第65話 臭い結婚
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「指が臭いわ」
休憩時間に前の席の友達が、人差し指を嗅ぎながら嫌そうな顔をしていた。
私は授業中に来ていたメッセージに適当に返事をしながら横目で見ている。
「ああ、そう」
へー、今日はママが帰ってくるの遅いんだ。
夕食は私が当番だなこれは、妹に何つくってあげよう。
「興味なさそうね」
「んー、ない」
どうせつまらない理由でしょ。
私はそれよりも可愛い妹をどう喜ばせようか、レシピを考えてんの。
定番のカレーかな、ごぼうあったしキンピラをサイドにするか。
人参とかゴマもあったと思う。
「授業中に不意に臍が痒くなったの」
「ほえー」
「バレないようにこっそり搔いていたらこのざまよ」
「はえー」
「貴方も臍を掻いて指を嗅いだことくらいあるでしょ?」
「まあ、あるけども」
一通りレシピ考察と栄養素計算が終わったので、ようやくさっきからどうでもよ過ぎる話をしていた友達の方を向いた。
指を嗅いでは嫌そうな顔をして離し、また嗅いでいる。
「少しハマってるじゃない」
「なんというか癖になるわね、これ」
ちょっとわかる。
でも学校でするな。
「ところで」
小さな咳ばらいをした友達が真剣な目でこちらを見る。
ああ、いつものだ。
「いらんこという前に釘さすけど、臍は痒くないし、痒くてもあんたには頼まない」
私の言葉に友達は開きかけていた口を止めて、言いかけていたセリフを飲み込んだ。
「一語一句当てられると気持ち悪いわね。
掻かせなさいよ、嗅がせなさいよ」
「気持ち悪いのはお前の思考だ」
あきれる私に人差し指を突き出してくる友達。
鼻先に突き付けられたそれから、酸化した皮脂のスメルがしてくる。
なんていうか、確かに癖になりそうな臭い。
「いいじゃない!臍を出しなさい!
私のクッサイ指と貴方のクッサイ臍を結婚させるのよ!」
「嫌だよ、最低の求婚だな。
あと人の臍が臭いの確定さすな」
迫る友達の頭を軽くはたいて私はトイレへと席を立った。
自信はあるけど、ちょっと確認してくる。
-次回予告-
脱がした後着せるならどこまで?
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