第70話 舌で丁寧に舐めてあげる
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嬉しくて踊ってしまいます。
「うわああああああああ!」
前の席の友達が私の左手を取り、人差し指を口に含んだ。
「ハンドクリームの味かしら。
それにしても指はどうしても埃っぽさはあるわね」
指先に感じる舌が絡まる感触。
体中がぞわりとする。
「うわああああああああ!」
ようやく解放された指と友達の唇の間に細く糸が引いていた。
「ん、こっちは苦いわね日焼け止めかしら」
手の甲から肘までゆっくりと、私の皮膚を味わいながら這い上がって来る舌。
一気に二の腕まで舐め上げると、頭を下げてもう一度。
何往復もされるうちに私の腕には粘液の道筋がいくつもできていた。
「うわああああああああ!」
友達は私の半袖の制服を肩まで捲り上げると、今度は舌先を細くすぼめてつつく様に味わう。
「服の下は日焼け止めを塗っていないのね。
一番美味しいわ」
嬉しくない誉め言葉を頂いた。
友達はまだまだ物足りない表情で私の腕を万歳させて、舌で脇に触れようとした。
「もう無理いいいい!」
上に上がっていた手を勢いよく振り下ろし、友達のこめかみにヒットさせる。
角度は45度。
「何をするの、貴方から振ってきた勝負に負けた罰でしょ?」
「そうだけど!そうだけど!限度があるだろうが!」
そう、私は勝負に負けたんだ。
迂闊にも吹っ掛けるときに、負けたら何をしてもいいなんて言ってしまった勝負に。
普段は全くスポーツなんて見ない私だけど、お祭り好きというか流行り好きというか、盛り上がっているものにはつい手を出してしまう。
なんとなくテレビで見たワールドカップも、例にもれず声援を送っていた。
友達はサッカーは授業でやったことがあるだけで、試合は見たことがないし選手の名前も誰も知らない。
だから私は言ってしまったんだ、どのチームが勝ちあがるか予想しようと。
「なんであんたが選んだチーム全部勝ち残ってんの!
サッカーの”サ”も知らないくせに!」
出場48チームからそれぞれ選んだ2チーム。
私の推しはベスト16で早々敗退し、友達のチームは両方決勝戦まで駒を進めた。
強豪国ってのは知ってるけど、そんな偶然あるのだろうか。
「なぜって、選手の各種能力を数値化してチーム戦力を測定。
考えうる試合のシチュエーションをマトリックス化。
それらをAIに入力して1万回のシミュレーションを行ったの。
その結果をもとに勝率が一番高い2チームを選んだだけよ」
「ガチすぎる!」
「貴方みたいにカッコいいとか、見てて楽しいで喧嘩を吹っ掛けるほど浅はかでは無いだけよ」
やれやれと呆れている友達を見ながら、私はなんて奴に勝負を挑んだのだと深く後悔。
もしもしFIFA?困ってるから助けてほしい。
「さて、続きをさせてもらうわよ」
「やめて!これ以上されると全力でぶっとばしそう!」
-次回予告-
夜食、それは暴飲暴食
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