12話 壊崩の時
俺はこのバカには、これからする事は隠している。
もし、分かれば動揺し、能力を十分発揮できないだろうから。
国家警察署を目前にしそんな事をかずまは考える。
一応周りに人がいないか確かめる。
……いた。
しかも、ホームレスに見える。
ボロボロの服を着て、警察署の前に座っている、
まぁ、怪我をさせなければ平気だろう。
「…まだか?」
そうだった、このバカ、天涯迅斗には目隠しをしていて何も見えていないのだった。
「今から勝負を始める。内容はどっちのが強い攻撃が出来るかだ。前には力を測定するでかい機械がある。それに攻撃をする、分かったか?」
「あぁ簡単だぜ!ちょっと力を溜めてもいいか?」
「どのくらいかかる?」
「30分だ!」
自信満々に答える。
「………」
おそらく30分溜めた所で、建物が少し崩れるくらいだろう。
それでは足りない。
「………」
「好きにしろ…」
だが、ここでやる気を削いでも仕方がないので、やらせることにした。
「よっし!行くぜ!うぉぉぉぉ」
こんな事だろうと思ってので、バレないよう俺の力を迅斗に流し込む。
このバカはこのようなことを可能と思ってもいない。
そもそも、力を与えるなどそれに特化した能力でなきゃ出来ないのだ。
「今日は調子いいぜぇぇ!」
プラスして容量の大きいモバイル充電器を迅斗に近づけて放電する。
もちろん目隠しをしている迅斗は
「やっべぇー。これ俺の勝ちだぁ」
自分でも驚いてる始末だ。
そして十分後。
「準備バッチグーよ!俺先攻?」
「もちろんだ」
嘘である。
国家警察署は厳重な設備であるため、二人で同時に壊しにかかる。
迅斗の能力で、機能を麻痺させ、俺の〈風〉で全壊させてやる!
恐らく、〈牢屋〉の世界具は、地上の何処かにあるはず。
まず、それを切り離し、刑務所内の能力使用を可能にさせ、俺が署内に乗り込み霜佳を救出する算段だ!
「俺の合図で始めてくれ!」
「おう!」
迅斗は攻撃の構えをとる。同時に俺も力を溜め構える。
「三、二、一、いけー!」
「はあぁぁぁぁぁ!」
ービリビリビリビリ!
凄まじい電力が警察署を襲う。続いて、
「ふんっ!」
ーブワワワワ!
嵐が、巨大な竜巻が警察署を旋回し、警察署は原型を失った。
その時に地下から莫大な炎が顔を出したのにかずまは気づくことはなかった。
人物紹介
・風解かずま
迅斗の弱さを見越してモバ充を持ってきたが、自身の力の方が強大なため、ほとんど意味はなかった。
能力〈風〉風を凝縮したものをぶつけたり、風を身に纏い攻撃力や防御力を高める。本気を出せば竜巻ぐらいなら余裕で出せる。
・天涯迅斗
能力との相性が最悪なため、かずまの尽力により最高の力を引き出した。電気を扱うことができる。
・世界具〈牢屋〉設置型で、閉じ込められた能力者は一般人変わらなくなる。




