第85話 油まみれの間接キス
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夏の花粉のせいで目がごろごろして、私は自席にポーチをひっくり返す。
リップにハンドクリーム、日焼け止めや絆創膏がバラバラと散らばる。
「あれー、目薬は入れっぱなしだと思ったんだけど」
記憶をたどってみると、数日前に部屋で使ったのが最後。
しまい忘れちゃったかな。
まいったなと思ってると、前の席の友達がなぜか手を合わせていた。
「いただきます」
食前のあいさつをすませると、すっと私の机に手を伸ばした。
指は迷いなくピンクのカラーリップを拾い上げ、蓋を外すとそのままパクリ。
「何してんの!?」
ムグムグしている友達からリップをひったくる。
「ああ!本当に食べてる!」
尖っていたリップの先端が少し欠けていた。
「貴方の唇に何度も擦られているなんて悔しいじゃない」
口の中が脂っぽいのか水を飲んでた。
「これは食べ物じゃない!」
「唇に塗るものよ?
多少食べたところで体に害なんて無いわ」
「そうだろうけど、そうじゃない!」
やれやれと友達がポケットからメンソールリップを取り出して私に差し出してきた。
「私の食べていいわよ?」
「いるか!」
-次回予告-
いつも変態で時々は乙女
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