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第59話 占いマシンが財布の中身を空にしようとしてくる

【毎日更新】

評価 or ブクマおまちしてます。

嬉しくて踊ってしまいます。


「ねえ、あれやりましょうよ」


そろそろ帰ろうかと休日のモールを歩いていると、前の席の友達がゲームコーナーを指す。

小学生のお子様が多い中、誰ひとり近づいていない一角にプリクラみたいに幕で覆われている機械がある。

それには大きく相性診断と書かれてた。


「占い的な?」

「だと思うわ、私たちの仲の良さを証明しましょう」

「わざわざ機械に認めてもらう必要あるかなー」


気が乗らない私だったけど強引に手を引かれ、ビニールの幕の中に押し込まれた。

機械には大きな画面がついていて、友達が楽しそうに100円を入れると生年月日を入力してくださいと表示される。


「えーと私はっと」


ふたりしてぽちぽち入力。

完了ボタンを押すとドラムロールが流れて、現在診断中の文字。


「80%くらいなら許してあげるわ」


自信満々の友達が顎に手を当ててた。

私としてはお前と相性ピッタリは少し、ううん、だいぶ嫌。


機械から、ジャンっと音が流れて画面に相性が表示される。


「……0%」


こういうのって甘めに数字が出ると思っていたのに随分尖がった結果。

だって仲がいい友達とかカップルが使うのを想定してるはずだし。


「そりゃそうでしょ、私は常識人だもの」


私の言葉に友達が、頭の上に?マークを大盤振る舞いした表情をしていた。


「まるで私が変態みたいじゃない」

「え?」

「え?」


意思疎通と自認の弱さに、これは確かに0%だと納得。

デジタルにも認められたし早く帰ろ、そう私が口にしようとしたとき、機械から軽快なマーチが流れて画面に大きな文字が表示された。


「えと、詳細診断300円?」

「もちろんやるわ!」


私の確認も取らず友達が即入金。

いやいやいや、結構いいお値段だよ?


「これは?」

「性格診断的な?」


画面にはそれぞれに質問文章が表示され、それに納得できるかどうかの2択が選べるようになっていた。

再びぽちぽちして答えていく。

お互い問題は違っていて、全く異なることを聞かれている。


「こんなので何がわかるんだろ」

「思考回路が似ていれば一緒にいて安定、似過ぎていれば逆に不協。

 そういった判断なのかしら」


よくわからないけれど、画面には精神科医協力とか書かれてたし、まあ信じましょ。

ドラムロールをもう一度聞きながら私はぼけっと待つ。


「0%だと?」


再び表示された結果に友達が戦慄していた。


「400円も吸い込んでおいて、いい度胸ね貴方?」


友達がこめかみに青筋を立てながら筐体を撫でていた。

金額で結果が良くなる、ヨイショ型占いもどうかと思うよ私は。

怒りが爆発する前に引きずりだそうと構えると、今度はブラスバンドの高らかな音楽が流れ始めた。

画面は真っ赤に染まり光り輝いて、ビカビカと私たちを照らす。

まるでソシャゲがガチャを煽るような演出。

なんだこれ?


「本格鑑定は1000円?」


続いて表示された文章を何も考えず口にしたあと、やばいと横を向く。

友達がすでにお札を構えていた。


「落ち着いて!お札はだめ!

 この機械は商魂たくましすぎる!」


私の言葉に口の端を吊り上げ、ふっと笑う。

ここまで来て引けるかということだろうか。


私の静止を振り切って、なんであるんだろうと思っていたお札入れ口にインサート。

総額1400円。

学食何日分だよ。


「画面に手を当ててくださいか」


読み上げながら友達がガラスに手を当てた。

どうやら手相をスキャンしているようで、緑の光が上から下に走っていく。


「さすがに本格的なのかな?」


続いて私もやって、本日3度目のドラムロールが流れる。

この効果音は動画でよく聞くし、絶対フリー素材のやつだ。

そう思いながら三度ぼけっとしていた。


「……0%」


表示された結果に100%納得いってない様子。

今度は青筋にプラスして唇が引きついてる。

どうどう、落ち着きなさい。


「この機械壊したら修理費いくらかしら」


拳をそっと高々と上げる友達。

やめて、補導は嫌だ。


その手に抱き着いて思いとどまらせていると、結果が表示されていた画面がプチュンと音を立ててブラックアウトをした。

薄暗くなる幕の中。


何事だとふたりで見ていると急に7色に光り輝き、キュインキュインと聞いたことない盛大な音が鳴り響く。

狭い空間が音と光でもう賑やかすぎる。

なにこの脳が溶ける光と音は。

酩酊したときみたいに判断が鈍くなった思考。

お酒は飲んだことはないけど、いや本当にね、ただの想像だよ、うん。


その私たちに向けられた画面の表示。


【究極鑑定 5000円】


この機械は悪魔かな?

これはギャンブルだ、消費者庁に通報していい案件だ。


「ここまできて止まれるかい!

 学生アルバイターの財力を舐めないでよ!

 お小遣いはお父さんより上よ!」


そしてギャンブル中毒になりかけている被害者がここに一人。

財布に手を突っ込む友達を、押し倒さんとする勢いで羽交い絞めにした。


やめて!自覚あるならそのお金でパパになにかプレゼントしてあげて!

機械!お前はカウントダウンとか初めてさらに煽るんじゃない!


-次回予告-

正論パンチでぼこられる


挿絵(By みてみん)


評価 or ブクマおまちしてます。

嬉しくて踊ってしまいます。


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