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第92話 人類未踏の洞窟

【毎日更新】

評価 or ブクマおまちしてます。

嬉しくて踊ってしまいます。


「動かずに前を向いていてくれるかしら」


休み時間になると前の席の友達が、私の椅子の横に仁王立ちした。


「今日はどんなくだらないことを考えてるの?」


一応素直に従ってあげて、前の黒板を見ながら話した。

なんか、顔を見ないで会話するとか違和感がすごい。


「いや、今更ながら気が付いたのよ。

 奇麗だなって」


え?横顔が?

それは嬉しいですなあ。


「なぜ今まで気が付かなかったのかしら」


そこまでいわれると、こしょばゆいです。

でも、自分の横顔とか見る機会が無いしよくわかんない。

どんなのなんだろ。


「見てみる?」


友達がスマホでかしゃり。

今回も無許可だったけど盗撮扱いはしないでおいてあげる、私も気になってたし。

やっと横を向けた私は友達からスマホを受け取った。


「えーと、うん?

 これミスってるよ?」


画面のほとんどは真っ黒で少しだけ肌色。

なんかちょっと茶色の縦線も入ってる。

横顔じゃない……そういえばこいつって、一言でもそんなこと言ったっけ?

私が勘違いしただけだとしたらこれは。


「耳の穴じゃないか!」


迷わず写真をゴミ箱に。


「なによ、横顔でも褒めてくれてると思って喜んだのに。

 損した」


耳の穴がきれいと言われても、どう反応すればいいのやら。

乙女心をもてあそぶな。

見たけりゃいくらでもどうぞと、私は前を向く。

素直に凝視してくるのもどうかと思うけど。


「……」


ズボ


「ギャアアアアアアア!」


スパーン


「急に耳に指を突っ込む馬鹿がどこにいる!」


驚きすぎて結構ほんきで頭を叩いてしまい、友達が蹲ってる。

片手をこっちに向けて上げているのは、痛いからちょっとタイムか、指を突っ込むバカはここにいるという宣言か。


「耳が弱点なのね、新しい知見を得たわ」


自分の頭を撫でながら立ちあがった友達が嬉しそうにしてる。

そうだよ、耳が弱いんだよ。

自分で耳掃除も苦労するくらいなんだよ。


「息を吹きかけられるのがいい?

 舌をねじ込まれるのがいい?」

「嫌だよどっちも、触んなって言ってんの」

「私のもいじり倒して良いのよ?」


そういいながら片耳を差し出してくる。

ピアスをするのに苦労しそうな耳たぶの薄い耳。

見せつけられても困るんだけど。


「興味ない」


まあでも一応と、私も指を突っ込んだ。


「ヒンッ」


一瞬体をびくつかせた友達が、無言で離れていく。


「……ねえ」

「……何かしら?」

「ひょっとしてあんたの方が弱いんじゃ?」


友達が触られたくない耳と、変な声を出してしまった口のふたつを押えてさらに離れていく。


「知らないわよ、自分以外に触られるなんて初めてだったのよ」


本当に珍しく、言い訳をしながら向こうから撤退していく友達。

ああ、うん、これは少し面白いかもしれない。

耳を触る楽しさを知ってしまったので、久しぶりに友達に同調してしまう私。


-次回予告-

ケモノミミはいいぞ


挿絵(By みてみん)


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嬉しくて踊ってしまいます。


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