第81話 胸も根性もない女
【毎日更新】
評価 or ブクマおまちしてます。
嬉しくて踊ってしまいます。
「よいしょっと」
前の席の友達の部屋で勉強していた私は、借りていた教科書を後ろの本棚に戻した。
横着をして座ったまま体を捻ったんだけど、なんとか届いた。
前を向くと見た目だけは良い残念な女の子が、体を捩じりながら妙なポーズをしている。
「よく真後ろの本棚に腰の回転だけで手が届くわね」
「へっへー、体が柔らかいのは私の少ない長所のひとつなのだよ」
得意気に手を頭の上に持っていき、なんちゃってヨガのポーズをとる。
「それ関節どうなってるのよ」
「よくわかんない。
気がついたらできたから」
「こ、こうかしら?」
油が切れたロボットにしか見えない友達が悪戦苦闘している。
あれはあれで先進的なダンスに見えなくもない。
しばらく続けていたけど諦めたみたいで、しびれた腕を振るっていた。
「あれもできるの?
足を前に伸ばして座って体をピタって足につけるやつ。
前屈だったかしら?」
「いや、出来るというか出来ないというか」
「どうしたの口ごもって?」
「あのですね、それをやるには邪魔なものがありまして」
友達が一瞬の迷いもなく、私の体のある一点と自分の体の一点を見比べる。
「……はっ!」
「今のは私は悪くなくない!?」
盛大に鼻で笑う友達。
さっきから睨まれている胸を抱きかかえるように隠す。
なんでちょっと殺気立ってんの。
「それだけ胸も立派で体も柔らけりゃ自分で色々できて便利でしょうねえ」
「色々が何を指しているかなんて分からないし、知りたくもないけどお褒めにあずかり何より」
「なんなら勉強を教えるついでに説明するわよ?
都合よく今日は親の帰りが遅いわ」
机を乗り越えて私に馬乗りになってくる友達。
見下ろしている顔から黒い髪が降り注ぐ。
挑発的な一重の瞳は薄く潤んで細められている。
「そうだね」
私はそんな彼女の頬を優しく撫でる。
シルクのように滑らかだけど、奥に火傷しそうなほどの温度。
「いろいろ、教えてくれると嬉しいな」
指先でいたずらに彼女の頬を摘まむと、赤い肌のその部分だけ白く色が変わった。
「そ、それはまた今度ということで」
こいつがヘタレだというのは知っているからこそ、からかったんだけどさ。
こうなることはわかっていたんだけどさ。
なんだか納得がいかずに指先に力を込めると、友達が小さく声を上げた。
-次回予告-
どれだけ貴方を好きかをグラフにしてみた
評価 or ブクマおまちしてます。
嬉しくて踊ってしまいます。
今の作品が面白かったなら、こちらもお勧め
↓私のプロフからどうぞ
・ショート作品詰め合わせ
・前の席のJKが変態で困る|超短編百合
・悪役令嬢を目指す理由?メイドとダラダラしたいからよ!
・世界を救うヒーローだけどお金がなくてガスが止まった




