芸能人
〈ハナside〉
楽しかったなぁ…マレーシア。
2年のグロフェス…私も金賞獲れたし。
ミツも銀賞だったけど。
その夜。
「ミ…ツっ……」
「久しぶりだからな?」
ホントに久しぶりに…甘い時間を過ごしている。
相変わらずミツはドSで、余裕たっぷり。
「ハナっ…すげっ…かわいっ…いっ…愛してるっ…」
それから何度も…お互いの愛を受け止めた。
「相変わらず、よく寝るんだから。
おはよ。
身体…平気?
痛いトコない?」
ミツの声で、鳥のさえずりとともに目を覚ます。
「修学旅行で忙しくて、付き合って1年記念のデート…してないよね?
どっか行こっか。
ご飯食べたらお互いの家帰って、10時に駅に待ち合わせな?」
ミツからそんなこと言ってくれるなんて…嬉しすぎる。
急いで準備しなきゃ!!
私は、ミツの家で朝食を食べた後、ドット柄のコンビネゾンに、白のコートを羽織って、それに合うように髪型やらメイクを整えて、家を出た。
すでに駅にはミツがいた。用意するの早っ!!
「あの…待った?」
「今来たトコだから大丈夫だよ。
行くか。」
「うんっ!」
たどり着いた先は、あるグランデリウムモールというアウトレット。
「したことないだろ?
ショッピングデート。」
なんか嬉しいなぁ…
今セールやってて、いいものを安く買えたから良かった。
だけど、気に入った服…靴も下着もルームウェアも、もう1つあったのに…予算の関係で買えなかったんだよね。
ちょっと名残惜しいなぁ。
ミツの友達の従弟がやっているという店でご飯を食べる。
そして、しばらくするとその友達が何やら大きな袋を持ってやって来た。
「あれ?
早川 守じゃね?
久々じゃん!!」
早川くんは、中学で3年間、同じクラスだった。
ミツは、若あゆで同じ部屋だったこともあり、仲が良いみたいだ。
「久しぶりっ…
ところで、その荷物、どうしたの?」
ミツと顔を合わせてから、なんでもないよ
って言う早川くん。
その後もお互いの高校の話とかいろいろして、早川くんと別れて、
いろんなお店を回ると、もう夕方だった。
「そろそろ帰るか。」
「うん。」
地元に帰って、家の前で、お昼からずっと持っていた大きな袋を渡された。
それは、私が今日の買い物で買い渋っていた服全部だった。
「これ…いつの間に?」
「ん?
取り置きしてもらって、早川に取りにいってもらっていたの。
だから早川、ホントはもうちょい早く来る予定だったんだけどね。」
「そっかっ…
ミツ、ありがとっ…
大好きっ!!」
「オレは、ハナの喜ぶ顔が見たいだけだから。」
ミツはそう言って、私にキスをすると、重い荷物を私の部屋まで運ぶと、自らは家に帰っていった。
そして…時は過ぎ、高校3年生。
もう…"受験生"だ。
私は…何になりたいんだろう…
メイちゃんもミツも検事だし…
そんなとき…頭をもたげてきたのは、決まって、小学校のときの学級裁判と、つい最近の裁判員学級裁判だった。
弁護士…
お祖母さんも、目指していた職業。
ちょっと、興味あるかも。
進路のことを考えながらの日々はすごく早くて、体育祭も文化祭もあっという間に終わった気がする。
そんな中…
ある日テレビを着けると、グアムで、客船が生中継されていて…
それに乗っていたのは…レンと、良太郎くんと、奈斗と、将輝と、勇馬くんだった。
この5人、まさか…
案の定、テロップには、
「新生、イケメンアイドルユニット、『"r"ain』(レイン)デビュー!!」
と書かれている。
やっぱり…
ってか…デビュー早くない?
11月15日にデビュー曲「live in forever」
が発売されるらしい。
すごいなぁ…なんか…
デビューの日は…某気象系グループさんのコンサートのMCの時間を借りて、ちょこっとお披露目をするみたいだし…
なんか…すごすぎるよ。
だけどだけど…受験生だし財閥後継者だし…乗り越えられるのかな?
でも、本人は、高校を変えるつもりもないって言ってたし、
財閥後継者としての責任もきっちり負っていくと言っていた。
さらにFBIでもあるしね。
テレビを囲んでいたから分からないが、
いつの間にか来ていたメイちゃんと、出来ることはしっかりサポートするって固く誓った。
〈メイside〉
次の日、学校は蓮太郎のデビューの話題でかなり盛り上がっていた。
先生まで「学校に芸能人が!!」って有頂天だった。
私は、先生に心配された。
「あ~…
これでは…遠距離恋愛のようなものだが、大丈夫かね?」
大丈夫。
私は、そんなに弱くないわ。
いつも蓮太郎が私のことを優先してくれるし、
それに、蓮太郎をTVで見るだけで幸せだと思う。
だから、先生には心配無用ですって答えておいた。
そんな中…ハナちゃんが私とミツくんをある場所に案内してくれた。
「ここ…レンとミツと良く来てたんだよ?」
公園にあるようなベンチと桜の木以外は何もない、静かな場所ね。
「わざわざここに案内したってことは、何か言いたいこと、あるんだろ?」
なんていうミツくん。
ホントなのかしら。
「私ね、将来…弁護士になろう、って決めたの。
だから…ミツと同じ大学行く!!」
「そっか…
お前が弁護士か。
頑張れよ。」
ハナちゃんとミツくんは、私立大学のまかでもトップクラスの大学に行くことを決めた。
見事一般試験で合格し、晴れて大学生になる。もちろん、
私と蓮太郎は、私たちとランクは同じだけど、違う大学に行く。
ラッパー王子の後輩になれたワケで…
良かったわ。
真宵ちゃんは…家業を継ぐらしい。
綾里の…霊媒道。
なんか…カッコイイわよね。
そして、あの高原の丘の桜がキレイに咲いた3月、
私たちは…高校を、卒業する。
なんだか…卒業となると…名残惜しいわね。
せっかく…クラスにも馴染んできた頃だったのに。




