一夜
〈レンside〉
泣きながらそう訴えるメイに、理性崩壊。
…ドサッ。
まだ泣いている彼女を、ベッドに押し倒しながら深いキスを。
弱々しくオレの胸板を押して抵抗してくる。
「苦しかった?
…ごめん。」
それに…本当に俺でいいの?」
「謝らないでよ…
昨日の夜から…こうしてほしかっ…」
言いかけたままにして、もう一度、舌を絡める。
普段のメイからは、想像できない言葉。
「…オレの前でそんなこと言ったら、止まんなくなるよ!?」
「いい…よ?」
「クスッ…
ホント…メイ…どうしたの?
やけに素直じゃん?」
「だって…
欲しいんだもん…
蓮太郎が…」
照れているからか…
普段では考えられないほど小さな声で言うメイ。
「ホント…可愛いな…」
ベッドが音を立てたと同時に、オレとメイはゆっくりとお互いの手を絡め合いながら一つになった。
「平気?」
うっすら、メイの目には涙が。
「ごめん…
痛い…かな?」
「幸せなだけ。
私、今日が生まれて初めてよ?
幸せなんて単語を発したの。」
「メイ…」
「なんか…その言葉聞けて…良かった。」
「蓮…太郎…っ…
なんか…すごい…ふわふわしてるっ…
このまま…空を飛べそうなっ…」
そんなことを口走ったメイは、そのまま意識を手放した。
〈メイside〉
そう訴えた後、軽々とベッドに押し倒された。
そうしながらも、キスはしてくる。
だんだん舌が入ってきて、苦しくなってきたので、そっと…蓮太郎の胸板を押した。
ごめんって…謝ってくる。
苦しかったけど…嬉しかったよ?
ホントは…昨日の夜から…こうしてほしかったなぁ…
「謝らないでよっ…昨日の夜から…こうしてほしかっ…」
"こうしてほしかった"って言う前に、再び唇を塞がれた。
3回目だけど…。
だけど、嫌なワケじゃないから、素直に受け入れた。
「オレの前でそんなこと言ったら…止まんなくなるよ!?」
瞳の奥が妖しく光る。
「いい…よ?」
私がそぉ言うと、優しく微笑んで素肌に触れた。
私の身体にあるアザの痕。それを消すように、唇を這わせる。
こんな痕…オレが消してやるとでも言うように。
蓮太郎…優しいね。
こんなときでも。
だから好きなの。
「平気?」
蓮太郎が心配そうに私の顔を覗き込んでくる。
「なんで?」
「いや…泣いてるから…」
そう言われて…
頬に手をやると、涙が伝っていた。
私…泣いてるんだ。
きっと…幸せすぎるからだと思う。
私…今までの人生…こんな幸せだったこと…あったかな?
それくらい…幸せ。
蓮太郎によって、しばらく幸福感に浸っていた。
すると、ふと…身体がまるでジェットコースターに乗って急降下するような感覚に襲われて…
私は意識を無くした。




