは目を離さない。見ていて気味が悪いため、とどめをさすことにし、目の前まで近く。すると、ピーチは光始め、暗薬は犬の牙に噛まれていた。
「おらぁぁあ」
いや、違った!首元まできた鋭利な歯をナイフで受け止めていたのだ!
「がるるるるる」
空いている足で蹴り飛ばし、一旦距離をとる。したら、相手が変形していることが分かった。
「能力は犬か、余裕だな」
元々あるの位置と肩の上に2つの頭、これがケルベロスというやつか。あちらもその気なら、こっちも本気でいくしかない。そして、暗薬の雰囲気が変わる。
「がうぅぅ」
ピーチは飛び上がり3つの歯で噛みつこうとする。
「甘い」
ーザバッ
暗薬の刃に鋭い漆黒が重ねがけされ、斜め一線、ピーチの胴体へ抉られる。
「わぉぉぉ」
あまりの傷に雄叫びをあげ、跪く。
―ビカァァ
光った!戻るのか?
「うききぃぃぃ」
「何!?猿だと!まさか、こいつも能力2個持ちなのか!?」
犬の後は腕の発達した猿に変化した。すぐさま、攻撃に移るが、猿は高く飛び、校舎にしがみつく。
「勝てない、他のやつ、狙う」
「待ちやがれ!」
長い腕を生かし、3階の窓を割って校内に侵入していった。
「くそ、無駄な時間をくっちまった」
邪魔を退け、やっと下駄箱を通り抜ける。
「待ちなさぁい」
丁度、職員室からから聞こえた声に足を止めてしまう。なんとも自信に溢れ、人を見下す喋り方。
「どいつもこいつも」
「あたしをあんな雇われ野郎と一緒にしないでくれるぅ?」
ーガララララ
ドアが開き、その姿が露になる。長く蒼い髪を靡かせ、同い年にしては豊富な胸を見せつける。露出は少ないながらも、色気のある女王様だ。
「急いでるようね」
「お前に話す義理はない」
妖艶に微笑むと見透かしたように話し始める
「…上に大切な人がいるのでしょぉう」
図星な発言に黙り、考えてしまう。倒してしまおうか。だが、そんなことを考えているうちに、女王風情は宙に浮き始め、
「あたしが皆殺しにしてぇあ・げ・る」
初めて見せた可愛らしい仕草で、そのまま上昇し、天井を何かの力で破壊して上階へと上がっていった。
「やばいやばい」
生徒会室の安全性がどんどん損なわれている気がして、暗薬の心情も焦りで満ちきっている。そして、階段を駆け上っていった。
人物紹介
・双林暗薬
風紀委員に所属している。
能力〈毒〉刃物に毒を塗り攻撃する。
・ピーチ
髪は結び、腰には小袋と刀を携えている桃色の和服を着た男子。
能力〈?〉犬になったり、猿になったりする




