ドキドキ……
食器洗い機を回し終えて、ホットミルクも飲み終わり、もといたソファーに座ろうとすると…
「メイー?
あがったけど…」
蓮太郎の声が。
…心臓の音が速くなったのが分かった。
その、お風呂上がりの姿を見て、顔を赤くせずにはいられなかった。
「ちょっ…///蓮太郎っ…」
パパが昔よく着てたものだから、サイズが大きめっていうのは分かってたつもりだけど…いくら何でも…胸元とか…はだけすぎでしょ///
4年前はさほど気にならなかったのに…
今は何でこんなエロく感じるの?
ただカッコイイだけじゃなくて…
色気があるからかな?
ひたすら彼を見上げていると…
「何?…似合わない?
ってか…そんなに顔赤くしちゃって、どうしたの?」
彼が、いつもとは全然違う妖艶な笑みを見せる。高校生とは思えないほどの色気が溢れ出ていた。
蓮太郎…何か…顔がヤラしいよ…?汗
今蓮太郎にぎゅってされたら多分、心臓の音が聞こえちゃうんじゃないかってくらい…バクバクいってる…(泣
「べっ…別に?そんなことないってか…似合ってるよ?すごく…」
ぎゅ…
ほんの一瞬だけ、抱き寄せられた。
あれ…?
気のせい…かな?
蓮太郎の心音…聞こえたのはほんの一瞬だったけど…早かったような気がする。…何でかな?
私は…自分の心臓の音を蓮太郎に聞かれてないか気になって、彼の心音を聞く余裕、なかったんだからっ…///
「じゃ、これでバトンタッチな?
次、メイがお風呂入る番だよ?」
私は、早足で浴室に向かった。
ビックリした…
あんな艶のある低い声を耳元で至近距離で聞かされて…倒れるかと思ったよ…
お風呂から上がって、いつ蓮太郎と何があってもいいように、いつもはざっとしか塗らないボディーバターを、丁寧に塗り込むと、キャミソールとショートパンツに、ケープみたいなショート丈のものを羽織って、リビングに戻る。
ソファーでうたた寝していたらしい蓮太郎は、私に気付いて目を開けた。
私がもう少し遅かったら、寝ちゃってたのかなぁ。
「…眠いの?」
彼の側に近寄りながら尋ねた。
「ああ…って…メイっ…///」
「んー?」
ソファーの傍らで伸びをしながら、そぉ答える。
「あ…いや…何でもない… …メイは自分の部屋で寝ろ?
オレはここでいいよ。」
「ダメだよっ…
風邪引いちゃう…
一緒の部屋で寝よ?」
「そんなことオレの前で言っていいの?
襲うよ?
ってか…お前…あんなことあったばかりなのに…大丈夫なのか?
…でもまぁ、メイの部屋でも、夕方寝てた体勢なら、問題ないだろ?」
「うん」
そう答えて、2人で私の部屋に向かう。
〈レンside〉
やべー。
何とか抱き寄せるだけで済んだわ…
何かメイ、オレが風呂から上がった後からやけに顔が赤かった気がして…しかも「似合ってる」
って上目遣いで言ってきて、若干胸元見えてんだぜ? 危うく、ソファーに押し倒すところだったよ…
だけど、誘うようなことするメイも悪いんじゃねぇ?
オレが何とか理性飛ばさずに済んだからいいけど…
あのままだったら100%…メイを抱いてた。
あんなことがあった後だってのに…
メイはそれで良かったのかよ…
そんなことを思いながらも、メイを抱いてる自分を妄想していたりもする。
…だけど…まだ付き合ってもいないのに、抱くなんて…
とも…少し思うんだけど。
まぁ、メイがもし…
そうしてほしいって言うなら…
そのときは優しく…抱いてやるよ。
そうできる自信は…ある。
理性飛ばない限りは…ね?(笑)
そんなことを考えていたら、いつの間にかソファーでうたた寝をしてしまっていた…らしい。
パタパタ…
メイのスリッパの足音に気付いて目を開けると、近くにキャミソールとショートパンツを着たメイがいた。上着は着ているものの、丈が短すぎる。
…しかも、キャミソールから下着のヒモまで顔を覗かせている。
「眠いの?」
「ああ。
…って…メイっ…///」
んー?
と、伸びをしながら答えるメイだが、キャミソールからおへそ部分がモロ見えだ。
ちょっ…///
本人は無意識なんだろうけど、オレには誘っているようにしか見えない。
万が一、襲ってしまうと困るので、ソファーで寝ると言ったが、風邪を引くからとメイに止められた。
一緒の部屋で寝ようと言う彼女に言った。
「オレの前でそんなことを言っていいの?
襲うよ?
あんなことがあったばかりなのに…大丈夫?
まぁ、メイの部屋で寝るとしても、夕方寝てた体勢なら問題ないだろ?」
メイも、あんなことがあった後だからこそ、1人は心細いだろうし…
2人で階段を上がって、メイの部屋に向かった。
「懐かしいなぁ…4年前も確か、こぉやって寝てたよね。
私がベッドで、蓮太郎が布団。」
「そぉだっけ?
…あんま覚えてないや(笑)」
「メイはさ、まさか…検事辞めたりとか…しないよね?」
ふと気になった。
姉さんも一時は検事を辞めることも考えたらしいから…
「いろいろ迷ったりはしているけど、辞めるほどじゃないわ。
…まだ全然、宝月主席検事みたいには…なれていないから。」
………!!
姉さんの名前を聞くと、あの事件を思い出す。
ねつ造された証拠で、連続殺人犯の有罪を立証した…あの事件。
今日報道されていた事件とほぼ同じだ。
そのことをオレだけは知らなかった。
姉さん…何でオレには何も話してくれなかった?
姉さんはオレを信用していないのか?
アメリカにいるから負担をかけたくないっていうのかもしれないけど、ショックだった。
それからオレは一切、巴姉さんとの連絡を絶った。
だとしたら…思い出さないはずなのに…何でオレ…姉さんの名前を聞くだけで…思い出すんだろ…
自分でも…よく分からないや…
「…そっか。
オレももう寝るから、早く寝ろよ?
おやすみ。」
上手く笑顔を作れていたかはわからないが、そぉ言って、そそくさと布団に入った。
〈メイside〉
布団を敷き直している彼に、4年前もこうして寝ていたことを覚えているか聞いてみると、あまり覚えていないみたいだった。
「メイはさ、まさか…検事辞めたりとか…しないよね?」
「いろいろ迷ったりはしているけど、辞めるほどじゃないわ。
まだ全然…宝月主席検事みたいには…なれていないから。」
……?
ふと、蓮太郎の顔を見ると、何かを考えているような感じだった。
それは、朝、検事局のニュースをやっていたときと同じ表情で。
…巴さんの名前を出した瞬間から…こぉなった。
巴さんと…何かがあったんだ。
分かるよ?
蓮太郎のこと…好きだもん。
好きだからこそ、好きな人の全てを知りたいって思うの。
言わないのなら、無理やりにでもキッチンに置いてあった、村西さんが作ったであろうノンアルコールの、あのカクテルを飲ませて聞き出すつもりだった。
あれには…何か秘密がある。
それだけは…わかっていたから。
「蓮太郎っ…私っ…「…そっか。疲れたろ?オレももう寝るから、メイも早く寝ろよ?おやすみ。」
『蓮太郎っ…私っ…私、知りたいのっ…宝月主席検事さんとの間に何があったの?
私は…ツラいこと…蓮太郎には話したのにっ…
私には…話してくれないの?』
蓮太郎にそう言おうとしたけど、本人の言葉が重なって聞こえなかった。
それについては明日知ることになるなんて知らずに、私は眠りについた。




