花火大会
楽しい日はあっという間に過ぎて、今日はいよいよ、花火大会の日!!
今日を待ってたの。
あの空港で別れる間際にくれたあの告白メールの返事、このときにするつもりだから…
会場に着くと、ハナちゃんと優くんはまだ来ていなかった。
「お、メイ。」
「この感じ…
なんか…久しぶりね。」
「…だな。
にしても…ハナたち遅いな。」
「ね。
あの…蓮太郎。
あの空港でのメールの返事…
まだだったね?
私も…好き。
蓮太郎のこと。」
蓮太郎はそぉ言うと、良かった…
って言って、浴衣が着崩れない程度の力で抱きしめてくれた。
瞬間。
ヒュルル…
ドーン…!
「な…何?」
「様子見のための仮打ち上げだろ。」
どちらからともなく唇を重ねた。
「蓮太郎…大好きだからね?」
「オレも。」
そうやって笑い合っていると…
「いや~…仮でもすごいね~」
「ホントだよな。
そういえば、お祭りなんてしばらく行ってないよ~」
ハナとミツが2人でいつ仕入れたのか、浴衣を着て側にいた。
「上手くいったみたいで、良かったよね~」
「メイちゃんと2人で、私とミツはわざと遅れて行こうかって話をしてたの。」
「ハナちゃん、優くん。
ありがとう。」
「いえいえ。」
ハナちゃんは、私が着ている白地に水色の花模様のとは対照的に、
黒ベースの赤帯の浴衣を着ていて、とても似合っていた。
花火で夏を感じた後は、着替えてから、
あるホテルにあるカラオケルームに向かった。
ここでFBIの皆と祝賀会があるみたい。
「何?
その様子だと…もしかして?」
「まさか……ね。」
「おかげさまで。
付き合うことになったわ。」
言いながら、顔を赤くしている自分に気がついた。
「マジで?
先越されたわ…」
苦笑いしながらポツリと呟く村西さんに、思わず笑みがこぼれた。
「とにかく、蓮太郎、いろいろお疲れ様。
ってことで、今夜は騒ぐぞ~!!」
「イェーイ!!」
食べて、飲んで、騒いで、楽しかった。
蓮太郎は相変わらず某気象系グループの曲ばっか歌ってた。
すごかったよ。
RAPとか、器用に声質やらリズム変えてきて。
合いの手とか入れてきたり…
コンサート状態だった(笑)
皆でパート分けて某気象系グループの曲歌ったりもした。
蓮太郎はなで肩ラッパー兼キャスターさんで、
私はやんちゃな飼育係さんで、
優くんはドSなコンサート番長で、
ハナはマジック王子&釣り好き王子
っていう役割。
すごいよ。
さすが高校で合唱部だけあって、難なく高音が出せるし。
いっぱい騒いだ後は、ホテルの部屋で騒いだ。
蓮太郎と2人きり。
ハナちゃんは、ミツくんと同じ部屋。
私たちも、晴れてカップルになったんだし、いいじゃんってことで。
なんかまたしばらくしたら遠距離恋愛になるのかななんて思うと不安で、
思わず蓮太郎に抱きついていた。
「……クスッ。
相変わらず、寂しがり屋なのな。
大丈夫。
オレ、遠距離恋愛なんかにさせないから。」
この意味深な言葉の意味を、1ヶ月ほど経ったときに知ることになるなんて、まだ知らなかった。
〈ミツside〉
あー、楽しかった。
FBIの人も、皆優しかったし。
カラオケとか、ほとんど某気象系グループの曲歌ったし。
ほとんど末ズパートだったけどね(笑)
多分、2人とオレの共通点がドSってことだからだと思うが。
お開きになった後は、ホテルの部屋で寝た。
もちろん、ハナと同じ部屋でね?
何か、触発されたわ。
あのバカに。
オレ、見ちゃったんだよね。
さっき、廊下の窓際でおやすみのキスを交わすレンとメイちゃん。
耳元で何かレンが言ってたけど、どうせ
「I love you,sweetie」
とかだろ。
窓際で景色を眺めてる彼女に声を掛ける。
「何?寝ないの?」
「ん~?
この景色、もう少し見てから寝る~。」
そう言って、後ろから前かがみになり、頬杖をつく。
あのさ…ハナ、分かってやってる?
服の中…普通に見えてるんだけど?
それとも…襲ってほしい、っていう意思表示?
ドサッ。
半ば強引にベッドに倒す。
「あのっ…景色っ…」
「景色より、オレだろ?
飛行機乗ってるときだってミニスカにニーハイなんか履いてさ…
今だって胸の谷間見えてるし。
誘っておいて焦らすとか…無しだからね?」
まだキスだけなのに。
彼女独特の声が響いた。
相変わらず…だね?
オレの前では、いつでもどこでもドM。
覚悟してね?
今日は…寝かせるつもり…ないから。
「ミツは…いつでも超が付くくらいドSだよね?」
「ハナは、超が付くほどのドMだよな?」
「私たち…こんな上手くいくの…正反対だからかな?」
「かもな。」
「愛してる。
『好き』だけじゃ足りない。」
「私も…///」
そのまま、私たちは、何度も一つになった。
ん…
目が覚めたら、2人とも何も着てなかった。
そっか…昨日…
1つになったんだった。
「ハナ。
起きて?」
取りあえず下だけ着てから、ハナに声を掛けた。
「ん…
ミツ…おはよ…
って…ふえっ!?」
何も着ていない自分の姿にすごいビックリしてる(笑)
シャワールームの脱衣所で着替えてくるように言うと、シーツを被って、足早に向かった。
ホント、いちいちリアクションが可愛すぎるんだよ。
食事やらチェックアウトを終えたオレらは、レンやメイちゃんの案内でN・Y市内を回った。
「物価が安いのか高いのかわからない国だなw」
だけど、ハナとメイちゃんは2人でショッピング出来て、楽しかったらしい。
メイちゃんの家に戻って、夕食を食べた後、4人で恒例のwiilをやった。
何か、ほとんどがオレとレンの一騎打ちになって2人は退屈してた。
「ミツ、強すぎ…
先輩のN宮さんみたい。」
「お前も強いけどな。マリオでこんなてこずったの、久しぶりだ。」
その夜は、4人で朝まで語り明かした。
レンもメイちゃんも…大人だよな…
だって、アイドル(まだデビュー出来ない卵の扱いだけど)だし、メイちゃんもアメリカでトップレベルの検事だし…
お互いに…
スキャンダルはかなりマズイ。
そんな中でも、ちゃんとお互いにの仕事のこととかわかってるし、
いざとなったら全世界同時に中継会見なるものもやる覚悟があるらしい。
ま、こないだの日米同時生中継会見、すごかったけどな。
だって、自分が財閥の後継者ってことも、
日本のアイドルってことも、
公表してたし。」
なるほど。
日本のアイドルって言っておけば、命を狙われる危険も、少しは減る。
考えたな。
アイツなりに。
学校でも大騒ぎだったな。
だけど先生たちも、至って普通だった。
生徒はかなりビックリしてたけど(笑)
先生が、腫れ物に触るような態度にならなかっただけ、安心したのだろう。
メイちゃんの家だけでなく、レンの義理の両親の家にお世話になったり、
カリフォルニア州にある本場のディズニーランドに行って、楽しかった。
そして、2週間に及ぶアメリカ滞在は終わった。
メイちゃん、めっちゃ寂しそうにしてたな。
メイちゃんが法廷で熱弁を振るってる姿、見たかったなぁ。
ハナもきっと、同じ気持ちだろう。
だけどそれが、思わぬ形で叶うなんて、予想していなかった。




