16話 転校生
ある日僕はいつものようにマルクスと学校へ向かった。
学校へ向かう途中にある少女に出会った。彼女は帽子をかぶっていて、隣に母親らしきエルフと歩いていた。
新しくきた一年生だろうかと思ったが、違った。
朝のホームルームに彼女の姿があったのだ。
「シャルル・デーモンです。よろしくお願いします」
彼女はおどおどしながらそう言った。
シャルルという少女はこの学校ではめずらい転校生で、親の都合でミリス村にきたと言っていた。
帽子をかぶっていたため顔が見えなかったが、背が低かった。
ホームルームが終わると、彼女はクラスメイトに囲われていた。
どこからきたの?とか、好きなものは?とか、そんな質問をされていて彼女は困惑していた。
そして、なんで帽子をかぶっているのか質問された時、彼女の様子が変わった。
彼女は帽子を両手で押さえて震えていた。
クラスの悪ガキがその様子を見て、彼女の帽子を脱がそうとしていた。
そして彼女は必死に抵抗して、帽子を抑えたが抵抗虚しく、彼女の帽子は悪ガキによって剥がされた。
クラスメイトは帽子を取られた彼女を見て、えっと呟き、困惑していた。
彼女は金髪ではなく紫色をしており、両側頭部に黒いツノが生えていた。
しばらくするとクラスメイトたちは騒ぎ始めた。
なんでツノ生えてんの、何これ気持ち悪い、髪の色も俺らと違うじゃん、そんな言葉が投げかけられていた。
彼女は泣いていて、何も答えなかった。
僕は止めに入ろうとしたが、タイミングが良いか悪いか、先生が来て、止めに入った。
ふとマルクスを見ると、怖い顔をさらに怖い顔をして、震えていた。
一限目は国語の授業だったが変更して、先生の説教になった。
「みなさん、自分たちと違うからってその子をよって集っていじめて恥ずかしくないのですか。
それはいけないことなのです。」
「先生なんでダメなんですか?」
帽子を取った張本人が悪びれる様子もなく、そう質問した。
「なんでもへったくりもありません!ダメなものはダメなのです!あなたが帽子を取ったんですってね。謝りなさい」
ああこの怒り方はダメだ。怒鳴ってばっかり、質問されてもきちんと説明しないで怒鳴るだけ、これでは彼女への態度は悪化する。
「なんで俺が、、」
「良いから謝りなさい!!」
そう怒鳴られた悪ガキは不貞腐れた態度で謝り、シャルルはうんと頷いた。それで先生の怒りは少し収まった。
あーこの先生はダメだな、そう思った。




