クリスマスパーティー
〈ハナside〉
……日記読んでビックリした。
伊達さんと、明日香さんと…それに室長が…
実の兄妹だったなんて。
…しかも、近親相姦って(--;)
だけど、戸籍見る限りバレないでしょ?
名字全然違うからね。
…一見すると兄妹だなんて分からないよ。
……伊達さんはカナダにいるとして、明日香さんはどぉしたんだろ?
「…明日香は、カナダ行ったんじゃないかな?
まだ出国準備かな?
それは分からないけど。」
そぉ言って、室長登場。
「……。
す…すみません…
勝手に…見ちゃって…」
急いで謝る。
「…どうせいつかはバレてたんだ、別に責めたりしないよ。」
「……あ、室長、伊達さんと明日香さん、
23日までに帰ってこれますか?
今年は皆でクリスマスパーティーでもやろうかと思ってるんですけど…」
「お。
いいな!
…でも、ギリギリかな。
夜にやるなら帰って来れるかも。」
「あ、そうですかっ!
じゃあ、2人にそう伝えておいてくれますか?」
「…了解。」
…それから3日。
12月23日の、夜7時。
エージェントルームで盛大に、クリスマスパーティーが行われた。
と、その前に、
室長からお話が。
「皆、聞いてくれ。
…長らく、このエージェントルーム内に唯一あった
"エージェントルームの社員同士は恋愛禁止"
というルールを今、この瞬間から撤廃する!」
皆からの歓声がパーティー開始時より大きい。
「…そして、もう1つ。
盛り上がっているところ悪いが、
新入社員を紹介する。
…柊 志穂だ。」
その人が丁寧に挨拶する。
「……柊 志穂です。
高校の教師やってます。
…副業は、洋服屋"ASU・USA"の店員です。
よろしくお願いします。」
エージェントルームの皆が、温かい拍手で迎える。
……パーティーも中盤に差し掛かった頃、
伊達さんと明日香さんが到着した。
本日の主役に、皆が口々に言葉をかける。
「ごめんごめん、なかなか時差ボケが抜けなくて…」
「仕方ないですって♪
食べましょ!」
「ハナがいつまで経っても食べないのが悪い。
…食べたいの?
仕方ないなぁ。」
ミツは、微笑んで私に顔を近づけると…
…ちゅ。
「んっ……」
舌が入ってきたと思ったら…
超絶……甘っ……
…さっきのケーキ!?
「どう?
美味しい?」
「うんっ♪」
こんなことしてたら、伊達さんに冷やかされた。
口移しなんかして…
相変わらずラブラブだなって…
自分たちもじゃんっ!!
ふふ。
バレバレですよ?
ラブラブしてきたの…
明日香さんが着てる、肩部分のみが、かぎ針編みになっている白ニットから、
多くのキスマーク…
見えてるんですよ?
見てるこっちが恥ずかしいって…///
食べて、飲んで、騒いで…
エージェントルームのクリスマスパーティーはかなり楽しかった。
最後のほうに、
伊達さんが明日香さんと結婚するとかって…
言ってた気がする。
正確な日時は分からないけど。
絶対結婚式、
行ってあげよ♪.
伊達さんと話していると、横から伸びてきた手が、私の皿からケーキを奪った。
「ああ~っ!!
それ、私が食べようとしてたケーキ!」
犯人はミツだ。
〈明日香side〉
……日本時間12月21日朝7時。
…カナダでは、12月20日午後23時。
飛行時間も考えると、今から行けば丁度半年、経つ。
…徹と離れてから。
っていっても、私の誕生日には電話とメールくれたけどね。
職場には有給休暇もらってるし、準備も終わったし、Let's Go!!
空港に着くと、カナダ行きの便が午後までない。
もうすでに離陸してしまっていた。
…そんなぁ…
早く、徹に会いたいのに…(泣)
…仕方なく、出国審査を済ませた。
…すると…
「南 明日香様ですね?
…どうぞ、飛行機にお乗り下さい。
もうすぐ離陸いたします。」
えっ!?
何が起きたのか…よく分からないけど…
とにかく、飛行機に乗り込んだ。
…それから、数十時間。
無事にカナダの空港に到着して、入国審査を終えて、ターンテーブルに荷物を取りに行くと…
私のキャリーバッグを持った…私の1番愛しい人がすでにそこにいた。
「……徹っ!!」
「明日香…っ!」
一目も気にせず、抱き合って何度もキスをする。
「向こうで何もなかったみたいで、かなり安心したよ…」
「…徹こそ…ね。」
2人で手を繋いで、私たちの両親の家に向かう。
…すると…
「明日香…?
明日香…ごめんね?
あなたに…迷惑ばかりかけて…」
「本当に…済まなかった…会社での評価ばかり気にしていて…
母さんや明日香のことにまで気が回らなかったんだ…今はこの通り…
母さんと明日香が1番大切だから…」
私の親戚…いや、義理の両親が土下座して謝ってきてくれた。
「私こそ家出したりしちゃったし…ごめんね?」
「いいのよ?
そんなこと…
…どうせ、そこにいる彼の家にでも同棲してたんでしょう?」
な…何でバレてるの?
その横で軽く舌を出している徹を見て、確信。
…徹が言ったのか…
「もう…してもいいんじゃないの?
…結婚でも。」
え?
私のお母さんが口を挟んでくる。
「あら。
…結婚するの?
私は、別に止めないわよ? この半年間で…徹と明日香の想いの強さはよくわかったし♪
戸籍も、明日香は一応、"南"家の子ってことになってるんだからね?
その点も安心よ。」
えぇっ!?
義理の母まで…汗
徹なんて…
ありがとうございます…明日香がお世話になりました。
とか言って真剣な目をしてるし…
…っえぇぇ!?
もう、なんか結婚する前提になってるし!
その後、お母さんから結婚するつもりなら時間のあるときに行くといいわよと招待状を渡された。
そして時差ボケで体調がすぐれないから、徹と2人、部屋でしばらく休んでいたんだけど…
…徹がいきなり…
「しよ?」
って言って深いキスをしてきて…
ベッドに倒されてからはもう、されるがままで…
だけど…嬉しかったよ?
徹と…久しぶりに一つになれて。
「疲れたろ?
今日はもうしないから…
寝てな?」
徹…優しすぎるよ…
してる最中はドSなのに…
…コンコン。
外からのノックの音で目が覚めた。
「明日香?
ちょっと…いいかしら?」
やばっ!
私…今何にも着てないのに…(涙)
…と思ったら、いつの間にか服を着ていたらしい徹が出てくれたみたい。
「…わ。…と……わね?」
「……った。……と。」
まぶたも重いし、何より腰が痛い。
だから、会話もほとんど聞こえなかった。
「…明日香?
起きてる?
…今年ハナたちがエージェントルームでクリスマスパーティーの計画してるみたいだよ。
…行くには、すぐ帰らなくちゃ。」
もう…帰るの?
もう少し…お母さんたちといたいのに…
それに、招待状のことが気になる。
「…帰れば、分かるよ?
…何もかも…ね。」
そうなの?
お父さんとお母さんに先に帰ることを言って、飛行機に乗り込む。
…あれ?
まだ離陸してない…?
もう時間過ぎてるのに…
…行きと同じだ。
って…あれ?
機長さんの声…
私の義理のお父さん?
私の義理のお父さんのお仕事…飛行機の機長さんだったんだ…
「……なるほど。
頭いいなぁ。
……さすがの空港関係者でも、機長が離陸時間を遅らせろって直々にお願いしたら、断れないわけだ。
乗客の中に自分の家族がいればなおさら…な。」
感心しきりの徹と2人で向かった先は、エージェントルーム…ではなく、
超高層ホテル。
…招待状に書かれていた場所だ。
本館と…もう一つある!?
「ビックリした?
本館は主にレストランで、もう一つのタワー館は宿泊部屋よ?
19時から2時間のクルーズの間に式を挙げることも可能だから、
…徹と明日香の好きなようにしていいわよ?
どっちみち進行役は私だけど。」
え!?…この声…
義理のお母さん?
「ふふ。
このホテル…明日香の実の両親から頂いたの。
『明日香を養ってくれるならお礼に』って。」
まさかまさか…お母さん…ホテルに住んでるのぉっ!?有名人やら大金持ちがそぉいうことしてるって聞いたことあるけど…
結婚したらあなたたちに権利を譲渡するから、住めるわよ?
とか言うけど…
じゃあさっきまで私と徹がいた家は?
大体、さっきまでカナダにいたはずの義理の両親がなぜ日本にいるの?
「ん?
更正のために国外にいる間も仕事が溜まっててね…いいかげんクライアントの話を聞いてあげないと…」
義理のお母さんの仕事は、ブライダルコーディネーターらしい。
結婚式に関するあらゆる相談に応じる仕事。
さらに聞いた話、私と康兄ちゃんと徹を産んだ人が…いくつもの会社を子会社とする"柏木グループ"の社長だったみたい。
このホテルもカナダのあの家も、エージェントルームの敷地も全てその人のものらしい…
スゴ…
船上まで案内してもらう間、ずっとその話をしてた。
〈徹side〉
…明日香と離れて、半年が過ぎた。
電話は、明日香の誕生日にしかしていない。
でも…今日…また会えるんだ!!
空港に行き、ターンテーブル付近で荷物を眺めながら待っていた。
見覚えのある、黒地にリボン柄のキャリーバッグ。
…明日香のだ。
それを持って立っていると…
その"持ち主"が、オレの名前を呼びながら走ってきた。
「明日香……っ!」
明日香は、肩部分が編み目からチラ見えする白ニットに、ドット柄のミニスカート。
その上には、前の旅行の時にも着ていた白コートを羽織っている。
そんな彼女とぎゅっっと抱き合って、何度も唇を重ねた。
2人で兄さんの両親…(俺と明日香の両親でもあるのかな)の家に向かう。
いきなりお母さんとかは呼びづらいから、
「おばさん」って呼ぶことにしてる。
あっさりと「お母さん」って呼べる明日香はすごいな…
ドアを開けるなり、明日香の義理の両親が…明日香に土下座して謝ってた。
…どうやら完全に、更正できたみたいだ。
でもなぜか…
「あなたたちは…
結婚…しないの?
別に私たちは止めないわよ?」
って…いきなり言ってくる。
け…結婚?
オレと明日香が!?
「そうよ。戸籍上は"南"家の子なんだし、全然問題ないわよ。」
明日香の義理の母親にまで言われてしまった。
…でも…結婚かあ。
そろそろいいかな。
その後オレは、体調がすぐれないという明日香を連れて、部屋に行った。
時差ボケがひどいみたいだが、無防備に部屋のベッドに寝転がっている明日香を見ると、襲いたくなる。
んな、肩とか脚が出過ぎた服着て可愛い顔してる明日香が悪い。
「しよ?」
オレはそぉ明日香の耳元で甘く言うと、深くキスをしてベッドに押し倒す。
「やべーごめん。
今日は…半年前みたく、優しくできねーかも。」
そぉ言いながら、明日香の弱い部分を指で弄ると、甘く鳴きながら果てた。
「明日香…早すぎじゃない?
…そんな…オレが欲しかったの?」
もっと焦らそうかと思ったけど、結局オレ自身が我慢できなかった。
「あっ…んっ…あぁァッ!」
明日香がオレを激しく締め付けながら果てたと同時に、オレのが中に注がれた。
「ごめっ…中っ…///」
"大丈夫"
って…顔を真っ赤にして言う姿がとても愛らしかった。
「疲れたろ?
今日はもうしないから… 寝てな?」
明日香を寝かせて、数時間後、おばさんが部屋をノックした。
明日香は寝ているし、それ以前に服着てないだろうと思って、オレが出た。
部屋に戻ると、明日香はすでに起きていた。
…起こしちゃったかな?
そんな明日香に、招待状を兄さんに渡すことと、今年はハナという可愛いリア充の女の子の提案で、エージェントルームでクリスマスパーティーをやるので、すぐに帰らないと間に合わなくなることを伝えた。
一瞬だけ寂しい目をしたけど、そういうことならすぐに帰ろうと言ってくれた。
明日香の義理の父が操縦する飛行機に乗って日本に向かう。
到着すると、エージェントルームではなく…あの招待状にあったホテルへと歩いた。
本館と、もう1つの建物に別れているのを知ってあぜんとしていると…
「本館はレストランで、もう1つのタワー肩館は宿泊部屋よ?
夕食はクルーズの上でも食べられるから、そのついでに式を挙げてもいいかも。」
…背後から、聞き慣れた声。
…明日香の母さん!?
明日香の義理の父が飛行機の機長だってことは知ってたけど…
まさか明日香の義理の母親がブライダルコーディネーターだったとは…
しかも…このホテルも、カナダの別荘も、明日香とオレがこの間まで同棲していた家も…全ておじさんの…柏木グループのものらしい。
オレも明日香も兄さんも、お坊ちゃま、お嬢さまってこと!?
な…なんかスゲェ…
明日香の母さんが船上に案内してくれた。
そこでオレは…
「オレの側にずっといてくれるなら…一生幸せにするから。
……結婚しよう」
って言って…明日香をぎゅっって抱きしめてから、薬指に指輪をはめる。
ダイヤモンドのある、"本物"の指輪。
はめてやったら、明日香が号泣してた。
泣くほど嬉しかったなら、オレとしても、これほど嬉しいことはない。
何回唇を重ねても足りなくて、最後に舌を絡める深いキスをした。
気付いたら21時を過ぎていたので、急いでエージェントルームに向かう。
といっても、エージェントルームの扉は無限にあって、
「そこに入りたい」
と願えば勝手に現れてくれるのだ。(ただし、ブローチを持っている人のみ。)
すでにパーティーは始まってしまっていたが、皆かなり盛りあがっていた。
室長…いや…兄さんに聞くと、
唯一のルールであった
"エージェントルームの社員同士は恋愛禁止"
というものを撤廃したらしい。
…その隣には彼女らしき人が。
そぉいうことか。
明日香とは対照的に、派手めな格好が似合う子だな…
だけど…気のせいかな?
目元が、何となく明日香に似ている気もする…
だけどそれはあらゆる意味で、気のせいではなかったんだ…
兄さんにカナダであったことを軽く話すと、
「結婚?
いいんじゃないか。
少しでも可能性があるならこの場で皆に伝えておいたらどうだ?」
なんて言ってる。
…でも、明日香も言っていいよ的な目をしていたから、皆の前で堂々と宣言した。
「いきなりなんですが、オレと明日香、近いうち結婚します!
まあ、日時とか決まったら皆に招待状送るので、来て下さいね!」
オレはそぉ言って同僚からの質問に一通り答えた後、兄さんが締めてパーティーはお開きになった。




