墓の前で
作戦会議から5日がたった。シャルとはあれ以来、会っていないが、マルクスとは1日おきに、近況報告をしていた。
僕は村の武具屋から、拝借した魔道ローブと、剣と魔法手袋を装備して、クレアの手を引き家を出た。
村を出る前にクレアと家の庭にあるエアリスとガガの墓に赴いた。
庭に埋めたのはシャルとマルクスだが、墓標は僕が作った。土魔法で作った簡素なものだった。
僕はクレアの手を引きながら、彼女たちの墓の前にたった。
僕はクレアと墓に水をかけて、布で墓の掃除をする。
「ねえお兄ちゃん、お母さんとガガさんはここに眠っているの」
唐突に彼女が質問してきた。
僕はやるせない気持ちになり、泣きそうになったが、涙をこらえた。
彼女の前では弱みを見しちゃいけない。強い兄であろうとそう誓っていたからだ。
「ああ、そうだよここで眠っているんだ」
「そうなんだいつ目を覚ますの?」
彼女は死んでしまったことを理解していないようだった。
ショックであの時のことは忘れてしまっているようだ。
僕は彼女にバレないように涙をふいた。
「目はそうだな、覚まさないかもね、、でも大丈夫、どこへ行ってもお兄ちゃんがいるから安心して!そうだこれをあげるよ!」
そう言って彼女の首に5歳の誕生日にエアリスにもらった首飾りをかけてあげた。
「あーお兄ちゃんの首飾りだ!ありがとう」
そういって僕の胸に抱きついてきた。
そのあと二人の墓に手を合わせた。
(母さまクレアは命に変えても僕が守ります。母さまからもらった首飾り、クレアにあげたけどいいですよね?
母さま僕はあなたを愛していました。赤い目を持っていた僕をきちんと愛してくれたあなたを愛していました。母さまのこと守れなくてごめんなさい。)
エアリスに言いたいことを言った。
(ガガ、あなたが最初僕のことを不気味がっていたのは知っていました。初めて魔法を打ったあの日から、あなたの態度が軟化した気がします。なんででしょう。今となってはわかりませんかあなたのことも僕は愛していました。今までありがとう)
二人に言いたいことを言うとクレアがお兄ちゃん?と言って僕の裾を引っ張ってきた。
「どこか痛いの?」
頰に涙が流れていた。僕はそれを手で拭って彼女と目線を合わすように中腰になった。
「ああごめんね、どこも痛くないよ。ちょっと考え事ごとしていたんだ。さあ行こうかあ。じゃあまた来るよ。次は父さまを連れて」
彼女を守ってあげれるのは僕しかいない。僕が絶対クレアを守ってあげなければ、、
彼女の手を引き、僕は村の門へ向かった。




