第69話 ただただ部屋でダラダラしてみた
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学校帰りに前の席の友達の部屋に寄らせてもらった。
帰り道にドラッグストアへ寄って買い込んだお菓子とドリンク。
特に話すことがなくて静かな室内で、スナックを齧る軽快な音だけが響いている。
友達はさっきからパソコンで何か作業をしていて、私はスマホ片手にダラダラしていた。
時計を見るとお邪魔してもう3時間以上経っていたけど、交わした言葉は指折り数えられるくらい。
そろそろ帰らなきゃなと大きく伸びをすると、気が付いた友達がパソコンデスクから振り返った。
「あら、もうこんな時間なのね」
「だね。
一日が速いや」
長時間同じ姿勢だった私の関節が、ピキって音を立てた。
「ひとつ聞いていいかしら?」
「どした?」
友達の声を聞きながら机の上のお菓子のごみを片付け始める。
無意識のうちにだいぶ食べちゃった。
「私の部屋に入ってから会話らしい会話したかしら?」
ナイロン袋にまとめて、匂いが漏れないようにぎゅっと縛る。
今日した会話か、えーと。
「暑っつって話した」
「部屋に入ったばかりの時ね」
「このお菓子美味しいって話した」
「それ当たりだったわね」
……他にあったっけ?
「たぶん以上」
「何のために一緒にいたのよ、ほんと」
苦笑半分微笑み半分の、どうしようもないことを楽しんでいるような顔。
なんのためって、わかりきってるじゃない。
「単純に一緒にいたいからでしょ。
毎日顔合わせてて話題が尽きなかったら、そっちのほうがおかしい」
「そんなものかしら」
「でも楽しかったでしょ?」
私の問いに微笑みの割合を増やした友達が静かに頷いた。
「ええ、確かに楽しかったわ」
勝ち誇った私は立ち上がってスクールバッグを肩にかけた。
「じゃあ帰る。
家に着いたらメッセージするね」
「待ってるわ、話すことないかもしれないけど」
「いいよ、それでも。
ただ何かは返してよ」
そうじゃないと寂しいし。
私は小さく手を振った。
-次回予告-
舌で舐めていい?
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