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第48話 焼きそばとコーラとアイスを真夜中に

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時計の針がてっぺんを超えた深夜、私は家の台所でごそごそしていた。

常夜灯だけをつけた薄明かりの中で獲物を探す。

両親と妹はもう寝ていて、ここの支配者は今だけは私。


だからこんな物も食べ放題さ!

棚の奥に隠していたカップ麺を取り出すとポットのお湯をナミナミに注いだ。

親にばれると、またこんなのを食べてと叱られちゃう。

特に今日なんてカップラーメンではなく、なんとカップ焼きそば。

カロリーは驚異の700kcal超え。

これはギルティ。


硬めが好きな私は1分半でお湯を捨て、ソースをたっぷりかけた上に冷蔵庫にあった紅ショウガを乗せる。

日付変更線を越えた初夏の涼しい夜に漂う濃いソースの香りと、止めとばかりに注いだコーラ。

完璧だ、完全なるものが私の前にある。

怖くてゼロコーラにしたのは良い選択だと思う。


「さてと」


舌先で唇を舐めた私は飲み物を一口含んで、甘みと炭酸の刺激で口の中の準備を終わらせた。

いよいよだと箸で麺を持ち上げて口に運んだけど焦って量を取りすぎて入りきらず、途中で噛み切ってしまう。


塩分としか言いようがない濃厚さとわずかなフルーツの香り。

滑らかな麵は喉を滑り、ふりかけの天かすが奥歯で音を奏でる。

夕食を食べて6時間を超えて空っぽだった私の胃は、油と炭水化物に喜んでタンゴを踊ってるよ。


「これがドーパミン」


何かが脳をパチパチと刺激する。

ときおり酸っぱい紅ショウガを挟みながらどんどん食べていく。

ちなみに付属のマヨネーズは使わない派閥。


「はえーごちそう様」


爆上げした血糖値で眠さが襲って来る。

ああ、ベッドに倒れこみたい。

そう思いながらも、夜食中放置してしまっていた前の席の友達へのメッセージに返信をした。

証拠隠滅のために洗い物をしていると、さっそく折り返しが届いたことをバイブが伝える。


『体に悪い餌は美味しかった?

 飢えた豚のように貪ったのでしょうね』


普段は返信速度がかなり速い私。

それが夜中にちょっとだけ音信不通になればそりゃばれるか。

なぜかちょっとだけ恥ずかしい。

あと、なんて文章なんだよ。


『なんのこと?』


濡れた手を拭きつつわざとらしく返事をした私は、冷凍庫からカップアイスを取り出す。

まだ本日2度目のディナーは終わっていないのだから、感想を聞くのは失礼じゃないかな?


-次回予告-

靴の中を舐められた


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