表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ボーダー  作者: きぃ
波乱
PR
30/46

過去

ザァッ…


メイ、ホントにしっかりしてるよな…主婦みたいだったぜ?

シャワーを浴びつつ、メイとの結婚生活を想像しながら考える。

なぜメイが高校生にして一人暮らしなのか、オレは知ってる。


…4年前のある事件。


その真犯人が、他ならぬメイの父親だった。

もう死刑が執行されているから、今は…もう、いない。


それから数ヶ月後、今度はメイの母親が姿を消した。

『メイへ。

お母さん、しばらく帰らないけど、心配しないでね?』


という1枚の書き置きを残して。


…日本で有数の自殺の名所、おぼろ橋。

その下を流れる川は、急流で死体が発見されにくい。この橋付近で、メイの母親らしき人を見た、っていう目撃情報もあるけど、真実は分からず、生死不明だ。

そぉいえば、メイの母親が失踪した夜も、この家に泊まったなぁ。


今度は乳白色の湯舟に浸かって、考える。


両親を亡くしたオレは、この国の親戚の家に預けられたけど、身寄りがなかったメイは、一人暮らし同然なワケで。

…そぉ考えるとオレって…幸せもんだよな…

何度か義理の両親(親戚)の家に泊めてやったりもしたけど。

「寂しい」とか一切言わないメイは、ホントに強いなぁ。

…そんなメイは、オレが守ってやらなくちゃいけない。

普段は強がってるだけで、ホントは寂しがり屋だってこと…


オレは知ってるよ?

お風呂から上がると、用意されていたのはバスローブ。


いくら何でもこれ、テキトーすぎるだろ。


ったく…あれ?


だけど…バスローブって…1回メイの家で着た記憶あるな…


オレはバスローブを着て、脱衣所のドアを開けた。


「メイー?

あがったけど…」


そぉ言ってリビングのドアを開けると、顔を真っ赤にしてオレを見上げるメイがいた。


「ちょっ…///蓮太郎っ…」

「何?似合わない?

ってかそんなに顔赤くしちゃって、どーしたの?(妖笑)」


「別に?そんなことないってか…似合ってるよ?

すごく…」


上目遣いでそれ言ってくるとか…マジ反則だからね?

しかも…胸元…見えてるんだけど?


ヤバ…理性が…///


ぎゅ…


「じゃ、これでバトンタッチな?

次、メイがお風呂入る番だよ?」


ほんの一瞬、メイを抱き寄せた後、浴室に向かわせた。

〈メイside〉


……多分、シャワーでも浴びてるんだろぉな。

そぉ思って、そっと着替えのバスローブを持って脱衣所のドアを開ける。


…蓮太郎は、覚えててくれてるかな?

あの日、お母さんが失踪して、蓮太郎が初めてこの…私の家に泊まったときにも…着てたものだよ?


…ライトが明るいせいかな?

よりくっきりと、蓮太郎のシルエットが映る。

ほどよく筋肉の付いた逞しい身体。

…そこからは、かなり色気が溢れ出ている。

ドア越しなのに…それを見るだけで、私の身体が急速に熱を帯びる。



蓮太郎になら…


抱かれてもいいとか…


思っちゃう。



私、重症なのかな?



それにしても、こうして2人でいるの…久しぶりだなぁ…


やっぱりどうしても…


4年前のこと…思い出しちゃうなぁ…


─4年前


ある朝、普通にご飯食べようと思ってリビングに下りたら、テーブルの上の書き置きに目が止まった。


『メイへ。

…お母さん、しばらく帰らないけど、心配しないでね。』


そのメモの裏には…


"ごめんね…メイ。

…ありがとう。"


って…何だか…とてつもなくイヤな予感がしたのを、今でもハッキリ覚えている。

…ママが自殺しちゃうんじゃないかって怖くなって、ママを捜そうと家を飛び出して…誰かにぶつかってしまった。


それが…蓮太郎だったの。

今、目の前にいるのはママじゃなくて、蓮太郎なのに…

なぜか安心した私は、彼の足元で泣き崩れてしまったのよね。


「蓮太郎~っ…ママがっ…うぇっ…」


そんな私を抱き起こして、ぎゅってしてくれた彼は、優しく声を掛けて、リビングに連れて行ってくれた。

やっぱり彼も書き置きを見て、私と同じことを思ったみたい。


「メイ…これ…まさか…!」

「うん…だけどね…ママ、昨日もいつも通り、優しかったよ?」


「それなら…大丈夫。

…メイが思ってるような結果には、絶対なっていないって。」


そぉ言って抱きしめてくれる彼が…私と同じく13歳だったのに、すごく男らしく見えて…彼の胸でひたすら泣いた。


家事は、洗濯以外は全てやってくれたし、私が落ち着くまで家にいてくれた。


……この日、なぜか勝手にシャワーを借りていた彼に、何となく、浴室の側にかけてあったバスローブを置いておいてあげたんだよね。

それと同じものをタオルと一緒に置いて、リビングに戻った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ