第93話 ケモノ耳とか私は好きよ?
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「ねえ、良いかしら?」
「やだ」
下校途中に突然なにか言ってきた前の席の友達。
「まだ何も言っていないのだけど」
「言わなくていい、聞きとうない」
こいつが突発的な話題を振る時は30割ろくでもない。
内訳としては、変態10割、意味がわからない10割、逃げ出したくなる10割。
「貴方には犬耳、猫耳、ウサギ耳、何の耳が似合うのかしらと思って」
どうでもいい10割のほうだったか。
「その中でペットとして好きなのは猫だけど」
「でも貴方はネコっぽくないわよね」
「え?ああ??うん???」
見た目は確かに猫っぽくはないかな。
けど犬とかウサギはもっと違うと思う。
「なら私はなんの動物に似てる?」
「そうね、目が丸くて鼻がツンってしていて、ちっちゃくて手足も短くて」
なんだか、ちょいちょいディスられているような。
「コツメカワウソとかが似てると思うわ」
言われてピンとこず、私はスマホを取り出して検索した。
画面に表示されたのは、なんだかこの世のものとは思えないくらい可愛い動物。
口を開けて叫んでいたり、片手を上げていたり。
「こ、これは可愛いけど、似てると言われて喜ぶかと言うと悩む」
「カワウソ耳カチューシャなら売っているし、良いじゃない」
「なんでもあるな日本」
お気に入りのカワウソ画像を数枚保存してスマホをしまう。
「でもなんで私に似合う耳を探してるの?」
「なんでって、6限目のクラス会で話を聞いていなかったの?
ああ、後ろからかすかに寝息が聞こえていたわね」
うっ、ちょっとうとうとしておりました。
たしか文化祭の出し物の話をしていたよね。
全部決まった後の拍手で目が覚めたから、なんにも記憶がない。
「え、うちのクラスはケモノ耳使う出し物なの?」
「女装&男装カフェよ。
私たち女子は男装ね」
「なら耳は関係ないんじゃ?」
「正確には、【女装&男装カフェ-異世界編-】なのよ。
少しだけ現代と違う要素をそれぞれ取り入れるみたいで、私たちは獣人男装ね」
なんぞそれ?
「うちのクラス尖りすぎでしょ」
「ほんとね、だれよこんな面倒なこと言ったの」
だよね、ほんとに誰だよこんな提案したの。
昔から面倒くささが勝って、文化祭とか乗り気なタイプじゃないけど今年は輪をかけてやりたくない。
寝ていて反対できなかった事を後悔していると、なんだか友達が満足げですまし顔をしている。
ああ、なるほどと気が付いてしまった。
「こんなマニアックな提案するのお前だけだろ」
「何故ばれた、貴方寝てたわよね?」
-次回予告-
ヘアアレンジ
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