第41話 シスコンの表情筋は鍛えられている
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前の席の友達が私の手を取り、爪をまじまじと見ていた。
「貴方ってコスメとか好きなのにネイルは何もしないわよね」
ああ、そんなところが気になっていたんだ。
たしかに私は爪の表面を磨くくらいはしているけど、下地のベースコートすら塗っていない。
「ママが遅いときは私がご飯作るからね」
看護師をしていてどうしても帰ってくる時間が不定期になってしまう。
そんな時は私が作って妹と二人で先に食べるのが我が家のルール。
「だから爪とかはね」
美味しそうに私の料理を食べてくれる妹を思い出して頬が緩んだんだけど、そこに心無い言葉が。
「マニキュアくらいなら、人体に影響なんてないと思うけど」
気にしすぎという友達に思わず目をひん剥いて噛みついてしまう。
「妹に何かあったらどうするの!」
「シスコンうるさい」
「うるさくない! 小学3年生っていう成長期まっただ中なのよ!気にしすぎても足りることはないわ! 口に入るものは吟味して……」
「シスコンうるさい」
わかる?あの子はお姫様なの、天使なの。
邪神とは違うの。
「ひとりっ子のあんたには、妹の可愛さがわからないのよ」
私の言葉に、ふふんと鼻を何度か鳴らした友達がこっちを指さす。
「姉妹の可愛さがわからないは心外よ」
何を気取っているのか、目を細めている。
「貴方のことは最愛の妹と思って……うっわ、嫌そうな顔」
冗談でも言って良いことと悪いことがあるのを学べ。
なにひとつ受け入れることができない私は、ぶつぶつぶつぶつ呟いてしまう。
「だいたい私のほうが誕生日先だし、リアルお姉ちゃんだし。
なんで妹扱いよ、むしろそっちが」
「私を妹扱いしてくれるの?」
「……」
「お姉さまって呼んでいい?」
「……」
「その嫌そうな顔どうやってるの?
表情筋凄いわよ」
-次回予告-
神様に謝っとけ
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