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ボーダー  作者: きぃ
波乱
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34/46

答え

会議室に戻ると、楽しそうに会話している、メイと村西さんがいた。


「…村西さん。

メイと…何話してたんですか?」


「…ん?

ちょっと…な。」


いくら村西さんでも、そんな楽しそうに話されると…ムカつくんですけど。


皆でフードコートでお昼食べて、メイに付きっきりでマリオを教えてやった後、村西さんと遠藤さんとwiilをやった。

メイがかなりマリオ強くなってて、教えた甲斐があったってちょっと、自惚れちゃったり。


wiilをやっていたらもうすっかり夕方だったので、村西さんと遠藤さんにお礼を言って、2人で家に帰った。


メイ、大分心の傷、癒えてきたみたいだな。

脚のアザも…ね?


そんなことをメイに話した後、急にじゃんけんをしようって言ってきて…いきなりってこともあって…


負けたよ。


「これ…何のじゃんけん?」

「負けたほうが、夕御飯作る係りね?」


そういうことか。


「分かったよ。

…でもどうせ今日は、オレが作ろうと思ってたし。」


そぉ言って、魔導で鍵を開ける。


メイが不思議そうな顔をしていたが、すぐにニッコリ微笑むと、家に入ってきた。


オレはすぐに、キッチンに立つ。


「腹減ったろ?

すぐ作るから、部屋いな?」

パタパタと部屋に戻ったメイを見送って、料理の準備に取りかかった。


回鍋肉と杏仁豆腐を作り終え、メイの部屋へ。


「メイ~、夕御飯出来たぞ?」


そう言おうと思って開きかけた唇を、閉じずにはいられなかった。


「うっ…パパっ…ひぐっ…ごめんねっ…」


メイ…泣いてる?


また…泣いてんのかよ…


1人で抱え込まないで…オレに頼ってくれても…いいんだよ?


音を立てないよう…静かにドアを開ける。


「…メイ?」


オレの声に驚いたらしいメイは、弾かれたように、オレを見た。


「れん…た…ろっ…ふぇっ…」


「どーした?」


「蓮太郎っ…私っ…分かっちゃったっ…

検事としてのっ…答えっ…私っ…真相を追求するスタイルの検事に…な…るのっ…」


パパみたいに…カンペキな勝利なんか…求めないんだか…らっ…」


それを言うと、声を押し殺して泣いた。


怖かったんだよな…メイは。

自分のスタイルを180度変えることで…父親の存在がなくなるんじゃないかって…


「メイの父親は、ちゃんとここで生きてるって。

…だから…心配するな?」

そぉ言って、メイの胸元を指差す。


一瞬だけ泣いてるメイを抱き寄せてから、部屋を出た。

メイにはもう少し…泣かせておいたほうがいいと思ったから。


リビングに置いてある料理人ラップを掛けてから、浴室に向かった。


そしていつもより念入りに…頭や身体を洗う。


微かに、抱き寄せたときに…


「抱いて…」


って…聞こえた気がしたから…


入浴を終え、タンクトップにパーカー、スゥエットの下を着てリビングに向かうと、ちょうどメイが部屋から降りてきたところだった。


「泣いて余計にお腹空いたろ?

食べるか。」


「うん♪」


「美味しいっ!!

…蓮太郎…ホントすごいね…味、プロ並みだよ。」


「メイもな。」


そんな会話をしながら夕食を終えると…

メイが突然、


「蓮太郎…今から…ゲームをしない?

これが縦に5つ積み上がったら…私の言うことを2つ…聞いてもらうわ。」


ダイススタッキング…か。

「分かった。」


メイの願いなら…オレが何でも聞いてやるから…立ってくれっ!!


カップをシェイクする音が…止まる。


スッ…


カップをはずすと、ダイスが縦に5つ、きちんと積み上がっていた。


メイ…すげぇな…


まぁ…ダイススタッキングくらいオレも出来るけどね?

小さい頃、父さんに教わったし。


「で…お願いって…何?」


「……まだ秘密。

お風呂上がったら…話すから…

私の部屋で待ってて?」


何なんだよ…


「まぁ、いいや。

早く…入ってきちゃえば?」


メイの部屋に行き、着ていたパーカーを脱ぎ捨て、ベッドに寝転がる。


ホントにメイが…"抱いてほしい"って言ってきたらオレ…絶対理性持たない気がするんだよね…


オレ…大丈夫かな?


そんなことを考えていると、部屋のドアが開いた。


カチャ…


現れたのは、もちろんメイ。


ちょっ…メイっ…///


胸元から下を覆うタオル地のワンピースで、かなりゆるゆる。

しかも、髪の毛半乾きで、妖艶な香り纏って…


これ見て、理性飛ばない男なんていないからね?



「遅ぇ~よ。

ほら、早く寝ようぜ?」


「バっ…バカっ…///

それもまぁ…お願いのうちだけど…

とっ…とにかく…1つ目のお願い…聞いてもらうわ。」


いきなりのオレの発言にかなり顔を真っ赤にして言うメイ。


…可愛すぎ。


「はいはぃ…」


「あの…ね…。

仲直り…してほしいんだ。…宝月主席検事さんと。

あの…TM-10号事件以来、連絡とってないんでしょっ…」


「それ…村西さんから聞いたの?」


「うん…」


「そっか。

…だけどその願いだけは聞けっ…「バカっ!!」」


オレの言葉を…今までにない強い口調で遮る。


「あんた…本物のバカね!カガク捜査官目指してるときっ…

例えその意義がわからなくなったとしても…絶対諦めなかったでしょ!?

目の前の問題から…逃げなかったでしょ!?

なのに…何で今は逃げようとするの?

私は…そんな蓮太郎はキライっていうか…見たくない。

巴さんは…蓮太郎のことを嫌ってたわけじゃない…

幼なじみのことでいっぱいいっぱいだろうからって…わざと連絡しなかったんだよっ…」


目を潤ませて訴えかけるメイを見ていると、理性を保っていられなかった。


「んっ…」


力強く…メイの唇を奪う。

「そうだよな…

逃げなかったからこそ…今のメイがあるんだからな。オレも…姉さんと話してみるよ。」


「蓮太郎…」


メイのやつ、また…泣いてるし。


ホント、泣き虫なヤツ。


「蓮太郎っ…おねがっ…抱いてっ…」


「え…」


〈メイside〉


FBI本部でマリオやって、蓮太郎と2人で家に帰った。

家に帰ってしばらく、村西さんと巴さんに言われたことを思い出していたら…

答えが出てしまった。


…自分の…検事としての…答え。


"カンペキな勝利"ではなく、"真実を追求する"検事に…なるんだ。


でも…そうしたら…自分の中の…"狩魔"の…パパの面影が…無くなっちゃうんじゃないかって思うと怖くて…

パパへの依存から抜け出すのは…やっぱり…少し寂しいし…ツラいな…


「うっ…パパっ…ひぐっ…ごめんねっ…」


何か…また涙が出てきた。パパのことではもう泣かないって…

お葬式の日に誓ったのに。

「…メイ?」


誰かに声を掛けられた気がして、涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔を上げると、そこには蓮太郎が。


「れん…たろ…ふぇっ…」


優しく微笑んで、どうしたの?

って聞いてくる。


「蓮太郎っ…私…分かっちゃったっ…

パパみたいに…"カンペキな勝利"なんかっ…求めちゃダメなんだっ…"真実を追求する"検事にならなきゃこの先…やっていけないっ…」


「大丈夫。

メイの父親は、ちゃんとここで生きてるって。

な?」


蓮太郎は、私の胸元に指を押し当ててからそう言うと、私をほんの一瞬抱き寄せた後、部屋を出た。


何なの今の…

まるで、私の考えていることが全て見抜かれているような感じがした。

蓮太郎…もしかしてエスパー?


しばらく泣いたら、何だかお腹が空いてきたので、リビングに降りると、お風呂上がりの蓮太郎と鉢合わせた。

下はスウェットだけど、上はタンクトップにパーカーって…

ヤバいくらい色気を感じるんだけど…///


蓮太郎の作った回鍋肉と杏仁豆腐を食べ終え、カップとダイスをテーブルに置く。


「…蓮太郎、今からゲームをしましょう。

…このダイスが縦に5つ積み上がったら、私のお願いを2つ、聞いてもらうわ。」


蓮太郎はすでに、この「ダイススタッキング」を知ってるみたいだった。

村西さんに教わった通り、慎重にカップの中でシェイクをしつつ、ダイスを積み上げていく。

ダイスが縦に5つ積み上がったため、お願いを言う…前に、お風呂に入ることにした。


「お願いを言う前に…お風呂入ってくるから、私の部屋で待ってて?」


そぉ、言い残して。



いつもより、かなり丁寧に身体や頭を洗い、いつもは塗らないボディバターを塗ってから、軽く髪の毛を乾かすと、少しサイズが大きめの星柄ベアワンピを着る。


そして、私の部屋に行くと、ベッドに蓮太郎が寝転がっていた。

…しかも、白のタンクトップ姿で。

ヤバっ…

今までパーカーの袖に隠れてたから分かんなかったけど、結構、筋肉あるのね…///

二の腕とか…


「遅ぇーよ。

ほら、早く寝ようぜ?」


その言葉に…まるで…抱いてほしいって思っていることをすでに分かっているかのような口ぶりに…

顔が真っ赤になった。


「バカっ…///

まぁ…それもお願いのうちの一つだけど…」


だけどその前に…あのこと…言わなきゃ…


「宝月主席検事さんと…仲直りしてほしいの…口…きいてないんでしょ?

TMー10号事件以来…」


私がそぉ言うと、それはちょっと…

と言って、言葉を詰まらせた。

それを遮るように、強くバカっ!!

って言う。


「本物のバカね…

…蓮太郎は…カガク捜査官になることの意義が分からなくなっても…諦めないで…前に進んだ。

なのに…今逃げてどうするのよ…」


その…前に進むことの大切さを…教えてくれたのは蓮太郎だよ?

目に涙が溜まるのが分かった。


「んっ…」


蓮太郎に強く唇を塞がれる。


「そうだよな。

メイはそのおかげで、答えを見つけられたんだもんな。

オレ…姉さんと会うよ。」

蓮太郎がそぉ言ってくれたことが嬉しくて…

気が付いたら涙がこぼれていて…こう…口が勝手に動いてしまっていた。


「蓮太郎っ…

おねがっ…抱いてっ…」








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