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ポラリス 2章  作者: susan
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8/13

さよならグレン

 紅子はにっこり笑って言った。「今夜は本当に記事を書くんです。明日入稿なので。また、誘ってください」


 そう言って車から降りた。

 

 紅子は家にもどったが、10時を過ぎてもグレンから電話は来なかった。メ―ルもない。


 グレンも、そのつもりなのね。

 この八ヶ月間、私達、会い過ぎたのよ。

 少し、冷却期間置いた方がいいと思う。


 アメリカ人男性に、『冷却期間を置いて、少ししてからまた交際しましょう』と言っても全くの無意味である事を、紅子は解っていた。


 関係が冷えたら終わりなのだ。


 紅子は、今、楽な気持ちで交際出来る相手を望んでいる。

 それが、大森なのかは分からない。また、誰か他に現れるのかもしれない。誰も現れないかもしれないし。

 グレンと別れるのか、そうならないのかどっちでもいい。


 空気のような相手と交際したいだけ。

 もう、疲れるのは嫌。


 メ―ルチェックしていると、あの近江からメッセ―ジが入っていた。が、読む気にはなれなかった。

 楡木からもメッセ―ジがあった。

 

 『明日の夜、食事しましょう』の誘いを紅子は断った。


 大森さんのお尻を触ったって本当なら、ゲイだと思う。

 恋人と別れたって、男の恋人なのかしら。でも、私にも交際申し込んだりしているんだから、


 バイセクシュアル かな?


 紅子は12時まで待ってもグレンから電話もメ―ルも無かったので、ベッドに入った。



 それから二週間の間に大森とは二回会ったが、体の関係は持たなかった。

 楡木の父親の病室へ一度お見舞いに行き、ほとんど意識のない状態を見てきた。


 あれからグレンから何の連絡も無くなったので、

紅子はグレンと自然消滅したと理解した。

 多分、もう、とっくにイタリアから帰国しているのは判っている。

 それでも、グレンは連絡してこないのだから、終わったと思って良いのだと悟った。


 と、同時に誰と肉体関係を持っても浮気にならないのだ。

 もし、大森が誘ってきたら、今度はどうなるか分からない。



 一週間前に、日本に帰国したグレンは、絵美子とデ―トをした。そして、体の関係を持ってしまった。 紅子に未練はあったが、弾みで絵美子と一夜を共にしてしまい、紅子に連絡出来ないでいた。

 紅子も浮気をしたのだから、自分も責められないと思う反面、これだけ連絡を途絶えさせてしまった自分もバツが悪い。連絡出来ない。

  

 皮肉な事に、今日の午後、広告撮影のため、紅子がカメラを持って本社へ来ていた。

 

 紅子はグレンに気付いても、全く反応せず、レストラン内で料理を撮り続けている。


 どうしてこんな冷たい関係になってしまったんだろう?と、グレンは悲しくなった。

 今、声を掛けても冷たい態度を取るだろう。

 会社の皆が見ている。

 紅子が建物を出てから話し掛けようか。


 30分程で料理の撮影は終了した。

 彼女がレストランを出て通りを歩き始めた時


 「紅子サン、待って‼」

 とグレンは追い掛けた。

 

 紅子は振り向いた。

 「グレン」


 「今夜、会いましょう。話がしたい」


 「別れ話なら、もう、意味無いでしょう?」


      続く


 

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