第56話 荒縄で縛るのはノーマル?アブノーマル?
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「私、真人間になろうと思うの」
前の席の友達とクラスで話していると、唐突に宣言をしてきた。
「自分がちょっとだけ特殊かなとは気が付いていたのだけど、早いうちにと思って」
「へーそうなんだ、頑張ってね、応援してる、ファイトだよ。
んで、それでさ」
「まちなさい、私の決意を流さないで」
あのさ、そりゃ真人間になってくれたら被害者である私はすこぶる助かるよ。
心穏やかに高校生活過ごせるとか最高。
でもさ、無理じゃん。
太陽は西から昇らないんだよ?
「どうせ私にはできないと思ってるのでしょう」
「思ってる、確信してる、次の人生に期待してる」
何度でもいうけど無理だって。
クジラがメダカ1匹食べておなか一杯になりますって言ってるようなもの。
「ふっ、なら勝負よ、吠えづらをかかせてやるわ」
「あっそう、私が絶対勝つから、そっちは負けても何もしなくていいよ」
「吠えてればいいわ。
私が勝ったその時は、荒縄で全身を縛り上げて泣いて謝るまでくすぐるわ」
手をワキワキさせて楽しそうな友達。
えーとですね。
「その発想な時点で真人間じゃないから」
「……なら、縄をやめて制服のネクタイで手首を縛ることにするわ」
「ならじゃないよ、ならじゃ。
縄だけじゃなくて全体的にアブノーマルなの」
世間一般の常識に打ちのめされている友達。
「だって、薄い本では当たり前というか、こんなの前菜扱いよ!?」
「薄い本基準ならね!」
「そんな!こんなことが異常とされる世界で生きていてみんな楽しいの!?」
真剣な顔での切実な叫びなんだけど、えーとね。
「それなりに楽しいよ?」
-次回予告-
それ気持ちいい
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