14話 脱走を計るもの
ー同時刻牢屋内
刑務所内の能力者が力を行使出来るようになった頃。
監内放送が響いた。
「私は署長の極楼である!今から、少しでも上に上がろうとするものは、直ちに死刑とする!死にたくなければ、その場で降伏をしていろ、悪人ども!」
この放送により、大半の囚人は脱走を諦めていた。
何故なら、署長の能力の恐ろしさを知っているからだ。
しかし、そんな中でも放送に屈さない三人の囚人は階段駆け上がっていた。
奇抜な服装の高校生、ヒョロガリで不健康そうな包帯を巻いた男、胸元を派手に露出した奇抜な女。
だが、彼らには一切面識はない。
ただ単に、この事態にいち早く反応し、行動をとった猛者であることは確かだ。
ー地上
これで、中に入っても能力を使えるだろう。
そして、あの炎は地下にいる奴が暴走した証だ。
遭遇したら厄介だから、焼き開けた穴からは離れた入り口から入ろう。
警察署を破壊した瞬間は炎の存在に気づかなかったかずまだが、明らかに自分ではない穴を見つけて、警戒をしていた。
さて、このバカはどうするか…
そうして、まだ目隠しを付けている天涯迅斗を呆れた顔で見る。
「なぁなぁ!俺の結果はどーなんだよ!」
迅斗は興奮気味に、そうかずまに問いかける。
だが、返ってくるのは、ホームレスからの嘲笑の視線だけである。
無論、目隠しをしているため迅斗は何も気づかない。
「おい!おーい!もう外すからな?」
返事はない。
「いいんだな?」
返事はない。
そして、迅斗はゆっくり目隠しを外し、目の前の光景になんの言葉も発することはできなかった。
半壊した警察署、消えたかずま、迅斗に与えられた驚きは計り知れない。
人物紹介
・極楼
国家警察署の署長を務めている。能力〈?〉
・3人の囚人
奇抜な服装の高校生、ヒョロガリで不健康そうな包帯を巻いた男、胸元を派手に露出した奇抜な女。




