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第98話 下着の穴はひとつ目までセーフ、ふたつ目は捨てるか悩む

【毎日更新】

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嬉しくて踊ってしまいます。


学校が半日だった金曜日。

そのまま帰るのももったいなくて、特に欲しいものはないんだけどモールに寄ってブラブラしていた。


「お?おお!」


さっき買ったフラペチーノを啜ってると、今まで興味を持ったことのなかったお店のマネキンに目が止まった。

私が着るには小さすぎる、いわゆる子供服のお店。

その店先に宣伝のために置かれているマネキンが着ていた服がすっごく可愛いの。

ライトブラウンのスカートなんだけど、落ち着いた雰囲気の中に子供らしい明るい差し色があるんだ。

こういうちょっと背伸びをしたデザインに小さいときは憧れたな。


「大人の女性が子ども服を着ているのは、企画ものみたいで私は好きよ。

 ぜひ着て欲しいわね」


隣を歩いていた友達がぼそりと。


「私が着るんじゃないよ、ぼっけなす」


あと企画ものって何?


「妹に似合いそうだなって。

 ちょっと見ていい?」


もちろんと頷いてくれた。

足取り軽くスキップでマネキンに歩み寄りまじまじとみた。

へー、生地の手触り良いな、うわ縫い目もすごい丁寧。

ちょっと高そうだけど、子供服だしそんなだよね?

ピラッと隠れていた値札を見た。


「2万4千円。

 ずいぶん高いわね、ここブランドなのかしら?」


なんて店だろうと看板を見上げる友達をしり目に、私はカバンから財布を取り出した。


「やめなさい、あなたのお小遣い4か月分よ、ワンシーズン分よ」


その手をガッと掴まれた。


「離して。

 値札を見て躊躇うなんて、妹よりお金を選んだみたいで私は耐えられない」

「当たり前だから。

 値段で買うかどうか決めるのは当たり前だから」


こともあろうに財布を取り上げた友達は、私のカバンの中につっこんで戻した。

お年玉の残りで特攻すれば買えるのに!


「妹ちゃん8歳よね?

 成長期だから1年後には着れなくなるのよ?」


何もわかってないなこやつは。


「だからじゃない。

 今の妹は今しかないの、今を逃したらもういないの!」

「貴方の妹ちゃんは、今年も来年も再来年も、ずっとずっと可愛いから安心なさい」

「そんなの当り前じゃない?

 バカなの?」

「ああもう、面倒くさいなこのシスコンは」


友達に制服の襟首をつかまれるとずるずると引きずられる。


「はいはい、あっちにしまむらがあるからそっちで買ってあげましょうね」

「そこも大好きだけど、大好きだけど!さっきのが可愛い!」

「はいはい、似たの探そうね。

 あと貴方の3枚1000円のインナーや下着も買い足そうね」

「さすがにもう少し高いわ!」

「はいはい、2枚1000円だったわね」

「……見たことないのに何で知っている?」

「穴が開いているのを着てるのも知ってるわよ」

「ほんとになんでだよ!」


-次回予告-

君に届け”I LOVE YOU"


挿絵(By みてみん)


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嬉しくて踊ってしまいます。


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