第99話 午前1時のアイラブユー
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「もう許して」
『何言ってるの、今夜は眠らせないわよ?』
「やだぁ、もう無理」
『ふふ、そう言いながら体は正直ね?』
友達が小声で囁いている。
時計の針は深夜1時を指していて、私の家は静寂に沈んでいた。
そんな中、私の枕元でスマホが薄っすらと光っていた。
「あのさ」
95%はもう寝ている脳みそがなんとか言葉を作る。
「寝落ち通話したことないから、やってみたいって誘ってくれたよね」
『ええ』
「あんたの声がその日最後に聞く声なのも悪くないって、私も思ったの」
『……光栄よ』
んあー、頭がぼやけて自分が何言ってるかイマイチわかんない。
弱みになるようなこと言ってないよね。
「寝落ち通話なんだから寝ようよ、3時間経過だよ」
『もう寝るの?』
「もうじゃねえよ、私が寝そうになるたびに大きい声出して起こしてくるし」
『声をもっと聞いていたくて』
「私の声なんて聞き飽きたでしょ」
『いいえ、そんな日は来ないわ』
「んなわけ……」
『そんなわけあるわ。
だから今日も誘ったのだし、ずっと好きでいる自信があるの』
機能停止した98%の脳みそ。
残った2%が会話がなにかズレていることに気がつく。
少し惚気てくれてるのは嬉しいけど。
「あんた初めてだから勘違いしてるかも」
私も初めてだけど寝落ち通話が何かくらいは知ってる。
ちょっと憧れもあったし。
「寝落ち通話ってさ、いつまで寝ずにいられるか競うことじゃないよ?」
『違うの?』
「なんでそんなチキンレースすんの」
『寝落ち耐久通話のことかと』
「”まだ寝ないの?”、とか、”寝言聞かれたら恥ずかしい”、とか。
そらもうカップルがイチャコライチャコラ、くっそつまんない自己欲求をフルチャージするための儀式よ」
もうだめだ、バッテリー切れ直前のハイパー省エネモードに思考がおちいっちゃってる。
お願いだからそろそろ寝よ?
『カップルのプレイか』
クスクスと控えめな笑い声。
『なら私たちには似合わないわね』
まあ確かに友達だけどさ。
「それは寂しいな。
私は……楽しいし嬉しいよ。
すぐ寝ちゃうかもだけど……またしようね?」
『どういう意味、なの?』
「だから、わたしはぁ……」
『……』
「……」
『……』
「……………すー」
『おい、今だけは耐久!
あと10秒だけでいいから耐久して話しなさいよ!』
-次回100話-
10年後の君も見つめてる
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