↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
20/59

20話 ドキドキ遊園地

今日は朝早くから会社に呼び出しをくらった。

訳なら分かる。

きっと、大きなニュースにもなった警察署のことだろう。

そして、今は朝の七時である。

「お前さんに仕事がある」

椅子に腰掛けたかずまに、社長は話しかける。

「はぁ?なんで、俺がやらなくちゃいけない?」

「はぁぁ、まだ反省しとらんのか?お前さんには、償いが必要じゃ」

「…」

警察署を半壊させ、囚人まで逃してしまったこと、それを言っているのだろう。

すると、社長は目の前に一枚の紙を見せてきた。

「八区のトラベル遊園地という場所で爆破予告が届いたんじゃと」

「…」

そこには、詳しい犯行予告が書き記されていた。

「それが、どうも刑務所から脱獄をした囚人らしい。あの署長さんの目をかいくぐる手慣れじゃろうて。じゃから…」

「わかった。俺が行く。…ちなみに、後処理は?」

「それなら、国家保安隊の兵に引き渡してくれ」

かずまは生かすか、殺すかで問いたつもりだった。

だが、国家保安隊という言葉に引っ掛かる。

…それは、国王直轄の衛兵の集まり。

国家警察署の機能しなくなったこの国で、治安維持を代わりに行なっている。

「了解した。じゃあ、行ってくる。帰りは寄り道するから遅くなる」

「気をつけてな」

そして、入口で待たせていた夏帆(かほ)を連れて八区のトラベル遊園地に向かった。


「わぁ、お客さんがいっぱいいる」

大きな門をくぐり抜けると、遊園地は客で溢れかえっていた。

「ここにはピエロはいないんだな」

かずまはボソッと言葉を漏らす。

そんなことより、辺りを見渡すとそれなりに強そうな人がちらほらいる。

きっと、あれが国家保安隊。

さて、まずは

「夏帆、どっか食べられるとこ探そう!」

遊園地を全力で楽しむ!のではない。

これもかずまの作戦の内だ。

「うん!」

早速、園内のカフェを発見して、店に入る。

そして、手頃な席に着き、たくさんのデザートを注文する。

「これで、完了だ!俺は今から悪いやつを退治してくるから十分間だけ食べて待っててくれ」

「わかった!」

夏帆が気をつけてと言わないのは、かずまを信頼しているからである。

だが、唯一懸念があるとすれば、やりすぎてしまわないかということだけだ。

そうして、かずまは店の外に出て、自身から風を出し、犯罪者らしき人物を探し始める。

その最中、

ードゴゴゴッドカッカン!

なんと、観覧車が爆発した。

やってしまった!が、もう遅い。

だが、この行為は相手が墓穴を掘ったのと変わりはない。

何故なら、これを見ている奴が…

「見つけた」

風によるとその人物は、ジェットコースターに乗っているそうだ。

そのため、猛スピードで犯罪者に接近する。

「…風よりは遅いな。やったのはお前だろ」

ジェットコースターに並走し、犯人を問い詰める。

近くで見て分かったのだが、犯人は女だ。

「ちくしょう!ならここで爆発してやる!」

ーバゴーン

すると、爆走するジェットコースターからは爆発音と煙が上がる。

「がぁ、はぁっ」

爆発により、ジェットコースターは空中で停止した。

そしてそこには、無傷のかずまとそれに驚く搭乗者。

さらに、全爆風を浴びて意識を失った女がいる。

「風はなんであろうと俺のものだ。それが爆風であってもな」

そうして、かずまは女を引っ張り出す。

もちろん安全装置も壊れたので、簡単に抜け出せた。

その後。ジェットコースターから抱えて飛び降りる。かずまは女な髪を持とうとしたが、夏帆に女性には優しくと言われているため、一応髪はやめて抱き抱えたのだ。

かずまにとっては、夏帆や家族以外はどうでもいいのだが…こちらを見て、かけてくる女性がいる。

「お預かり致します」

「あぁ頼む」

おそらく、国家保安隊だろう。

犯人を引き渡し、これで任務完了だと思った。

―パリーン!

突然、ガラスの割れる音と悲鳴が聞こえる。

何事かと、音の根源の方に目をやる。

「ッ夏帆!!」

なんと!さっきいたカフェだ!

夏帆が危ない!そして、かずまは風を駆使して全速力で飛んで行く!

「まずい、あと三十秒はかかる!無事でいてくれ!ん?」

上から少しずつカフェが見えてくる。

そして、遠目で何かがみえる。

なんだ?夏帆の前に立ち血だらけの高校生がいる。

その目の前には、赤い右上半身がいきなり現れ、拳を高校生に振りかぶる。

この時、高校生は夏帆に何かを話し、自身の体からカードのようなものを抜き出す。

途端、傷が治った。

「意味がわからない…」

そして、そのカードを赤い拳へと差し込んだ。

一秒後、赤い右上半身は爆発して、消え去った。

「…」

かずまは言葉を失い、空中で考えをまとめる。

あの時に倒した過去と未来に攻撃した変質者の未来をやったのは、あの高校生だったということだ…

とにかく本人に話を聞かなくては。

ーシュタッ

居ない。

「あっかずま!」

「もう、終わったんだね?」

店の前にいた夏帆が近づいてきた。

「…今夏帆を守ってくれた人はどこに行った?」

「んー。バラバラになって、居なくなっちゃった」

訳がわからない。

「でもね、その人がかずまに伝言があるって」

「お、教えてくれ!」

すると、夏帆は声音を変えて語り始める。

「今日、貴方の彼女を助けたのは、ただの勘ですので心配しないでください。そして、借りは返しました。この前はありがとうございますって」

かずまは誰かに借りを作った記憶はない。

多分、脱獄犯の一人だろう…

「あぁわかった。…夏帆、さっきは俺が守ってやれなくてごめんな」

「いいよ、今のもかずまなら間に合ってたし」

「ごめん」

「ほんとに気にしてないから、もう出よっか?」

「まだ二十分も経ってないけどいいのか?」

「公園寄るでしょ?」

「そうだな」

そうして、仕事を終わらせたかずまは夏帆と手を繋いで遊園地をあとにした。

人物紹介

・風解かずま

夏帆を護衛する立場にあるのに、守れなかったとものすごく反省した。

能力〈風〉風のように舞い、風に関する物は俺のものだ!

・十六夜夏帆

驚きの感情をあまり表さない彼女。実際そんなに動揺していない。能力〈夜〉

・爆発した女

遊園地にて、観覧車を爆破させ、ジェットコースターでは爆発した彼女。多分、牢屋に閉じ込められていた気持ちを爆発させたかったのだろう。

能力〈爆弾〉爆弾を生み出したりする。最後には自身をも爆弾に変えていた。

・恩人の高校生

かずまとは面識は無いが、借りとは、自由にさせてくれた事なのか?それとも、今回の事件を解決するつもりだったのか?能力〈?〉

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。