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15話 直々に手を下そう

「霜佳(そうか)!どこだー!助けに来たぞ!」

怯えた囚われの者達はウジョウジョいるが妹の姿は一向に見当たらない。

なので、かずまはその場止まり、最善の策を思いついた。

自身の能力〈風〉を警察署内に充満させて、霜佳の位置を特定すれば良いと。

このやり方はかずまぐらいにしか出来ない芸当だ。

そして、自身の体から風を垂れ流す。

その風たちは、刑務所内を飛び回り、あたりの人、状況を正確にかずまへと伝えてくれた。

その中に異様な存在があると風に教えられたが、それは後でいい。

「…」

「あぁ地下三階か!」

やっと霜佳の居場所が分かると、疾風の如く走り出す。

そうして、長く迷路のような道を進んでいくと、淡い水色の髪をした妹を見つけた。

「っ!、お兄ちゃん!」

かずまを見つけると安堵の表情で、声を上げた。

「俺が来たからには安心しろ」

そっと背中をさする。

「そうだけど、でも、早く出なきゃ!捕まっちゃう」

かずまの服を掴んで訴えかけている。

「分かってる。けどな、俺は霜佳と水雨(みう)を洗脳した奴を倒さなきゃ、気が済まない!だから霜佳、もう少し待っててくれ」

「…やっぱ、そうなるよね。はぁ、早く戻ってきてね」

ここにあるのは家族愛と信頼それだけだ!

かずまはまた走り出す。

主犯らしき人物はさっきの風で位置は特定した。

そこの曲がり角の部屋にいる!

ドア付近まで行くと、笑い声が聞こえる。

「キャハハ、あたし達の仕事も楽なもんよ!」

「それな!俺っちなんてずっとゲームしてただけなのに〜」

「ふっ上がりだ、また俺の勝ちだな」

この部屋には、三人の警官がいるらしい。

一人の女はまるでギャルのような見た目だ。

他二人の男達はチビとでかいの対照的だった。

「チキショー!また負けた!」

「おい、お前らだな…」

すると、かずまのドスの聞いた声がトランプゲームを妨げる。

「なんだよ?わざわざあたし達に逮捕してくださいって言いに来たのかしら?」

「俺っちたちの役目も終わっただろうし、こいつ痛ぶって遊ぼうぜ?」

チビはいきがって前に身を乗り出し、かずまを嘲笑っていた。

「賛成だな」「さんせーい」

もう一人のでかい男とギャル女は快く賛成して、かずまに迫っていく。

「ほら、じゃあ洗脳やっちまえよ!」

チビはギャル女に命令する。

「いやよ、冒頭で変な話し方をしなきゃいけないのよ。めんどくさいわ」

かずまは理解した。

妹を〈洗脳〉したのはこの女だと。

「銃で致命傷にならないとこ撃てば簡単だ」

大型の男が銃を触ろうとした途端に、かずまは能力を発動する。

すると、さっきまで余裕だった三人の呼吸が荒くなる。

「なに、しやがった。くっ苦しい…」

でかい男は喉を抑えてもがいている。

「…」

三人は苦しみ、かずまは圧勝と確信した。

しかし、なんだ?背後に何か感じる。

「警察官に反抗をするなんて…そんなことやっていいのかなあ?」

振り返ると、そこにはいかにも偉そうな見た目の警官が立っていた。

「お前らのやったことをもう忘れてやがるのか?俺はそれに対してやり返したまでだ」

「…私はね、ここの署長を務める極楼(ごくろう)というものだ。何を言っているか分からないが、今ここでお前に刑を執行してやる!」

なんと、現れたのは署長だった!

すると、じわじわと極楼の背後から何かが広がる!こ、これは?キラキラしている?

「これを見れば誰でも察しがつくだろう!今、全ての生命やこの星もろとも包み込んでいるものさ!」

そう言われたら一つしか思い浮かぶものはないだろう。

それは…

「宇宙?」

「そうさ!今からお前を特別に宇宙空間へといざなってやろう!」

そして、気づいた頃には、小さかった宇宙が瞬く間に巨大な宇宙へと変貌した。

それにはどうする事もできず、ただ引っ張られて、かずまは呑み込まれてしまう。

だが、普通に宇宙空間へ放り込まれた場合、人はどうなる?

答えは窒息死する、だ。

なら、俺のすることは一択しかない!

「ほう。私の宇宙空間を耐えるとは…お前只者ではないな?」

それは、持ってる能力を全開に引出し、身に纏うことだ。

極楼の能力〈宇宙〉は強いが、周りに味方がいる以上そいつらを巻き込むことはない。

よって、自身を守りつつ、まだ空気の残っているところから風を使って俺に酸素を送り込む。

これで解決だ。

極牢とかずまはまだ宇宙空間にいる、次はどんな攻撃がくるのだろうか。

ん?…戻った?

対処を考えていると現実に戻っていた。

「辞めだ、お前とは力ではなく、話し合いをしたほうが良さそうだ。戦っても時間を無駄にするだけな気がしたんでな。そうしたい気持ちは山々なんだが、すまないな。私は部下に呼ばれてしまったので行かなくてはならない…」

「…」

「さっきは頭に血が昇り正常な判断ができなかった。だから、こちらが悪ければ、正式に謝罪をしよう。そのために、今度対話の機会を作ってほしい。では、私は失礼する」

かずまが返事を返すことはなく、また宇宙空間が現れ極楼はその中に消えていった。

きっと宇宙空間を自由に移動出来るのだろう。

そうしたら、最初の行動にも説明がつく。

だが、どこから俺の場所に来たのだろうか?

「ちっ、白けた。お前らには、これで我慢してやる」

かずまは舌打ちをし、警官三人に強めの風の斬撃を当てる。

ーピュウィン

「かはっ」「きゃっ!」「うあ」

「まぁ俺も、こんなに破壊したし、これでチャラだな。お前らの署長に感謝しろよ」

「…」「…」「…」

まともに受けた三人からは返事はない。

さてと、やるべきことを済ませたから霜佳の元に行って安心させてやらないとな。

人物紹介

・風解かずま

能力〈風〉風に砂を乗せて、相手の肺の中に入れる。そうして、呼吸困難を狙う。他にも、膨大な力を宇宙服のようにすることで、宇宙空間でも生存できる。

・警察官?の3人

善民拉致事件の主な首謀者。

能力〈洗脳〉

能力〈ゲーム〉自分が倒されるまで、環境を操作できる。1日に1回まで。

能力〈×〉

・極楼

国家警察署の署長を務めている。

能力〈宇宙〉自分を中心に宇宙空間にしていく。また、宇宙空間に入ることで、障害も難なく通り抜けることが出来る。


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